「奴を倒す!斬撃なら効果的に効くはずだ!俺が前に出るから援護を頼む」

そういうと、敵へと突っ込む!そして、敵が振ってきた腕に一撃を……。

もともと木製のゴーレムは、魔法への抵抗力を極限まで高め、物理的な守りを、最低限にした姿。

中でも斬撃は、気持ちいいほど斬れる!俺の攻撃で、こいつの腕もきっと!

だが、敵の腕に当たっても、斬れるどころか傷も付かない。そのまま押し返され、後ろに飛ばされる。

飛ばされつつ気づいた!やつの体は、最も硬い木……アイアンウッドという木だ!

「危ない!」

アルタイルが、俺を受け止めてくれた。助かった……あのまま壁にぶつかれば………。

「ありがとよ」

礼をいい、そのまま剣を構える。

「アイリス。攻撃力アップと素早さアップを頼む!」

「分かったわ。

強き攻撃の象徴よ、彼に一時力をかしたまへ “ファイアブースト”

速き動きの象徴よ、その動きの素早きを彼に与えたまへ “クイックウインド”

俺の剣が赤く光り、足が竜巻に包まれる。

「よし、これで!今度こそ!」

走り出し敵に向かう。後ろから声が聞こえた……。

「フィソラ、火属性で行くわよ!」

フィソラが前に出てくれるのならば、非常に頼もしい!

火属性となり、攻撃力を重視したフィソラの爪は、今の俺の剣と同等の威力がある。

敵の前に着いた俺は、そのまま跳び、敵の真上。

普通そんなに高く飛べないが、クイックウインドの速さのおかげだ。

そのまま剣を構え、敵へと振り下ろす。剣によって傷は付いた。だが、…それだけ。

もちろん俺もその一撃で勝てるなんて思っていない。そこからすぐに離れ、敵の体の各部分を動き回り、斬っていく。

途中で、フィソラが敵にぶつかってきた。

体の色は赤黒い。爪が伸び。鱗は刃物のように変わっている。火を吐いているが……、

「効いてないみたいだな」

やはり魔力によって強化された木には、火といえど効いていない。やはりここは、剣か爪の一撃がカギになる!

フィソラも気づいたようで、爪で敵を引っかく。無数の傷が付くが……、一つ一つに大きいダメージは無い。

今は、俺もフィソラも敵の攻撃を避けている。だが、必ずどこかで疲れが出る!

このままだと、そのうち追い込まれる!!

そう思ったときだった…敵の核が光りだし、赤い色に変わる。そして、フィソラに向かって火を吐いた。

フィソラへと直撃する炎!だが、

『この程度なんとも無い!』

炎が消えた後には、平気な姿のフィソラが立っていた!

火属性のフィソラは、自らの体を鉄板のように熱く出来る。あの程度の炎なら平気だろう!

そう思い、安心する。奴は火属性に変われるのか。フィソラが火属性でいる限り心配しなくてよさそうだ。

そう思った瞬間。また敵の核が輝く!今度は、

「フィソラ、避けろ!」

核の色が青色に変わる。水属性を示す青に…。

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