清貧への挑戦

 

89  今日のもう一つの挑戦は、所有を渇望する唯物主義からの挑戦である。それは、もっとも弱い人たちの困窮と苦悩を省みず、自然資源の均衡への関心をまったく欠いている。奉献生活からの応答は、福音的清貧の宣立のうちに見出される。それは、さまざまの仕方で生きることができ、そしてしばしば連帯と慈善事業との促進への積極的な取り組みのうちに表明される。どれほどたくさんの修道会が、教育と訓練そして専門的養成に献身し、若者たちともはや青年ではない人たちとに、かれら自身の未来の建設者となるように準備させていることか! どれほど多くの奉献生活者が、地球上でもっとも恵まれない人たちのために、躊躇うことなく献身し奉仕していることか! 奉献生活者のどれほど多くの人たちが、将来の教育者たちと社会の指導者たちとを教育し、今度は後者の人たちが貧しい人たちの福利のために抑圧の諸構造を取り除き、連帯の諸企画を促進することに取り組むように働いていることか! 奉献生活を営む人たちは、飢餓とその原因を克服するために戦っている;かれらは、かずかずの自発的任意団体と人道主義的諸機構とによる諸活動を鼓舞している;そしてかれらは、かずかずの公的団体および私的団体とともに、国際的援助の公正な分配を促進するために働いている。諸国民は、進取の気性に富んだこのような慈善事業の推進者たちに、本当に多くのものを負っているのである。かれらの倦むことを知らぬ惜しみない寛大さは、世界をより人間的なものにするのに貢献してきたし、これからも貢献し続けるだろう。