使徒的共同体の似姿のなかで

 

45 兄弟愛に満ちた生活は、奉献生活を営む人たちの霊的旅路において、かれらの絶えざる刷新と、世界のなかでのかれらの宣教使命の充全な達成とにとって、根本的な役割を演じている。これは、兄弟愛に満ちた生活を支える神学的動機付けから明らかであり、また経験によっても十分に確証されている。したがってわたくしは、奉献生活を営む男女の人たちに、エルサレムの最初のキリスト者たちが熱心に使徒たちの教えを受け入れ、粘り強く共同の祈りを行い、弛まず感謝の祭儀を祝い、かれらが受けた自然と恩恵とのあらゆる善益を進んで分かち合った模範に倣い(cf. Acts 2:42-47)、自分たちの兄弟愛に満ちた生活を強めるように勧める。取り分けわたくしは、修道生活を営む男女の人たちと使徒的生活の会の会員たちとに、それぞれの会の本性と調和のとれた仕方で惜しみない相互愛を示すように求める。そうすることによってあらゆる共同体は、「神が人々とともに住む」(Rev 21:3)新しいエルサレムの輝かしいしるしとなるであろう。

全教会は、「喜びと聖霊とに」(Acts 13:52)満たされた共同体の証に大きく依存している。教会は、孤独が互いの気遣いによって克服され、意思の疎通がすべての人に共同責任の感覚を鼓吹し、もろもろの傷が赦しによって癒され、交わりへの各人の取り組みが強化される共同体の実例を世界の面前に高々と掲げ支持したいと願う。この種の共同体のカリスマの本性は、かれらの活力を導き、かれらの忠実さを支え、すべての者の使徒的営為を唯一の宣教使命へと差し向けている。もしも教会がその本当の顔を今日の世界に明らかに示さなければならないとすれば、教会は、そのような兄弟愛に満ちた共同体を是非とも必要とする。そのような共同体は、まさにその存在それ自体によって新しい福音化に貢献しているのである。なぜなら兄弟愛に満ちたそのような共同体は、「新しい掟」の実りの豊かさを具体的な仕方で開示するからである。