序文

 主キリストの模範と教えに深く根を下ろした奉献生活は、父なる神がご自分の教会に聖霊をとおしてお与えになった賜物である。貞潔で貧しく従順な方というイエスの特徴的な姿は、福音的勧告の宣立によって、世界のただなかで絶えず「見えるもの」となり、信者の目は、歴史のなかですでに働き、天においてその完全な実現をみる神の国の神秘に向けられる。

あらゆる時代に、おん父の呼びかけと聖霊の促しとに従って、キリストに従うという、この特別の道を選び、「分かたれざる」心で(Cf.1 Cor.7:34)キリストにみずからを捧げる男女がいた。使徒たちと同じようにかれらも、キリストとともにいるために、また、キリストがなさったように神と自分たちの兄弟姉妹とへの奉仕にみずからを用立てるために、すべてのものを後に残した。このようにしてかれらは、聖霊によって自分たちに与えられた霊的で使徒的な生活の多くのカリスマをとおして、教会の神秘と使命とを輝きわたらせるのを助け、またそうすることで社会の刷新に貢献してきた。