結論

16. 最後にわたくしは、わたくしの前任者レオ十三世そしてピウス十二世と同じように、カトリックの解釈者の皆さん、取り分けあなたがた、教皇庁聖書委員会の会員の皆さまに、わたくしの感謝と激励を与えることができますことを喜びとしております。

わたくしは、あなたがたが神のみ言葉と神の民とへの奉仕のためにこのように優れた作品を仕上げられたことを、心より感謝いたします:この作品は、研究と教えそして出版活動の為せる業、神学とみ言葉の典礼そして説教の職務のための助け;エキュメニズムと、キリスト教の人びととユダヤ教の人びととの間の善き関係を育成するための率先的事業、現代世界のかずかずの熱望と困難とに応えようとする教会の努力への取り組みなのです。

これに加えてわたくしは、この次に踏むべき段階に暖かい励ましをお送りしたいと思います。この任務のますます増大する複雑さは、あらゆる人の努力と広い学際的な協力とを必要としています。科学的研究が多くの領域でますます大きな重要性を帯びつつある世界にあっては、解釈科学がそれと比肩し得る水準においてみずからの場を見出すことが絶対必要です。このことは、受肉の神秘を受けいることと関連しており、教会の使命の一部である信仰の文化内在化の一つの側面をなすものです。

どうかあなたがた皆さまが、あなたがた皆さまの研究において、受肉した神のみ言葉であるイエズス・キリストによって導かれますように。受肉した神のみ言葉は、ご自分の弟子たちの心をお開きになって、聖書を理解させてくだったのです(Lk 24:45)。どうか乙女マリアが、神のみ言葉へのかのじょの惜しみない従順によってばかりでなく、特にかのじょが、告げられたことを受け入れたときのかのじょの姿勢によって、皆さまの手本となりますように 聖ルカはわたくしたち、マリアが神のみ言葉と起こった出来事とを心のなかで思い巡らしていた(sumba,llousa evn th/ kardi,a auvth/j; Lk 2:19)と教えております。マリアは、み言葉を迎え入れることによって、弟子たちの模範であり母となっているのです(cf Jn 19:27)。ですからどうかマリアが、あなたがた皆さんに、知的研究においてばかりでなくあなたがたの生活のすべてを上げて、神のみ言葉を充全に受け入れる術を教えてください

あなたがた皆さんの仕事と活動が聖書の光をいっそ輝かしく輝き渡らせるように願って、わたくしは真心を込めて、わたくしの使徒的祝福をあなたがた皆さまにお与えします。