諸原則

 

古典的形式の歴史的批判的方法の根本的諸原則は、以下のようなものである:

それは歴史的方法である。なぜならそれは、古代の諸文書――この場合は、聖書の本文――に適応され、歴史的な観点からそれらの文書を研究するばかりでなく、さらに何よりもそれは、聖書本文を成立させた歴史的な過程、しばしば錯綜し長い時の流れを伴った通時的な過程に光を当てようとするからである。

それは批判的方法である。なぜならその(本文批評から編集批評までの)各段階において、それは、出来るかぎり客観的であろうとする科学的基準の助けを借りて作業を進めるからである。このようにしてそれは、しばしば非常に難解な聖書本文の意味を現代の読者に近づきやすいものにすることを目指している。

それは分析的方法として、他の古代文書を研究するのと同じようなやり方で聖書本文を研究し、聖書を人間の言説の表現として、それを批評する。しかしながら何よりも編集批評の領域において、それは、神的な啓示の内容をよりよく把握することを解釈者に可能にさせるのである。