米国旅行6



 2.24(火)晴




 LAに来て初めてと言って良いほどの好天気。8時55分発。お隣りのコスタメサ市にあるSOUTH COAST PLAZAへ行く。9時10分着。LA周辺で最大のモールとのこと。モール自体は開いているが、10時から開店のテナントが多く中はまだ閑散。2階のスターバックでコーヒーを飲む。レギュラー1.4$。コーヒーのふたに小さな穴が空き、傾斜があってピッチリ閉まるようになっている。車の中や歩きながら飲めるようにしてあるのだ。いつも作井君は出社前に近所のスターバックに寄って、ビッグサイズを飲むのが習慣という。もちろん飲みかけのまま車に持ち込むのであろう。そのためか、家にはコーヒーを置いてなかった。この日も作井君、コーヒーを手にしたまま会社へ。入口近くにある回転木馬を皆がバラバラになった時や作井君との待ち合わせ場所にする。モール内には各国の両替所があって便利だ。



 やがてポツポツとテナントが開き始め、まずは別館へ。別館は駐車場や道路をまたいだ長い通路を渡る。3階にあるGAPに入りシャツを買う。庶民的な価格の店。XLが必要かと思ったが、試着してみると大きいのでLサイズにする。27$。本屋に入って音楽コーナーをみると、プレスリーの曲集が全曲楽譜入りである。欲しかったが何せ大きくて重いので断念。本館に戻り「シャネル」や「ティファニー」で宝石を見て回るが、全くの冷やかし。シャネルで石橋さんと装飾品を見ていると、係の女性が声をかけてきたので「Looking only」と言ったらどうにか通じた様子。この辺りから皆と離ればなれになる。Gパン売場を覗くと、価格は大体145$前後。アメリカではGパンは高いそうだ。男女ともGパンをはいている人が多く、需要が多いためであろう。しかしサイズや色が豊富なので欲しかったが、これも荷物になりそうなので止めにする。それにしても、日本と違って僕のサイズのものが当り前のようにあるのは嬉しい限り。この次にアメリカに来る時はできるだけ大きなバッグを用意して、思いっ切りショッピングしたいもの。今回はともかく身軽な格好を優先させて来ていたのだ。デパートのMACY'Sに寄りナイキのTシャツを購入。15$。この日あたりになると慣れとは恐ろしいもので、チンプンカンプンの英語を使う図々しさも出てくる。それにはショッピングが最適である。と言っても、ショッピングは苦手なのだが……。

 時間が来たので待ち合わせ場所に行くと、石橋さんと石井さんが公衆電話で作井君と連絡を取ろうとしている。しかし、なかなかうまく行かない様子。僕が50¢を入れてかけると通じているようだが出ない。50¢は戻って来なかった。後で聞くと、やはり電話は通じていたのだが、作井君に手違いがあったらしい。50¢は朝、作井君に電話用として念のため借りていたもので、こちらに被害はナシ。石井さんと稲垣さんは年輩の御婦人に電話のかけ方を尋ねるなど大変だった。滞在中、公衆電話には悪戦苦闘したのだが、石井さんの「空港の携帯リースを利用するのが便利」という意見に賛成。最初から分かっていればね。それにしても、回転木馬の近くにあるトイレ(restroom)の入口から現場?までの長いこと。稲垣さんが「途中の通路が危ない」と言っていたが、僕も入ってみて同感。白壁で明るいのだが通路が細くて物騒である。トイレと言えば、向こうでは座る場所の仕切りの下部分がなく落ち着かないものだ。



 何とか作井君との待ち合わせ時間も決まり、その前にモール内のレストランに入る。2時。僕はfish tacosを注文。どんなものか分からぬが、ともかく突撃あるのみ。それに全員がバドワイザー。まずホットケーキのような形のパンが出てくる。少し甘い。これをビールのツマミにして食べ終わるとまた出てくる。それだけでお腹が一杯。タコスは4個だが、とにかくでかすぎる。結局2個しか食べ切れず。稲垣さんが1個を手伝ってくれる。アメリカには「もったいない」という感覚がないのではないか。余っても平気で、とにかくテーブルの上を一杯にしておかないと気がすまないという感じ。それにしても、テーブルに付いたメキシコ系らしいボーイは楽しかった。僕がまずバドワイザーのお代わりを頼むと、誰かがツーと言う。そしてスリー、フォーと続いたが、するとボーイが「イチ、ニー、サン、シー、OK?」。最初から日本語で言えば良かったね。



 作井君と待ち合わせた後、近くのラグナビーチへ。3時15分着。駐車場で稲垣さんが気分が悪くなり車に残る。前夜3時間しか寝ていないと言っていた。それに旅ももう6日目。疲れが出たのであろう。ビーチを散策。綺麗な砂浜。カモメがたむろしている。ビーチバレーも行われるようだ。バスケットボールに興じる人たちがいるのはアメリカらしい風景。海岸線からはすぐに山が迫っていて、家が張り付くように建っている。崖崩れがあったような跡があって何か危ない感じ。帰りは近道を通ろうとしたが、TOLLと書かれていたので作井君避ける。LAでは珍しく有料なのだ。



 結局405号線で帰路へ。作井君ちは405号と5号線に挟まれた所にあり、この両者にはお世話になった。ところで片側7車線のような広い道路では最も左側にCAR POOLONLYというレーンがある。ここは二人以上乗っている車でないと入れないのだ。違反すると271$という重い罰金が課せられる。このレーンには黄色い線が引かれて区別されており、作井君は向こうの教習所で教官に「黄色い線は壁だと思え」と言われたという。絶対越えてはいけないということ。しかし黄色い線が途切れる場所は少なく、出入りするのは大変。渋滞の時は助かるが、ただ高速出口に行く時は6車線分を移動しなくてはならない。車が多いし、なかなか道を譲らない車がいるのはどこも同じだ。グズグズしていると出そこなってしまう。こうしたレーンがあるということは、それだけ一人運転が多いということだろう。つまり燃料の無駄遣いというわけで、公共運送機関は大事にしたいもの。また下の道で右折する場合(日本だったら左折)、一般的には信号が赤でも一旦停止して、安全を確認したら進めるというのは合理的と感心。



 帰りに日系スーパーMARUKAIに寄る。LA周辺に6店鋪あるという。日本人用の食品が豊富。米人の買物客も多い。入口にまずコメの安売りコーナーがあり、奥にも本格的なコーナーがある。魚沼コシヒカリ100%があるのには驚いた。2「27.98$とかなり高い。店の人の話によると、魚沼コシヒカリは時々入荷するが、高くても良く売れるという。作井君、この人とは最初英語で話していたが、向こうが「I'm Japanese」と言うので日本語に代わった。最近赴任して来たという。魚沼以外は全てアメリカ産で、コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまちなどや無洗米もある。価格は大体日本に比べると3分の1程度。石橋さんは「田牧米」5ポンドを土産用として購入。次いでオーガニックスーパーに行きたかったが、場所が分からず断念。またCOSTCOに入る。石井さんは土産用のワインを購入。安いだけでなく種類も豊富である。僕は作井君のために通常買っているというワインをカートに入れておいたが、家に帰ってからみると石井さんの好みのものに換えられていた。COSTCOの駐車場にあるGSに車の長い列ができていた。ここ数日、ガソリン価格が値上がりしたため安い所に集まっているのだという。ここは会員割引きもある。車社会のアメリカでは日本と比べものにならないくらいガソリン価格には鋭敏であろう。もっとも、産油国でもあるアメリカでは自国産はストックしておいて、中近東などで枯渇してから使い始める計画という説もある。稲垣さんはここまでまだ車から出られず。


 6時20分に帰り着く。滞在中、石井さんは玄関のスペアキーを預かっていたが、毎日なかなかドアを開けられず。いつも車庫から入った作井君が中からドアを開けていた。だから毎晩「いらっしゃい!」。いつも帰って来た時は暗くなっていて、手元不如意だったせいだよね。稲垣さんは帰宅後自室で少し仮眠をとって元気を取り戻した様子。食事中の僕らに向かって手を振りながら階段を降りてくる。最後の夜は石井さんの買ったSimi 2001 Calivineというワインで乾杯。もっと楽しみたかったが、翌朝は早いというので11時就寝。

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