運転免許試験2



7月15日に運転免許の実技試験に落ちて、7月30日は2度目の挑戦。落ちた当日は、僕なりにかなり落ち込んでいた。『免許なんかあと2回受けられるからとどうでも良いよ!』と軽い気持ちでいられればよいのだがそうも思えない心境だった。何故かというと、こちらに来てから有りとあらゆる場所で免許証の提示が求められる。スーパーでクレジットカードを使うのも、ホテルに泊まるのも、当然に飛行機に乗るのも、何かの会員になるにも、何から何まで全てアメリカでは免許証が基本なのだ。免許のないことの劣等感、不自由が身に染み付いている。

その度に『免許は今取っているところだ』と言う。何度か、顔写真の入っているディズニーカードで代用を許して貰ったこともある。しかし、これは本当に特例でほとんどは認めては貰えない。従って、免許がないとパスポートを持ち歩かなくてはならない。だからどうしても必要で、欲しくて欲しくてたまらなかった。

ある、在米期間の長い人が言っていた、『アメリカに来て本当に自由が味わえるのは、アメリカの免許証を持つこと、英語が堪能に喋られるようになること。その二つがあって、はじめて自由になれる。』

また、日本で30年も乗っているのにとの面子もあり。何度も落ちると、部下の米人達からの目もある。


ディズニーランドのID


16日からは朝1時間ほど早く家をでる、前回に落ちたとき試験官に言われたように試験所(Laguna-Hills)の回りで練習することにした。2週間で6日ほど練習しただろうか。

先日友人に試験に落ちた話をした、彼も一度落ちたと言う。仲間がいたと少しは安心した。同じように彼も免許が必要であり、合格したときは『うれしくて、何とも言えない感動だった。』、『こんなに緊張したのは小学校での学芸会以来だった。』とも言っていた。さらに、彼のコメントでは日本でペーパドライバーだった奥さん達は逆に簡単に合格することが多いらしい。


試験所の回りの地図


練習をすると周辺の地図は直ぐに頭に入った、どの道のスピード規制が何マイルかなどなど試験を想定して何度も運転練習をした。しかし同じ道なのですぐに慣れてくる、狭い道から、広い道にる時のちょっと気のゆるみ。また、逆側を走ってしまった。これは、練習のし過ぎの弊害だろう。

試験当日やはり朝早く家を出て練習をした。練習を終えて、『さあ完璧だ!会社に行こう!』と気が抜けた瞬間に反対車線で信号待ちをしてしまっている。狭い道から広い通りに出た時に対抗車がいなかったので、またやってしまった。結構、これも当日の大きなプレッシャーになっていた。日本での運転が長すぎるのと無意識状態の時にどうしても自動的に左側通行になってしまう。

試験の時間が近づいてきた、米人達にはちょっと用があるからと会社を午後2時に出る。落ちた時の説明をしたくなかったので…。

試験場に着いた、やはり前回ほどではないにしろ1時間待ち以上だ。『今回は大丈夫だ!』と自分に言い聞かせた。あるいはまた『落ちてもまだ後一回ある、気楽になろう!』と思うようにもした。

ただ心中では大混、そうも簡単にはゆかない、待つ間の緊張感。受かった時の感激している自分を想定しようとした、既に頭に入っている試験コースを、心の中で何度も練習した、特に右折、左折も含めて。

さあ、本番。全て順調、やはり大いに緊張している。コースもあと少しで終わりだった。『今のところ何も問題もない。信号も運良く黄色に変わる瞬間もなく運もいい、あと最後まで少しだ』、運転をしながらそんなことも頭に浮かんだ。

試験場に戻ってきて、試験官から『You passed.』と言われ『Thank you.』と言った瞬間。感動と言うよりは本当に疲労からの脱力感だった。事務所での手続で、『3週間後に免許が送られるよ』と聞いた、大きな安堵感と今日はじめての感動。緊張感から胃がこんなに痛かったのだとはじめて気づいた。


合格の試験結果


免許が車での仮免許(7月30日付)


受かってよかった。『日本だったら、さしずめ友人と宴会になっていただろう』と思いつつ。飲む相手もいないし、車通勤で飲むことも出来ない。いつものように仕事をして、日本との仕事の連絡が有ったので会社を出たのは夜10時過ぎだった。

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