Office2


今日は、米人の部下(Director)が土曜日なのに出勤すると言う。珍しいことだ、月曜日からセールスミーティングを主催していて彼が取り纏めなのだ。昨日は何回か僕に土曜日は会社に来るのかと聞いてきた。来て欲しいのだろう、止む得ない午後から行くよと言っておいた。


担当者はCubuと呼ばれている、しきりの中で仕事をする。マネージャー以上は部屋がある。Cubuは日本の事務所の個人スペースよりも遙かに広く効率が良い。


まだ、来たばかりの1ヶ月だが少しわかってきた。アメリカ人は会社への忠誠心が無いと言われているが、必ずしもそうではないと思う。ただし、その会社を一生のものとは考えていないだけだろう。しかし、今の仕事はしっかりやる、当然やらないとクビにされることもある。従って、自分の仕事へのプロ意識と、仕事を通しての自己の成長の意識が非常に強い。それによって給与も変わるからだ。

日本は製造業での効率は世界一と言われてきた、最近は中国、アジアに追い越されているのかもしれないが…。ただし、事務効率は相当に日本は悪いと以前に新聞か雑誌に載っていた。たしかに、こちらに来る前に経験している自分の日本の事務所効率と比べるとこちらははるかに自己の仕事に熱中出来る環境にあると思う。

まず、会議が少ない、提出資料なども殆ど無い。(日本への提出資料は日本人が書いている。)また、無駄口、雑談などは殆どしていない。フレックスタイムなので、遅く来る人も居るが、出荷担当の女性など朝早く来て、3時半頃には帰ってしまう。昼食もそろって同じ時間に食べることも少なく、外に食べに行くものもいれば食事を取らずに仕事をしているものもいる。

アメリカ人は5時には殆ど帰ると思っていたが、マネージャなどは遅くまで仕事をしている。出荷担当の女性マネージャーなどは夜9時頃まで毎日、他のマネージャ−達も結構、帰るのは遅い。

あと、皆明るい。朝は出会うと必ず、

Hi! How are you?

Fine, Thank you, and you?

How' going?

good!

朝以外でも、必ず笑顔のスマイルと一言。

帰るときは、

Have a good evening!

等々

赴任の事前研修でも言われたことだがアメリカ人を決して人前で叱ってはいけないことだ。日本だと当たり前のように精神論から小言・大言を受けてしまうことに慣れていた。『バカ野郎!』などと全員の前で叱られたことは何度と無くあるが、こちらでは完全に御法度。慣れている日本人の僕でもこれは辛いことだ。

ただし、部下を叱ってはいけないことではなく。精神的に追い込むのではなく、まず良い所を誉め、後はもっとこうした方が良いのではないかと指導することらしい。従って、部下のDirectorがその部下にメイルをしている写しを読むと、必ずやってくれたことに対してGood-jobと誉めてから何かを言っている。

アメリカではTop-downでBossは絶対の権限がある、これも前任者にも同僚の日本人にも言われていることだ。つまり、曖昧な指示は駄目、具体的に指示をしなくてはならない(それも素早く)。彼等の給与を面接して、直接本人と合意の上で決めているからだとのこと、これが結構悩みだと皆言っている。まだ、その時期に来てはいないので経験はしていないが…

何か起こってしまった問題に対して、日本では、『なんでそんな問題を起こしたのか?何をしていたのか?どうして防げなかったのか?』等々精神論的な叱咤の世界に入り込み、それを解決する方策にたどり着くまでに疲れ果ててしまう事が多い。こちらでは、まず解決する方策、解決することに全エネルギーを使えるように思う。


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