事故


保険で使ったレンタカー、小さな車(保険でカバーされる)があいていなかったのでマッチョなピックアップトラックを1日だけ貸して貰った。


5月13日、当日は亜弥のTOFELの試験がUSC(南カルフォニア大学)、また同日の夕方からProm(卒業パーティー)が予定され、朝早くから忙しい日だった。

亜弥はPromの始まる前に友人達と美容院、メイクアップ、ネイルなどの予約をしていた。しかしTOFELの試験の後、ロサンゼルスから帰る道は渋滞とても最初の美容院へは間に合いそうにもなかった。車の中、時間に気を揉む亜弥、ついついこちらもアクセルを踏む足に力が入る。


やっと、Down Townをぬけ高速の5号にのったときに、何とか車の流れが良くなった。まわりの車はほとんど80マイルで走っている。皆全員スピード違反、この場所の法定速度は55マイルか60マイルである。流れに合わせて、一番内側の高速車線で80マイルで走っていた。ちょうど、5号にのってから10マイル位のところ、このままの流れなら何とかギリギリ亜弥の美容院が間に合うかと思った矢先、突然に前を走っていた車のブレーキランプが点灯。あっと言う間に前の車との距離が近づく、あわや衝突と覚悟をしたときに、何とか30センチで停車することがでた。ほっとするのも束の間、轟音とショック後続車のブレーキが間に合わずぶつけられてしまった。


遂に事故を起こしてしまったかと愕然、家族の怪我はなかった。高速で車を止め、後続車のドライバーと話すために外にでた。後続車はセダン、僕の車はミニバン、車の大きさ重さは相手が圧倒的に不利。彼のエンジンルームは半分潰れ、ラジエーターの水が漏れていた。とても写真を撮影する余裕はなかった。すぐに保険会社に電話を掛けたが、土曜日で繋がらない。まるで映画の場面にあるように、相手と免許書番号、車のナンバー、名前、家の電話番号、保険会社の電話番号を互いに交換した。相手に警察をまとうと提案、相手は呼んでもなかなかこないから・・・と。まわりを見ると我々2台が車線を塞いでいるのですでに渋滞。今回の事故の原因でもある、前で接触した2台の車は路側帯に出て、やはり同じように情報の交換をしてすでに別れかけていた。


彼のアドバイスに従い、我々はその場を離れそれぞれ車を走らせた。後で、会社の部下に聞いたら、あの時に警察を待たない方が良かったらしい。警察が来ていたら速度オーバーがばれ罰金を取られていたとのこと。また、運が良かったことに相手がまともなアメリカ人で保険に入っていたことだった。

また、部下が言うには相手が100%悪い。日本ではどちらかに100%の責任があることはあり得ないのだが、誰に聞いても、それは相手が悪いと言うのだ。


車の中では、亜弥が泣きべそ。車が大破していたり、警察がきたら美容院はどころかPromも行くことができないと思ったのだろう。事故後の家までの運転はなんとも言えない嫌な気分、しかしながら怪我もなく車の大破もなく運が良かった。


後ろのバンパーは衝突の傷、右後方の板金は傷とへこみ。


月曜日に保険会社へ事故と相手の情報を全て連絡、すぐにレンタカーを借りて車を修理するように言われる。

レンタカーは指定のレンタカー会社、ただしこの日は保険会社指定の低価格の車はなく交渉(Negotiation)の上で、ピックアップトラックを同料金で1日だけ借りることができた。


さすがピックアップトラック、大きな車の中から他の車を見下ろし、マッチョな気分になる。なるほどこれでアメリカ人が乗りたがるのだ・・・。


まるで新車のような仕上がり、完璧に直るものだと関心した。アメリカではこの手の修理はデーラーでは直して貰えない。Bodyshopという板金専門の修理工場へ持って行かなくてはならない。その工場を保険会社へ連絡、その後保険会社が修理の内容を修理工場に見に行く。


日系の修理工場(Bodyshop)を紹介してもらい、一週間ほどで車は完璧に直った。費用は3500ドル、僕が払ったのは保険免責分(Deductible)500ドルを払った。その後、互いの保険会社交渉で500ドルは返却されてきた。全く部下の言うとおり、相手が100%悪かったのだ。




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