JL062便(5月23日成田発)



5月23日成田発(17時20分)のロサンゼルス便JL062便へ搭乗した。この一週間、台風2号も接近したこともあり雨が続き肌寒い日本だった。しかし僕にとってはとても楽しく、有意義な滞在。23日は日曜日、その便に乗ると時差の関係で到着はアメリカ時間では同日の日曜で昼頃となる。

成田エックスプレスの車中では東京の風景、日本語の放送など少しでも多くを頭に焼き付けておこうとそんな感じだった。日本に居る間は不思議とアメリカの情景・環境などは全て頭から消え、今自分が此処に居るのが当然の如く自然だった。景色も食べ物も昔からの記憶通り、いつものように美味しく安定な存在だった。でも、いざその日にアメリカに帰るとなると、途端にそれらの色が薄くなり消えそうな不安定な存在になる。もうすぐ見られなくなる、会えなくなる、目の前から消えてしまうんだと実感してくる。

日本での楽しい思い出、残してきた、残っている大切な人たち、最終搭乗案内を待つ間いい年をしてちょっと”センチ”になってみたりも…。だから、携帯の電源は最後の最後まで消せなかった、少しでも長い時間繋がっていたいと。

今回のJL062便は満席状態、客席乗務員も多忙きわまりなかった。状況は理解するも、JALの今回の便には多少むっときた。

『食事は魚とチキンどちらにされます?』

『魚は何ですか?』

『ツナです。』

『じゃあ、チキンを下さい。』

一口、食べてからチキンで無いことが解った。まあいいかと全部食べてしまったが、ツナの西洋料理風の味付けなのであまりぱっとしない。(美味しくなかった)、隣はチキンを美味そうに食べている。

『水割りを下さい。』

しばらくしてから、彼女が持ってきたのがミネラルウォーター。

『私の発音そんなに悪いですか?』

『本当に申し訳ございません』

椅子の前にある、個人様のテレビの調子が悪く途中から見ることが出来なくなった。何度も見えないことを言っていたのだが、映画が第一回目が終わる頃に装置から各個人のテレビに信号を送り直すので直るという。僕は単にそのテレビの故障だとは思っていた。見たかった映画『恋愛適齢期』(ダイアン・キートン、ジャック・ニコルソン)が音だけで全然見ることが出来なかった。

再度、画像がでないことを言うと。違う映画ならばビデオを持ってくるのでどれが見たいのかととんでもない事を言ってきた。食事のこと、水割りのことなどもあり。強く主張をしたら、やっと席を替えてくれた。こんな事なら初めから席を替えてくれればよいのに、別にビジネスクラスに変更したわけではなく、単にエコノミークラスの得意客向けの場所なのだから。

やっと見ることの出来た映画は良かった。ダイアン・キートンは58歳になっているのになかなか可愛らしく、素敵な女性を演じていた。ジャック・ニコルソンとの恋愛物語が滑稽であり、でもシリアスなところもある面白い映画だった。

余談だが、米国の日曜日の入国は時間がかかる。普段いるイミグレーションの審査官の数が1/4になり、審査を待つのに1時間以上も掛かってしまった。


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