預金盗難事件


Civic Center内にあるIrvine市警察


9月の中旬、銀行口座から約18,000ドルを偽造カードで引き出された。日本でも問題になっている、銀行カード被害にあってしまった、自分の身に降りかかるとは想像もしていなかった。

事の発端が判ったのは、9月19日(月)にたまたまインターネットで口座をチェックした時。9月15日から4日間に渡ってラスベガスのATM(現金引き落とし機)から数件の不明な引き落としを見つけた。

アメリカでは、日本の様な通帳は無い。残高、入金、支払いは毎月銀行から送ってくれる、Statement通知とインターネットで自分の口座内容が確認できる。

実を言うと、毎月の通知も今まではあまりよく見ていない。インターネットでの確認も一年に一度程確認する事が有るか無いか。本当に今回はたまたま偶然に確認した時に発覚した不幸中の幸いだ。

即刻、銀行に電話をして、被害者である事実を告げた。銀行によると、引き落としは家内のカードだと分かり即刻そのカードの使用を停止してくれた。


Web画面(インターネットから自分の口座のATM引き出し(Withdrawals)が確認できる。)


09/15/2005 7-ELEVEN S7771 FLAMINGO LAS VEGAS NV       $441.50

09/16/2005 CONCORD EF 9100 W SAHARA A LAS VEGAS NV     $461.95

09/19/2005 FLAMINGO S 8615W. FLAMING LAS VEGAS NV      $102.00

09/19/2005 REBEL 67 5995 W TROPICAN LAS VEGAS NV      $202.00

09/19/2005 REBEL 67 5995 W TROPICAN LAS VEGAS NV      $202.00

09/19/2005 Green Vall 4480 S Durango LAS VEGAS NV       $401.75


19日の月曜日に集中しているのは、土日の引き落としが月曜日に計上されたため。また、端数は引き落とし手数料。アメリカは盗難されたときの被害額を抑えるため、1日の引き落とし額は最大$500程度となっており、日本の様に盗難で口座の全額が引き出されることは無い。


その後、銀行の担当者と打ち合わせをした。家内がカードを人に預けたり、PIN番号(暗証番号)を人に教えた有無、紛失の電話確認が行われ。偽造カードは家内のものなので、銀行担当者との確認は僕にはできない、あくまでも被害者本人。その後、銀行担当者からは即刻、警察に出頭して被害届を出すように言われた。

担当者にお金は返ってくるのかと聞くと、警察のコピーに手紙を付けて銀行の調査部門に送れば補償してくれるとの事。ひとまず、日本円で約19万円になる大金だ、少しほっとした。


家内を連れて、Irvine市警察を訪問。いかめしい雰囲気は感じられず、中に入ると市長、警察幹部の顔写真、Irvine警察の紋章などがガラスケースに飾ってある。受付には4人の警察官が市民に対応。


警察の正面玄関


銀行被害を告げると、まずIrvine市に住んでいるかと聞かれた。住民で有ることで警察は被害の受理。その後はほぼ日本の警察と同じように事情聴取、被害届に記入。最後に銀行に送るためにコピーを貰う。


被害届のコピー


警察から貰った、ID詐欺に関するガイド


その中に書いてある、銀行カード、クレジットカードの記載。

新規に発行したカードの暗証番号は以前のものを使わないように、また、単純に判る、生年月日、ソーシャルセキュリティー番号の下4桁は使わないこと。


銀行からの補償通知


9月30日に銀行から、全額補償の通知が来た。『良かった!』

また、家内の新しいカードは最初に報告した9月19日から2日後にはなんの書類手続きもせずに送ってきた。その間、口座の凍結もなく、僕のカードの凍結もない。

日本では、今このカード偽造詐欺についての補償が検討されたばかり、今までは被害者の泣き寝入りだった。

アメリカでは本人に過失が無ければ全額銀行が返してくれる、日本に比べてはるかに進んでいる。それに銀行カードの再発行もこんなに迅速かつ無料とは日本の現状では無理だろう、たぶん銀行口座全てが凍結され、解除するのに書類の提出などの手続き必要だったと思う。

また、一度に全額が盗まれなかったのは、1日の限度額が設定されているから。以前は引き出し額に制限をされる事に不便さを感じたものだが、これがあったことで大いに助かった。それでも、もしも気付くのが一月遅れたら30日X$500=$15000(160万円)の被害額にも達していただろう。

何れにしても、全額戻り一騒動でしたがラッキーでした。



何で、偽造されたか?

たぶん、家内が銀行カードでレジで支払いをした時に暗証番号を覚えられその情報を盗まれたのだろう。この暗証番号と偽造カードで離れた遠くのラスベガスで現金を引き落とされた。

スーパーなどで買い物をする場合は現金、小切手以外には銀行カード(デビットカード)、クレジットカードが使える。銀行カードの場合はレジの横にある読みとり機に暗証番号を入れる。

部下の米人からはデビットカードは上記の理由から危ない、クレジットカードを使うべきとアドバイスをされた。


銀行カード、ATMで現金を引き出しができる。買い物もレジでデビットカードとして使える。また、一見クレジットカードのように見えるが。これはマスターカードを受け付ける店でも使用できると言うことで決してクレジットカードではない。




日本での銀行の対応案

偽造・盗難カード補償ルール発表 「重大過失」など例示

2005年10月06日22時58分

 全国銀行協会は6日、偽造・盗難キャッシュカードによる預金の不正な引き出しについて、被害補償の自主ルールを発表した。被害は原則として全額補償するが、預金者本人が暗証番号を他人に教えるなどの「重大な過失」があれば、偽造・盗難とも補償を義務づけない。暗証番号を生年月日などにして免許証と一緒に携帯していた場合などは、預金者本人の「過失」と見なして盗難カードによる引き出し被害の補償額を4分の3に減額する可能性がある。

 8月に成立した預金者保護法では、預金者がカードの盗難に気づいて金融機関に届け出た日からさかのぼって30日以内に引き出された場合、原則的に金融機関が全額補償することが義務付けられた。偽造の場合は期間の制限はない。

 しかし、預金者の過失を金融機関が立証できれば、補償に応じなかったり、減額したりする可能性がある。このため、全銀協が過失の具体的な基準づくりを進めていた。

 全銀協は加盟行が預金者に示す約款のひな型になる「カード規定試案」を改正し、原則補償の場合と、預金者に「重大な過失」および「過失」があった場合の扱いを明記。それぞれの具体的な判断基準を申し合わせた。

 「重大な過失」となりうるのは、「故意」に近いほど注意義務に反していた場合で、暗証番号を他人に教えたりカードに書いたりした場合を例示。

 「過失」となりうるのは、暗証番号を生年月日や住所などにして、免許証やパスポートなどと一緒に携帯していた場合や、暗証番号をメモにしてカードとともに保管していた場合を例示した。ロッカーの番号や携帯電話など他の暗証番号と同じにしたうえで、自動車内など他人の目につきやすい場所にカードや財布を放置した場合もあげている。

 全銀協の加盟行に加え、信用金庫など他の金融機関も、今回の自主ルールを基に、約款を改定。過失などの事例も預金者に明示する。

 今回の自主ルールについて、預貯金過誤払被害対策弁護団の野間啓事務局長は「国会での審議などを基に作られており、予想した範囲内のルールだ。ただ、注目していた過去の被害の取り扱いについては触れられず、不満がある」と話している。

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