槍ヶ岳と御来光

快晴の1日でした。ミレニアムの2000年は、常念岳からの写真をお送りできればと思います。

平成11年7月の早朝  飛騨乗越から

新穂高温泉から北アルプス槍ヶ岳へ、家族で登った時の写真です。

・御来光の時間に合わせて肩の小屋を出発し、飛騨乗越にてシャッターチャンスを待ちました。

・気に入っている写真で、引き伸ばして掲げています。

 

 

では、このご来光を見に、ヴァーチュアル山歩きへ出かけましょう。

平成11年7月

  •  車にリュックを積み込み、23時に大阪を出発。勝手知ったる中央道。翌朝4時には、登山者などに開放されている新穂高温泉の無料駐車場(ロープウエィ乗場から10分下った川原)に到着し、仮眠を取りました。
  •  7時5分登山届を提出して出発、10分から15分の休憩を入れて1時間のピッチで、夜行運転の疲れをものともせず、足取りも快調に進む。もっとも、白出谷までは林道で、また、その先滝谷までは比較的平坦な山道です。
  •  ところで、今回の山行は、「あの槍は今も」がテーマ、学生時代から10年間は、夏の北アル プス や近畿の山々へ、冬はスキーと、今で言うアウトドアースポーツ派でした。そのころの槍沢から見た槍ヶ岳の写真が1枚(A4版サイズ)、古ぼけた額に入れて掲げてあります。ここ数年、少し時間の余裕もでき、夏休みや冬の旅行と称して、家族をアウトドアーへ連れ出しています。
  •  今年は”あの槍ヶ岳を見に行こう”と決めて、メンバーを募ったところ、妻と小6の息子の3人のパーティとなりました。

 

  •  ルートは、飛騨沢から槍ヶ岳にしました。このルートは、途中の展望に欠けるところがあるものの、アプローチがよく、特に、槍ヶ岳からの下山には槍沢-上高地ルートより便利だと思います。
  •  滝谷出会、ここには、避難小屋(無人)があります。槍穂縦走の難関、大キレットの飛騨側の谷が滝谷で、夏・冬問わず、滑落遭難の悲報や山岳小説には、よくこの谷の名が出てきます。標識がないと普通のガレ場と変わりないのですが、滝谷と言う名前で、言い難い感傷に浸りながらの、小休止でした。
  •  13:05槍平小屋に到着、昨日からの疲れを取るため、個室にしました。 「山小屋の個室」とは なんと軟弱な、贅沢な、また、山小屋に個室があるのと思われる方もいらっしゃると思いますが、これがまた最高です。新築直後の槍平小屋は、なおさら快適でした。
  •  明日は4時半起きの早出、明日の天気を予想し、晴れを祈り、おやすみなさい。うーん曇りかな。
滝  谷
  •  槍平から南岳への直登コースは、平成 10年にこの地方で発生した局地的地震による崖崩れのため、通行止めでした。
                    

  •  5:35出発、今日の行程は楽々、午前中に槍岳山荘(肩の小屋)に到着し、頂上アタックのチャンスは、今日の午後と明朝の2回ぐらいかな。なんだかエベレストを目指すアタック隊隊長の気分です。
  •  いよいよ飛騨沢から飛騨乗越への急登にさしかかります。いくら登っても、すぐそこに見える稜線にはなかなか到達できない登りです。ハーハー言いながらやっとの思いで上り切った飛騨乗越。
     稜線を駆け抜け、体が吹き飛ばされそうな疾風の向うに、威風堂々とした槍が小槍を従がえて、正面から飛び込んできました。
     遠くに槍を見ながら目指す他のルートとは違うこれが飛騨沢ルートの醍醐味です。
  •  この登りは苦しさばかりではありません、体を休めるため、小休止を取った岩の傍らには、心和むお花畑がひろがります。
    小  槍                  裏銀座               お花畑

 

  •  10:15槍岳山荘到着、飛騨乗越から見えた槍は霧と小雨のなかに隠れています。今日のアタックは見送りかな。他の登山者も続々と小屋に入ってきます。

  •  恨めしそうに空を仰いでいると、少し雲が切れてきて、槍が姿を見せました。雨具だけを身につけ、早々に、小屋を飛び出し、鎖場をよじ登る。
     頂上では、雲も少なく、北鎌尾根の絶壁に吸い込まれそうになりながら、爽快なひとときを過ごしました。

 

  • 翌朝4時、昨日のうちに頂上に立てたので、前夜に頼んだ朝食のおにぎりを持ち、昨日の飛騨乗越に陣取ることにしました。今日は快晴のはず、雲さえなければ、ガスさえなければ、槍の裾野から上がるご来光が見えるはず。
  • そのときがきた。夜明け前の槍と遥か常念岳の山際から昇るご来光、これは、日の出ではなく、やはりご来光だろう。

 

  •  こころ洗われる気持ちのまま、朝日に赤く焼けた山肌の目を向けると、その向うに懐かしい山陰が見える。そう霊峰「富士」である。
     雲海の中にそびえ立つあれが富士山だ。
  •  これが日本の国土の幅なのか、槍ヶ岳は長野と岐阜の県境に位置し、少し北へ行けば、日本海に面した富山とも接する。向うに見える富士の山麓は駿河湾に面した静岡である。
     この距離は、どのくらいなのか。写真のでき具合と共に、後日の楽しみとして、同じルートを下山しました。
  •  新穂高温泉のバスターミナルには、共同温泉があります。私たちも奥飛騨温泉郷の湯で、ここち良い山行の疲れを癒し、帰路に着きました。

  

  槍ヶ岳から富士山まで約140kmでした。 

  案外近いものですね。どうですか。

 

 

 

 

 

いかがでしたか、ご意見、ご感想、また、掲示板にもカキコしてください。

2000年の今年は、ご来光が上がった方面の常念岳から、槍を見たいと思います。

 

山行記録