護衛艦 「こんごう」型

海上自衛隊のイージス護衛艦こんごう型「こんごう」です。「イージス」とはギリシャ神話に出てくる「いっさいの邪悪から身を守る盾」のことで、最新のシステムにより敵の放ったミサイルの弾道を瞬時に計算し、同時に迎撃ミサイルを発射。一斉に向かってくるミサイルを同時に18発まで撃ち落します。「超高速で飛んでくるミサイルを本当に迎撃できるの?」この迎撃システムは、ペルシャ湾が緊迫状態にあった頃(湾岸戦争より少し前ですね)米国のイージス艦に装備されていたものとほぼ同じもので、当時はイラン軍のミサイルをことごとく撃破しました。撃ちもらしたミサイルは艦の4方に装備された20mm高速機関砲で艦に命中する前に撃破します。迎撃ミサイルのカバー範囲は広く、この艦を中心に10隻程度の艦船をミサイル攻撃から守ることが可能です。さらにミサイル迎撃用以外にも対空ミサイルを備えており、280km四方を飛ぶ敵戦闘機のうちおよそ200機をレーダーで追尾、コンピュータが危険度が高いと判断した18機を同時攻撃できます。この艦のすごい所は、航空機に対するミサイル発射はレーダーがロックするまではコンピュータが自動で行い、発射のみ乗員の判断でボタンを押すだけで、さらに突っ込んでくるミサイルに対しては、コンピュータが非常に危険と判断した時点で乗員は何もしなくても自動的に迎撃ミサイルを発射するという恐ろしいシロモノです。もちろん乗員が手動で発射を中止することもできますが。ところで、「護衛艦」という呼び名は日本だけで、このての艦船は諸外国では「フリゲート艦」と呼び、日本語訳は「駆逐艦」です。「駆逐艦」は戦中に旧日本軍が使用した呼び名のため、旧日本軍を連想させないよう、「護衛艦」とのおかしな呼び名が付けられました。このような対空防衛システムが装備された護衛艦を「イージス護衛艦」又は単に「イージス艦」と呼び、そうでないものを「護衛艦」と呼びます。「護衛艦」は主に敵潜水艦および敵の海上艦船に対する攻撃が任務で、潜水艦には魚雷で、海上艦船には対艦ミサイルにて攻撃します。護衛艦から発射する魚雷は、甲板から発射されロケットで空中を飛んで行き、目標近くで海面に突入しスクリューにて潜水艦に向かって行きます。下の写真は「普通の護衛艦」の「はるな」です。

護衛艦 「はるな」型