
1979年の個展はガード下において魂が肉体からはなれた体験をデッサンと模型で表したもの
でした。その作業をしている時、突然 女の子が紙からあらわれてきました。そのあたりにある
紙に鉛筆でなぐり書きされた ぼやけた顔の少女は、その後何回もわたしの手を通じて自動速記
のように定着されました。
この少女たちは一体 何者なのでしょう。ちょうど、生物より ものが生き生き見える離人症治療
のためカウンセリングを受けていた時で、この少女たちをカウンセラーに見てもらうと「アニマ
です。」と言われました。「アニマ」とはユング心理学で男性の心の中の女性像を言います。
その後、わたしは母や妹の写真を参考にして このアニマたちに少しでも明確な形を与えようと
しました。また、1994年から 妻・娘・知人をモデルにして20年ぶりに具象彫刻をつくるためデッサン
しました。それらのデッサンが今回の素描集です。
3ページに印刷した「マイ・アニマ」は私が12才の時、亡くなった母の17才の写真を参考にして1980
年に描いたものです。描いた時はなぜか恐くて自分の作った額に入れて取り出せないように封印
してしまいました。
友人の所にあったこの作品を、1994年にあらためて見ると不思議におだやかな気持ちで見ることが
できました。35才で亡くなった母はとても純粋な人で、そのイメージはわたしの心の中の女性像
(アニマ)に大きな影響を与えているようです。
アニマは自己のイメージへの案内役を果たすらしく、次は何が出て来るのか楽しみにしています。
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