平成16年6月1日発行

育成会だより

                   第74号

西脇市手をつなぐ育成会
 会長  竹中 敏文

広報  西脇市大野175
  ワークホームタンポポ内
 

平成16年度 西脇市手をつなぐ育成会総会
(平成16年6月6日 西脇市総合福祉センター)

会長 竹中 敏文
 
会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
障害者福祉サービス「支援費制度」は、昨年4月よりスタートしました。この新しい制度は、あいまいな計算のもとでスタートしましたので、国全体で約100億円の不足金を出しました。その結果、本年度は他の補助金を出来るだけカットし、「支援費制度」の利用時間制限を厳しくしようとしております。結局は、数年前と比べてみれば福祉政策の後退です。だからといって、制度を利用しなくては、いつまでたっても良くはなりません。こういった制度は、私たちが、利用し、改善を求め、そして利用価値のある制度に変えていくしかありません。
最近よくニュース等で「権利と義務」という言葉をよく耳にします。是非、この言葉の意味を、「西脇市手をつなぐ育成会」に当てはめて考えなおしてほしいと思います。育成会では、現在3つの施設を運営しておりますが、この施設を利用するには、育成会会員にならないと利用できません。育成会会員になると、利用できるという権利を得ますが、それと同時に親として育成会に協力するという義務が発生します。
最近、「育成会会員なのだから利用・入所さしてもらうのが当たり前なのでは」と言う言葉をよく耳にします。勿論、利用・入所は出来ますが、利用にあたっては、親の協力が必要です。3つの施設とも、障害者を持つ同じ育成会会員が運営をおこなっていて、決して特別な人ではありません。皆さん、家庭を犠牲にしながら、少しでも皆さんの役にたてればとの思いでやっています。
皆さんに「手をつなぐ」ということはどんな意味を持っているのか?今一度考えなおしてほしいと思います。手をつなぐ育成会は、東京に住む3人のお母さんが、全国の仲間の親たちに「知的な障害のある我が子の幸せを求めて」呼びかけたのがきっかけで発足しました。施設利用料金とか会費などは、施設の運営・管理・維持上の必要最小限の金額でしかありません。親の協力とは、役員・運営委員になることも含め、いろんな協力の仕方があると思います。自分なりに協力の仕方を見つけていってほしいと思います。
 親が管理しないで運営ができ、なお、利用者にとっていい環境が整えられた施設ができればという理想はありますが、現実は、まだまだ、親の協力が必要です。
 子供達の将来の為に、ご家族一同協力していただき、今後の障害者福祉にご協力いただきたいと思います。



わっしょい  5月の行事
 

 5月15日(土)、晴天に恵まれ、本人13名、保護者12名、兄弟姉妹4名、ボランティア3名、世話人2名の計34名で、播磨中央公園のバラ園と四季の庭に行きました。散策をした後、ルネッサンス広場でお弁当を食べました。その後、塔へ行ったり、芝生広場で遊んだりしました。少し汗ばむ天気でしたが、快い一日を過ごすことができました。わっしょいでは、次回は7月にプール遊びを計画しています。多くの方の参加を期待します。

 


小規模多機能拠点について

「2015年の高齢者介護」(高齢者介護研究会の報告より)
 この報告書のなかで、施設への入所が、在宅で365日24時間の介護の安心を得ることは困難であり、これを実現するためには新しい介護の仕組みが必要であるとして、「本人や家族の状態の変化に応じて、様々な介護サービスが、切れ目なく、適時適切に在宅に届けられることが必要である。すなわち、日中の通い、一時的な宿泊、緊急時や夜間の訪問サービス、さらには居住するといったサービスが、要介護高齢者(や家族)の必要に応じて提供され、さらに、これらのサービスの提供については本人の継続的な心身の状態の変化をよく把握している同じスタッフにより行われることが望ましい。このような切れ目のないサービスを一体的、複合的に提供できる拠点として小規模多機能拠点が必要となる。」としている。
 では、この小規模多機能拠点はどのような役割と機能が期待されるのであろうか。
 第一に、『「通所」をベースに「泊まり」「居住」「訪問介護」などのサービスが、小規模な拠点に集積されている(すなわち多機能である)ことが大きな特徴である。この点が、複数の異なる生活環境になじむことが困難な痴呆性高齢者にとっても望ましいサービス形態であるといえる。』
 第二に、『「通所」→「泊まり」→「居住」のように高齢者のサービス利用形態が変化することは、時系列的な機能の拡張過程とみることもできる。その結果として利用者の多くが施設に居住しているような形態も存在する。』
 第三に、『生活の拠点を自宅に置きながら、自宅から毎日通える通所の場に於いて、一人ひとりの生活スタイルを尊重し、長年にわたり培われてきた、家族や地域のつながりのある大切な人々との社会的な関係を断ち切ることなく、地域のなかで暮らしの営みの連続性を重視した援助を実践してきた』
 このように、小規模多機能拠点は、痴呆性高齢者を中心とする要介護高齢者に対して、その人らしい生活を可能にするための援助拠点として、地域ケアの方法によって「尊厳ある高齢者ケア」を実現するための有力な拠点として注目されるようになってきた。
小規模多機能拠点の考え方は、障害者のケアについても十分あてはまるものだと思います。