平成16年4月1日発行

育成会だより

                   第72号

西脇市手をつなぐ育成会
 会長  竹中 敏文

広報  西脇市大野175
  ワークホームタンポポ内
 

「わっしょい」 ひな祭り会(3月7日)

  小雪混じりの寒い日でしたが、会員15名、保護者10名、ボランティア8名 合計33名が参加して、ひな祭り会をしました。雛飾りの前で記念撮影をした後、学齢期の人は2階成人の人は1階にわかれて、保護者とボランティアで作ったちらし寿司・たこ焼き・三色団子・お吸い物を食べました。その後、カラオケをしたり、パソコンでゲームをしたり、ビデオを見たり、絵本を見たりして過ごしました。また、保護者で集まり、今後の「わっしょい」の運営について、意見交換をしました。当日、社会福祉協議会より、活動についての取材がありました。「わっしょい」では、登録料をもとに、今後もこのような活動を企画していきたいと思いますので、要望等ありましたら、「わっしょい」までお知らせください。



学齢期部「卒業生を送る会」(3月20日)

  寒さ暑さも彼岸までのことばとは違って、少し肌寒かった20日に、「わっしょい」で卒業生を送る会をしました。今年、学齢期を卒業される高瀬大祐君・西山紗生さん・服部千夏さんを招待し、バイキング形式のパーティをしました。参加者は、本人(14名)・きょうだい(5名)・保護者(16名)・ボランティア(4名)の合計39名が集まりました。卒業生に記圓香奈江さんが、代表して記念品を渡してもらいました。その後、みんなでお母さんが作ったたくさんのごちそうを食べました。食事の後は、カラオケやパソコンでゲームをしたりして過ごしました。ご協力いただいたみなさんありがとうございました。 



「16年度の「わっしょい」の体制について

 今年度の登録者は、20名(男子7名・女子13名)でスタートすることになりました。昨年度、世話人として勤めていただいた鳶谷さんが、都合で3月いっぱいをもって退職されることになりました。それで、職業安定所を通して、世話人さんを募集しました。その結果、依藤さんと大西さんの2人を採用することにしました。依藤さん(男性)は、永らく社町の役場に勤務され、福祉課にもおられたことがあります。また、大西さん(女性)は、小野市役所に勤務された後、住友生命に勤務されていました。3級のホームヘルパーの資格も持っておられます。一時預かりや送迎など、わっしょいが忙しいときは、2人勤務していただくことにし、忙しくないときは、交替で勤務していただくことにしています。一時預かりが多くて、2人では対応できないときは、わっしょいの登録ボランティアに声をかけ、人員を確保しようと思っています。そのような体制を取っていますが、登録会員の方のニーズにすべて応えられるわけではありませんので、その節は、ご容赦くださいますようよろしくお願いします。

 

株式会社テレビ朝日
  「ニュ−ス・ステ−ション」担当責任者殿
社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
理事長 藤原 治
2月24日の「国立コロニ−」に関する報道について(抗議と要請)
 
 私たちは、知的障害のある人(子ども)の「親の会」の全国組織です。知的障害のある人の人権が守られることを願い、1952年より半世紀に渡って活動してきました。全国の市町村を単位とする「親の会」は2700を越え、その会員総数は30万人に達しています。国連の有力なNGOである国際育成会連盟(Inclusion International/LL) の、わが国で唯一の正会員でもあります。
 このたび、突然として書面を差し上げましたのは、2月24日(火)に放送された「国立コロニ−」に関する特集について、抗議し、お願いしたいからです。あの特集には全国の会員の多くが驚き、強力な対応を求める声が私たちの会にも多数寄せられています。そして、先日の三役会議の席でビデオにて確認し、検討した結果、正式に抗議及び要請を行うことになりました。
あの特集では、地域移行策が障害のある本人や家族を無視して、強引に実行される印象を与えています。それどころか、「地域でのあたり前の生活」そのものが、否定的に描かれています。 
 これでは、知的障害のある人に対する偏見を助長し、「地域から排除する」という差別的な現状を肯定し、永続させることになりかねません。余りにも家族の苦労が主張され、障害のある人の障害の<重さ>が強調され過ぎています。これでは、30年前の理解でしかありません。
確かに、コロニ−が建設された時代には、「親による子殺し(多くは、親の後追い自殺)」が続発しました。そのため、メディアや専門家は、そして私たち「親の会」も、障害のある人を隔離・収容する施設の建設を主張してきました。そのことで問題を解決するしか、その時代には術がなったのです。しかし、それは障害のある人の犠牲で実現された<平和>でしかなかったのです。私たち親は、そのような状況を変えらなかったことに、深い悔悟の念を抱いています。
添付しました『見解』のとおり、私たちは「中間報告」の段階で、地域移行の方向性を評価し、その実現を願いました。そしてそれは、在所されている方やご家族の負担でなされないことを強く主張しました。地域の中に確実な「支援システム」が構築されることが前提になります。貴社の番組では、その実現をこそ強調いただきたかったのです。私たち親は、コロニ−の親たちと同様に、長い間の苦しみを経験しています。それゆえ、適切で強力な<支援>を求めます。
しかし、最も考えるべきは、障害のある本人の犠牲によって、家族の<平和>が保たれてはいけない、ということです。そして今、本人の幸福と家族の安心が、ともに成立するシステムが実現しようとしております。今回のコロニ−の移行策は、まさにそのような実践であり、古い時代の清算であるということを、ぜひご理解いただきたいのです。「同情」からは、障害者の尊厳と人権は真に守り得ない、と私たちは考えています。
 そこでお願いですが、何らかの形で再検証いただけないでしょうか。3月一杯での番組の終了とお聞きしておりますが、このままでは「ニュ−ス・ステ−ション」として、栄光の歴史に大きな汚点を残すことになります。私たちとしても、できるだけの協力は惜しみません。ぜひ、インクル−ジョン(Inclusion)という世界の新しい理念に基づき、新しい視点からの理解と表現を熱望しております。
大変唐突な文面で失礼しました。しかし私たちは、知的障害者の親の立場として、この事態を看過することは許されません。適切で緊急な対応をお願いいたします。もし失礼な表現がありましたら、障害のある本人の権利擁護に対する思いとしてお許しください。
以上