平成14年7月1日発行

育成会だより

                   第51号

西脇市手をつなぐ育成会
 会長  竹中 敏文

広報  西脇市大野175
  ワークホームタンポポ内
 

警察を知りましょう

 先月の育成会便りで、警察プロジェクトのことを述べましたが、今月は警察の組織について述べたいと思います。だいたい以下のような部署に分かれています。
◆刑事課
  殺人、強盗、誘拐、放火などの強行犯(捜査1課)、汚職、詐欺、横領などの知能犯(捜査2課)、空き巣、自動車等などの窃盗犯(捜査3課)、暴力団犯罪(捜査4課)、指紋など現場に残された証拠を集める(鑑識課)があります。
◆生活安全課
  銃器対策、覚醒剤などの薬物犯罪の取り締まり、地域の一般的な防犯活動、少年犯罪や少年非行防止、悪質商法などの生活経済事犯の取り締まり、風俗関係事犯の取り締まり、児童虐待や家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス)対策などを担当しています。
◆地域課
  交番(派出所)や駐在所を拠点とした地域安全活動、110番通報とパトカーによる巡回、重大事件が発生したときの緊急配備や検問などを行います。
◆警備・公安課
  テロやゲリラ対策、左翼団体や右翼団体対策、要人警護、災害警備、雑踏警備などを行います。
◆交通課
  交通事故捜査と処理、交通安全活動、暴走族の取り締まりなどを行います。

 

こんなときはどこが対応する?

 迷子になったり、街で何らかのトラブルに巻き込まれたときは、交番や駐在所やパトカーで巡回している地域課が対応します。しかし、すぐに解決しなかったり、重大な犯罪が絡んでいるときには、一般の刑事事件を担当している刑事課や、いわゆる弱者対策を担当している生活安全課、あるいは被害者対策室などが引き継いで本格的な捜査をします。
 どこの警察署も必ず宿直している警察官がいて、24時間で対応しています。ただし各部署の人がすべて宿直しているわけではないので、緊急の用事ではないときには翌日に担当の部署の警察官が対応することになります。駐在所には一人の警察官が家族で駐在所に住んでいる所があります。
 警察官の中には知的障害のことをあまり知らない人もいます。何が起きているのかを的確に伝え、知的障害や自閉症の特徴もわかりやすく明確に伝えてください。それでも警察がきちんと理解してくれないときには、知的障害に詳しい弁護士や福祉関係者に同席してもらい警察と話しましょう。 

  
 
本人決議
2001年11月4日 創立50周年記念全日本手をつなぐ育成会全国大会より
 
(決定にさんかすること)
1.本人の希望をきいてほしい
(鉄道割引について)
2.鉄道割引は距離に関係なく、軽度の本人と付き添いも、どこでも使えるようにしてほしい。(障害程度によって、割引の仕方が異なっています。)
(療育手帳について)
3.療育手帳を使いやすいカード型にしてほしい。
(年金について)
4.すべての人が年金をもらえるようにしてほしい。(障害程度によって、金額が異なります。また、税控除についても違います。)
(グループホームについて)
5.グループホームや生活寮をたくさん作ってほしい。(グループホームや生活寮は、家や施設以外の第三の選択肢となります。)
(ガイドヘルパーについて)
6.ガイドヘルパーを誰でもどこでも使えるようにしてほしい。(ガイドヘルパーの解釈をどうするかによって、ずいぶん異なってきます。)
(教育について)
7.生涯学習として、私たちにも教育を受ける場所がほしい。
(なやみについて)
8.なやみを聞いてくれる窓口が必要だ。
(いじめ・虐待について)
9.私たちに対するすべての虐待を許すな!
(本人活動について)
10.本人の会の仲間たちと交流したい。
 
 以上10項目は、2001年11月3・4日に、国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた全国大会(本人大会)で採択されたものです。手をつなぐ育成会は、これまで親の会という意味合いが強かったのですが、当事者本人への支援という考え方へとすすんできています。身体障害者の団体の発言力が強かったのは、本人たちの発言があったからですが、それに比べ、育成会の発言は親の発言が中心であり、当事者本人の発言に近い部分はあるにしても、まったくおなじというわけではありませんでした。今回、このようなかたちで本人発言が採択されたことは、育成会の今後の活動指針となっていくと思います。本人の発言をかなえていくことが、自立につながると思います。