平成12年9月1日発行 |
育成会だより 第30号 |
西脇市手をつなぐ育成会 会長 竹中 敏文 広報 西脇市大野175 ワークホームタンポポ内 |
育成会からの西脇市への要望事項に対しての西脇市からの回答はまだありません。
9月中に回答があれば、10月号に掲載したいと思います。
今月は、レスパイトの新しい考え方と現在行われている(全国各地で)レスパイトの様子について述べてみたいと思います。
レスパイトの新しい考え方 イギリスのメンキャップという団体をはじめ障害のある子を持つ家族の団体が新たな考えを打ち出している。中でもファミリーズトゥギャザーという団体ではレスパイトサービスを次のような機会としてとらえている。特別なニーズ(知的障害、身体障害、感覚障害、また医療的課題)のある子ども・青年のために @新しい経験をする機会
A興味・関心を引き出す機会
B自立と生活技術を高める機会
C親から離れて生活する機会
D友達と過ごしている他の子どものように過ごす機会
Eともかくも楽しいひとときを過ごす機会 としている。
サービスを受ける機会を、本人の社会参加の積極的な機会としてとらえようといった流れである。
レスパイト事業を考える 今、全国でレスパイトサービスとして事業を展開しているのは約150カ所を越えている。(2000年3月現在)これは昨年6月に発足した全国地域支援サービスネットワークの調査により明らかになった。150カ所の運営形態を分類するとおおよそ次のようにくくることができる。 (1)社会福祉法人の経営
@入所施設を母胎にした展開
ア 入所のショートスティ機能による展開
イ 入所の機能を利用しないセカンドハウス(一軒家などの拠点)を確保し活用
A通所施設を母胎にした展開
ア 通所の職員と場所を活用した展開
イ 通所機能を利用しないセカンドハウスを活用した展開
(2)民間の作業所の展開
ア 通所の職員と場所を活用した展開
イ 通所機能を利用しないセカンドハウスを活用した展開
(3)民間の任意団体の経営
ア セカンドハウスを利用したもの
イ 個人の家を利用したもの
(4)個人の対応
モデル事業の紹介 (1)タイムケアサービス(介護支援サービス) 家族に突発的な病気・事故や、急用で家を空けなければならず、一時的に預かって欲しい場合。日常の用事(兄弟の保護者会や自治会などの隣近所のつきあい、家族の関わり)で時間を保障する形で一時的に預かって欲しい場合。介護されている方が、急な用事で学校や施設への送迎ができない。今までできていた関わりが、介護する方の高齢などの理由で困難になった場合の日常的な支援。介護に当たる方が、休息をとりたいとき。等の理由に対して、ケアの代行を行うサービスです。
@対象者 障害のある学齢以上(原則)の方
A定員 50名の登録制(ただし一度期の定員最大5名)
B費用 登録料 1万円
年会費 5万円
保険料(AIU)6.500円
Cサービス内容
デイケア
ナイトケア(含む宿泊)
送迎サービス
休日プログラム
D利用時間 24時間365日対応
E利用の申し込みについて
ア 連絡先まで電話でご連絡ください。面談を行い、会員登録していただきます。
イ 登録の際には事前に所定の登録用紙にご記入いただき、サービスの内容や介護の方法など、留意事項についての打ち合わせを行います。
ウ 通常の利用に関しては、電話の申し込みのみでお受けします。
(参考文献 「療育の窓」113号 根来正博氏の論文)
以上が、現在行われているレスパイト事業に関してのあらましである。あくまでも、モデルなので個々によって違いがあります。また、レスパイトに関しての公的制度としては心身障害児(者)短期入所事業(ショートスティ)があります。かつては緊急時のみの対応でしかも重度対応だけであったが、現在は利用理由や利用対象者の制限は取り除かれている。また、平成12年度から入所のショートスティの日帰り対応が認められるようになった。平成13年度からは入所施設に限らず、本人が通所している慣れ親しんだ人と場所の利用による通所施設もレスパイトサービスを開始する予定である。それと、心身障害児者ホームヘルプサービスについても、平成12年度より大幅な改革が行われている。
ア 重度者のみならず中軽度者も利用が可能
イ 一人暮らしをしていても利用可能
ウ 外出・趣味などへの活動にも利用可能
育成会の総会で検討された生活ホーム(生活訓練ホーム)についても、レスパイトという観点から考えてみることも大切ではないかと思います。
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