平成12年1月1日発行

育成会だより

                   第22号

西脇市手をつなぐ育成会
 会長  竹中 敏文

広報  西脇市大野175
  ワークホームタンポポ内
 
2000年を飛躍の年に
                        会長 竹中 敏文
 
 新年、あけましておめでとうございます。
 昨年中は、育成会活動にご協力・ご参加いただきありがとうございました。特に、11月の東・北播磨・淡路ブロック保護者研修会におきましては、会員皆様の多数のご協力をいただきまして、盛会のうちに無事終了いたしましたこと、お礼申し上げます。
 さて、2000年の新しい年を迎えましたが、育成会活動も非常に難しい時期にさしかかったと思われます。西脇市手をつなぐ育成会の内情を見ますと、ワークホームタンポポ・杉の子ルームと2つの小規模作業所を運営しておりますが、運営資金面で非常に逼迫しております。この件で、昨年は会費を値上げしていただきましたが、いまだ、この事情をご理解いただいておられない会員の方があるようです。今の不況の中では、これ以上、国・県・市の補助をあてにできない状態が続くと思われます。と言いましても育成会といたしましては、補助金のアップを要請し続けていきますが、それまでは、会員皆様で支え合っていかなくてはいけないと思います。今後、所員の数が増えますと、定員一杯になるのと同時に運営資金が足らなくなります。定員問題でも、第3の小規模作業所などの設立を考えなくてはいけません。おそらく、ここ数年のうちに、西脇市手をつなぐ育成会も宝塚・尼崎などのような育成会組織になっていかなくてはならない時期が来ると思われます。それは、今、全国で押し進められています育成会の法人化です。会員一人一人が出資し、一部を県・市が出資し、原資を作りそれを元手に新しい作業所を作り、運営していくことです。
 今後、育成会会員で出資していないと、どこの施設・作業所も利用できなくなると思われます。子どもたちがもらっている障害者年金・特別児童扶養手当を、是非とも子どもたちのために活用してもらい、将来を安心して生活していけるように親たちも努力してもらいたいと思います。育成会会員の中には、いまだ楽観視しておられる方を見受けますが、現状は厳しいものです。手遅れにならないうちに、次の手段を是非とも皆様で考えていって欲しいものです。西脇市手をつなぐ育成会は、会長や副会長などの役員だけが運営しているのではなく、皆様全体で運営しているのですから、どんどん意見を言ってもらい、皆様で運営し活動してもらいたいと思います。是非、実りある育成会になるように、また、子どもたちが安心して暮らせる世の中になるようにしようではありませんか。
 今後の皆様のご健康とご活躍をご期待申し上げまして、新年の挨拶といたします。

 

「今後の知的障害者・障害児施策のあり方について」から
                     中央児童福祉審議会  1999年
 
 中央児童福祉審議会の提言の中の「就労・日中活動の場の確保」について、小規模作業所との関連で述べてみたいと思います。
 
@知的障害者授産施設(通所)の整備の促進
 
 知的障害者がふつうに地域で生活するというノーマライゼーションの観点から、生活の場と就労・日中の活動の場を分離すると共に、身近なところで施設を利用することができるよう、施設の一層の小規模化を図るべきである。
  このような観点から、今後、知的障害者授産施設の整備に当たっては、原則として通所施設を整備していくようにする必要がある。
  また、社会福祉基礎構造改革における社会福祉施設や社会福祉法人にかかる規制のあり方に関する議論と整合性を図りつつ、知的障害者授産施設(通所)の定員要件を緩和する必要がある。

 A知的障害者デイサービス事業の拡充

  就労が困難な在宅の知的障害者の日中の活動の場を確保する観点から、デイサービス事業について、居住地の近いところで利用を可能にすることが重要である。
  このため、知的障害者デイサービス事業の実施場所について、公民館、空き教室などの既存施設の活用による事業の実施を可能とすることにより、その拡充を図る必要がある。その際、重度者への対応について、十分配慮する必要がある。

 B小規模作業所

  小規模作業所については、法定外の仕組みとして、事業主体、事業内容など多様な形態をとりながら、障害種別に関わりなく受け入れ、また、創意工夫による柔軟な事業を 実施しているが、運営の安定化が課題となっている。
  このため、@、Aで述べたような授産施設(通所)の定員要件の緩和やデイサービス事業における施設要件の緩和などにより、法定施設・事業への移行を促進し、運営の安 定化が図られるようにする必要がある。
 以上のことから、この提言が国の方で採用されれば、法定外の仕組みである小規模作業所はなくなり、法定施設へ移行していくことになります。そのための方法として、県や市が出資するだけでなく、育成会員も出資をして、原資を作るということになると思われます。また、その方法が一番早く、障害者が地域でふつうに生活できる場を作れると思います。県下では、尼崎や宝塚の育成会のようにすでに法人格を取っている育成会もあります。そのためには、育成会そのものの体力を強くしていく必要があります。
 つぎに、「知的障害者の住まいの場の確保」について述べてみたいと思います。

 知的障害者の住まいの場の確保

 知的障害者が地域で生活していくためには、就労や日中の活動の場の確保と共に、地域での住まいの場の確保が重要である。特に、成人し独立した生活を望む重度の知的障害者の住まいの場の確保は重要である。このため、就労はしていなくても、障害基礎年金などの収入により、家賃、食費などが負担できる知的障害者もグループホームや知的障害者福祉ホームを利用できるようにするため、就労要件を撤廃すると共に、グループホームに重度の知的障害者も受け入れられる方策を検討する必要がある。
 知的障害者通勤寮については、その対象者を、一般就労している者に限定せず、通所授産施設等を利用する福祉的就労者にまで緩和する必要がある。