物が好き(12)・刃物
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肥後守  昔の子どもはみんなこれを持っていた、と言う伝説がある。都市伝説の一つか。一人一人が持てるほど豊かな時代ではない。少なくとも私のまわりにはごく一部の裕福な子どもしか持っていなかった。家庭には有ったのかも知れない。
 田舎の子は鉈や鎌で木や竹を切っておもちゃを作った。大事な道具を刃こぼれさせて怒られたりした。
切り出し  はて、これは売れているのだろうか。中途半端な製品だが、誰が何のために買うのかな。
 使い捨てにしては立派すぎる刃が付いている。刃を使い捨てにしないのなら、ちゃんとした木製の柄の切り出しの方がずっと良い。
木刈り鎌  草刈り鎌に似ているが、刃が分厚くて丈夫にできている。木の枝や細い雑木を切るのに使う。下手に使うと刃こぼれする。
 子どもの頃はこれをナイフ代わりにして竹とんぼや杉鉄砲を作った。手も切った。
草刈り鎌  木刈り鎌に似ているが刃が薄くて長い。柔らかい草を刈るのに使う。茅や葦などは木刈り鎌で刈る。
長柄の鎌  草を刈る道具らしいが、私が子どもの頃には見たことがない。当地の文化ではない、または最近になって発明されたものか。
 腰をかがめずに草刈りができるので楽ではある。使い方になれていないせいか、すぐに刃がなまってしまうので、ひんぱんに研がなくてはならない。
越前鉈  食い込みを良くするために刃が内側に湾曲している。ゲームに出てくるグルカナイフ(ククリの一種)と同じ。軽い力で良く切れるが、研ぐのが素人では難しい。
 先の出っ張りは木を引っかけてたぐり寄せるためと、低い位置で使ったとき地面をたたいて刃こぼれするのを防ぐため。柄の尻もすっぽ抜けにくい形になっている。
腰鉈  普通は鉈と言えばこのタイプだろうが私は使ったことがない。刃物マニアは多いようで、何万円もする鉈が売ってある。もったいなくて使えない。使われない道具はかわいそうだ。そんなものを作る人の気が知れない。(買う方の気持ちはワカランでもない。)芸術品のつもりか。