■へ〜そうなんや 21 (クリスチャン新聞より転載)

日本初の礼拝と葬儀

 1859年(弘化16)、

いまだキリシタン禁制時代の日本に、

ウイリアムやヘボンなど、

プロテスタントの宣教師がアメリカやイギリスから来日した。

それより前の1853年(嘉永6)7月10日、

我が国最初の日曜礼拝が、

浦賀の沖に停泊していた舟の上で開かれた。

 その年、アメリカ大統領は、

日本との国交通商条約交渉の任をペリー提督に託し、

黒船4隻を日本に派遣。

船団は神奈川県の浦賀沖に停泊した。

旗船サスケハナ号に小船で恐る恐る近づいた武士達や

陸上の野次馬が見守る中で、

その礼拝は行なわれた。

 艦板には300人あまりの将兵が集まり、

軍楽隊伴奏の讃美歌「よろずのくにたみ、

みまえにひれふせ」を高らかに歌った。

短い祈りと説教を従軍牧師ジョージ・ジョーンズがした。

この年は交渉ならず、翌年、再び7隻の船で来航して条約締結。

下田と函館の開港を決めた。

 ちなみに日本最初のプロテスタントの葬儀も、

黒船に乗っていたアメリカ人水兵の急死で行なわれた。

横浜近くの島にその遺体は埋葬され、

キリスト教の埋葬式の後、

仏教の僧侶が鐘を鳴らし、焼香と読経をあげた。

宗教は違うが、

その日本人の思いやりにアメリカの水兵達も感動したという。