■へ〜そうなんやM (クリスチャン新聞より転載)

「恋に破れた青年」の話

 1930年代の中国・上海でのできごと。

当時、映画界で若手の女優として台頭してきたランピンは、恋多き女性だった。

その青年も、彼女の魅力に心奪われた一人だった。

だが、その恋も、ランピンが別れた男性に走ったことによって終わる。

 絶望した青年は、黄浦江に身を投げた。

その現場にいた一人のイギリス人が、彼を救助した。

死から生へ。

その青年はその宣教師によって新しい人生を歩き始めた。

やがて、河北省に移った青年は、現地のキリスト教会で教会学校教師として働く。

「地のもの全て過ぎ去っていく。

友よ、君はどこへゆくのか?

やがて新しい天と地が来る時、そこに君はいるだろうか。

そこはもう死のない世界、そこには苦しみもなく、主が君の涙をぬぐってくださる」。

この讃美歌は、教会で子供達にその青年が教えた歌である。

 青年の教え子達は、この讃美歌を決して忘れなかった。

今、北京に住む陳さんもその一人だ。

最近記者が見舞いに行った時、病の床で陳さんは、

12歳の時に教えられたこの讃美歌を、涙ながらに歌ってくれた。

ちなみに、その青年をふった女優とは、後に毛沢東夫人となった江青である。