残暑厳しい毎日が続いておりますが、私は小さい秋を見つけました。

 夜になると聞こえる虫の音です。涼しい秋がやってきます。

 秋にはアレが食べられるぞ…!とワクワクしている私です。



  夏休み中の子供達との関わりはどうでしたか…?

 子供達を愛している皆さんのことですから、

 きっと良い関わりができたと思います。



  さて、今月も「お父さん、出番ですよ」です。

 「まったくお前は愚図なんだから…」とお父さんは息子にそう言いました。

 「お前にはまともにやれることはないのか?お姉ちゃんを見習ったらどうだ」。

 息子はじんわりと涙を浮かべてうつむいています。

 それを見たお父さんは、とどめの一発を語ります。

 「ここまで言われたら、何くそってがんばろうとは思わんかなぁ」。



  先月号を読んで下さった方は、この子がこのあとどうなるかは想像できると思います。

 もちろん、お父さんは、息子を励ますためにこう言ったのです。

 きつい言葉かけをすれば、

 息子が奮起してがんばってくれる『はずだ』という予想が、このお父さんにはあったわけです。

 このお父さんは、誰にも負けないくらい愛情にあふれたお父さんでした。

 でも、残念ながら、その『予想』は自分本位の思いこみだったのですが…。



  ご自分のことを考えて下されば分かると思います。

 会社で上司から、仕事のやり方や態度について、何かにつけてガミガミガミガミ言われていたら、

 喜んで仕事したいと思います?

 同じアドバイスをもらうんなら、「こんなやり方じゃぁ、どんなにがんばったって効果は期待できんよ。

 教えてやるから、言うとおりにしたまえ」なんて言われるよりは、

 「君には見込みがあるね。このやり方は特にいい効果を期待できそうだ。

 ここをこんな風にすると、さらに効果が上がるんじゃないかな」って言われた方が、

 やる気が出て来るんじゃないですか?



  『ほめられるとうれしくなります。元気になります。やる気が出てきます。

 もし「叱られた方がかえって仕事したくなる」というお父さんがおられたら、それはすごい!

 でも知って下さい。あなたのお子さんは、あなたとは違うかも知れないんだってことを…。

 一般に、「叱責」が高い教育的効果を持つのは、

 相手が既に相当の動機付け(あるいはやる気)を持っているときです。

 ですから、叱ることも大切ですが、それはここぞという時にぴしりと用いることにして、

 まずはお子さんをほめることを重視なさってはいかがでしょうか。



  ハーバード大学の心理学者であったウィリアム・ジェイムズ氏は「人間性の最も深い基盤は、

 人にほめられたいという願いである」と述べています。

 この願いが自分の愛する者によって叶えられれば、私達はいろいろな面で成長し、
 
 良いものを身に付けていくのではないでしょうか。

  自分一人で何かができると子供は必ず「見て!見て!見て!お父さん(お母さん)、見てよ!」

 と言います。

 この前も、息子がゴマゲンゴロウとヤゴを採ってきました。

 私は「よく見つけた!」とほめてから、一緒に昆虫図鑑でその虫の正式名を調べました。

 娘は「アブちゃん、こんなんできる!」とジャンプをしながら回転しました。

 「すごいなぁ〜」とほめると誇らしげな顔で満足していました。

 子供はほめられたいのです。

 親から良い評価をもらうことによって、子供は自信をつけますし、チャレンジ精神も育ちます、

 更には良いセルフ・イメージも養われます。

  え? ほめるところがない? そんなことないでしょう。あなたのお子さんですもの。

 一杯いっぱい素敵なところがあるはずです。

 それを一生懸命探し出して、口で、あるいは手紙などで伝えてあげましょう。

 こういう苦労は惜しまないことです。どうしても見つからなければ、

 短所と思えるところをひっくり返してみることです。



 ◆優柔不断→優しい。

 ◆怒りっぽい→正義感がある。いつも真剣。

 ◆愚図→あくせくしない性格。

 ◆わがまま→自分に正直。はっきりしている。

 ◆頑固→ひたむき。

 ◆短気→時間を節約している。

  …どうです。いくらでも出てくるでしょう?

 こういう言い換えリストを「天使の辞典」と呼んもいいでしょう。

 皆さんもご自分で作ってみて下さい。

  お父さん、子供達はあなたのほめ言葉を求めています。


                       
■お父さん出番ですよD (ホザナ通信 2003年8月号より)