■おとうさん出番ですよR (ホザナ通信 2005年3月号より)


 春光あまねくふりそそぎ、心もやすらぐこの頃です。

 ホザナ通信をお読み下さっているお父さん、お母さん、お元気ですね。

 子供が新しい学年に進み、新しいクラスでワンランクアップした勉強に入ることは、

 子供ばかりでなく親にとっても少々緊張するものなんですね。

  さて、「他人は変えられないけど、自分は変われる!

 ―女性が人づき合いで悩んだら読む本―」

 (丸屋真也著)を読みました。

 日々人間関係の中で生きているお父さん達にとっても役立つ本だと思います。

  さて、この書物の中で丸屋氏は「自立」をこのように定義しています。

 『自立とは、「他人に頼らないで何でも自分でやること」と誤解する人がいます。

 しかし、本当の自立とは、自分のできることは自分でやり、

 自分の限界を超えたところは他人の助けを借りることができる、

 と言うことなのです。』成る程と頷きました。

  “男は家を一歩出たら、7人の敵がいる”という言葉があります。

 元々江戸時代の言葉で、オリジナルは

 「敷居をまたげば、男には7人の敵が居る」だそうです。

 ところでその“7人”とは誰のことでしょう?

 具体的には説明されていませんが、“いっぱいいる”といった意味のようです。

 男が社会で活躍しようとすれば、弱みを見せることなく、

 気を張って強気で頑張らなくてはいけない、ということでしょう。

 確かに、昔も今も、現実社会には弱肉強食があることは否めません。

 ですから弱みを見せると喰われてしまう。

 弱みを隠し、強がり、完璧を装わなくてはいけないという習性が、

 いつの間にかお父さん達の生き方に染みついているのではないでしょうか。

  このように染みついてしまった処世術だけではなく、

 プライドの生き物としての男の性質が、“弱みを隠す”場合もしばしばあります。

 意外と妻に、いいえ、妻だからこそ、男のプライドが邪魔をして

 素直になれないことがあるのではないでしょうか。

 「オッと、家にも1人強敵がいた…!」って

 感じているお父さんもいるかも知れませんね(笑)。

 社会に出ても、家にいても、弱みを見せられない…となると、ストレスがたまりますよね。

 そして1人で悩みを抱え込んでしまい、

 心がしんどくなってしまうケースが多いのではないでしょうか。

  そこで最初の言葉を思い出してください。

 “本当の自立とは、自分のできることは自分でやり、

 自分の限界を超えたところは他人の助けを借りることができる”ということなのです。

 自分の弱さ、限界を認めて“助けて欲しい”と素直に言えること、

 それが「自立」に必要な条件のようです。

  イエス・キリストの有名な言葉の一つに『心の貧しい人々は、幸いである。

 天の国はその人たちのものである』(マタイ7章3節)というのがあります。

 可能思考で有名なロバート・シュラー牧師はこの言葉を、

 『謙虚になって自分の弱さ、限界を認め、

 “助けて欲しい”“ごめんなさい”と言えるようになる人が心の貧しい人だ』と解説しています。

 確かに、私達が弱さや限界を積極的に評価していく時に人生が変わってくるものです。

  僕達、お父さんは決して万能ではありませんよね。

 限界があり、弱さがあります。間違いを犯します。

 だのに、いつの間にか、万能であるべきだ、万能が要求されていると思い込み、

 押しつけられた万能に僕達は苦しめられているのではないでしょうか。

 僕達は人間ですよね。万能でなくていいんです。万能である必要もありません。

  お父さん達、自分で処理しきれない時には、素直に「助けて欲しい」って言ってみましょう。

 意外と助けてくれる人が近くにいるものです。

 幸福な人生の秘訣は単純なことです。

 それは自分の内にある弱さ、無知、限界を発見し、認め、助けを求めることなのです。

 そして、助け手と共に人生の喜びと充実、成功を分かち合うことです。

  自戒を込めて、お父さん達と次のことを心に留めたいと思います。

 『体裁よくごまかしたり、問題は何もないかのように見せかけたりして、

 自分の弱さに対して防御的になってはいけない。

 自分の弱さを扱う道はただ一つ「私には助けが必要だ」と認めることだ』と。

  「私には助けだ必要だ!」。

 この真理が私達を必要以上のストレスから解放し、

 人々と人生を共に喜び合うことを可能にするのです。

 勿論、自分ができるこはしっかり自分でこなすべきです。

 それ以上のことは、助けを求める謙遜さが必要なのです。

  聖書は、最も身近な助け手を2人紹介しています。

 1人は妻、もう1人は神様です。

 自分1人で成功や幸福を手に入れようとあがくよりもよりも、

 助け手と共に成功と幸福を手に入れ、喜びを増幅していきましょう。