日を追うごとに暑気もつのり、じっとりと汗ばむ季節となりました。

 ホザナ通信をお読みの皆様、お元気ですね。

 我が家のカブトムシもいよいよ成虫に孵りました。

 これで5年目になりますが、土から成虫が出てきているのを見ると感動します。

 夏が来たんですね!



 内村鑑三による成功の秘訣をご紹介します。

 1.自己に頼るべし。他人に頼るべからず。 

 2..本を固くすべし。さらば事業は自ずから発展すべし。

 3.急ぐべからず。自動車のごときも、なるべく徐行すべし。

 4.成功本位の米国主義に倣うべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。

 5.濫費は罪悪と知るべし。

 6.よく天の命に聞いて行うべし。自らおのが運命を作らんと欲すべからず。

 7.雇い人は兄と思うべし。客人は家族として扱うべし。

 8.誠実によりて得る信用は最大の財産なりと知るべし。

 9.清潔、整頓、堅実を主とすべし。

 10.人もし、全世界を得るとも、その霊魂を失わば何の益あらんや。

 人生の目的は金銭を得るにあらず。品性を完成するにあり。



  内村鑑三は明治から昭和初期にかけて活躍したクリスチャン著作家で、

 今日でも大きな影響を与え続けている人物です。

 彼が唱える上記の「成功の秘訣」は、

 日本人が忘れかけているものを思い出させてくれるのではないでしょうか。

 特に「成功本位」ではなく「誠実本位」は今日の日本社会が取り戻さなければならないことです。

  遅ればせながら、私は携帯電話を何とか使用するようになりました。

 一応メールもできる設定にしているのですが、携帯電話でメールを使ったことがないので、

 誰も私の携帯メールアドレスを知りません(本人でさえも殆ど忘れかけている!)。

 なのにどんどん迷惑メールが飛び込んできます。ウンザリです。

 人の迷惑顧みず、欲望を過剰に刺激し、儲かればそれでいいという、実に強欲な輩です。

 日本人の誠実さはどこに行ってしまったのかと嘆かわしくなります。

 新聞を賑わわす様々な不祥事を目にする際にも

 「誠実本位」を取り戻すことが必要だと痛感します。

  お父さん、親(大人)は子供のモデルですよね。

 今時の子供は…ととやかく言っても仕方ありません。

 親が誠実な生き方を取り戻すべきです。

 子供は親の言うようにはしないで、親がするようにします。

  親は子供に何を残すべきでしょうか。お金ですか?家ですか?いいえ、生き様を残すべきです。

 人生は成功のためだけにあるのではありません。

 勇ましく誠実な生き方を示すことこそ、真の人間の功績ではないでしょうか。

  米国の大富豪ロックフェラー(1839−1937)は、貧しい行商人の子供として育ちました。

 彼のモットーは「自分のために、金のために」でした。

 無一文から始めた彼は、勤勉に努力を重ね、

 40代で米国の精油能力の90%以上を支配する大金持ちとなったのです。

  ここに至るまでの彼は、少しでも多く儲けるために、

 雇い人や商売相手から情け容赦なく搾取していました。

 そのため、彼が成功しても誰一人として彼を愛し、尊敬する人はいませんでした。

 しかし彼は50歳を過ぎた頃、極度のノイローゼに陥ってしまいました。

 食欲はなく、ミルクでクラッカーをようやく流し込む日々が続きました。

 夜も眠ることが来出ません。

  この苦しみのどん底で、彼は我に返りました。

 自己中心の道が滅びであることに気づき、神の御前に心から悔い改め、救いを受けたのです。

  ロックフェラーが神に従う道を歩み始めた時、彼が死にものぐるいで求めていた富が、

 自分の方から彼のところに集まってくるようになりました。

 彼は実業界から引退したあと、神から与えられた富を用いて、

 慈善事業に全精力を傾けるようになりました。

 そしてロックフェラー財団を設立し、シカゴ大学を創立しました。

 また各種の福祉、慈善事業に献金し、社会に富を還元していったのです。

  ロックフェラーは、生き様で何が価値ある生き方であるかを残しました。

 だから彼は素晴らしいのです。

  お父さん、誠実で勇ましい生き方を子供に残していきましょう。

 お父さんの生き様が子供の中でいつまでも生き続けます。


                                  


おとうさん出番ですよM (ホザナ通信2004年6月号)