■お父さん出番ですよ@ (ホザナ通信 2003年4月号より)


  お父さん。あなたはお父さんである前に、夫です。

 お父さんの家庭における第一の使命は何でしょうか。

 それは奥さんを愛することです。

 次のような英語の言葉があります。

 “The greatest thing a man can do for his children is to love their mother.”

 (一人の男性が、自分の子供達にできる最大の祝福、

 それは、その子供達の母親を愛することです。)

 日本のご主人方にとって耳の痛い言葉です。  



 聖書の中にも次のような教えがあります。                                     

 「夫たる者よ。キリストが教会を愛してそのために御自身をささげられたように、

 妻を愛しなさい」と。

 夫婦がしっかりとした愛情の絆で結ばれていて初めて、

 子どもは心身共に健全に成長することができるのです。

 小さな男の子は、最初に出会う異性である母親に、いわば恋をします。

 ところが、夫婦の絆が強ければ、お母さんにとってのNo.1は、

 その子ではなくお父さんということになります。

 男の子は、お父さんみたいになれば、そしてお父さんを越えれば、

 お母さんを振り向かせることができると思い、

 お父さんの持つ男らしさ、力強さ、倫理観などを吸収していくのです。
 
 そしてやがて、一人の男に育ちます。

 その頃には、父親からもらった力強さのおかげで、もう母親離れができていますから、

 別の女性と恋に落ちるというわけです。

 女の子の場合も同様に、父親に恋をし、母親に対抗しながら、

 母親の持つ女らしさ、優しさ、無私の愛などを吸収し、一人の女性に育つのです。



 しかし、現代日本の多くの家庭では、父親が物理的にも精神的にも、家庭の外にいるのです。

 ほとんど子どもと顔を合わせることのない週日。たまの休みには家でごろごろ。

 それを粗大ゴミ扱いし、尊敬の素振りも見せない母親。たとえ父親が家庭の中にいたとしても、

 夫婦の仲がピリピリしていたり、冷たい無感動の状態だったらどうなるでしょう…。

 男の子は、対抗すべき父親がいないので、母親と癒着し、立派な(?)マザコンに育ちます。

 女の子は、恋すべき父親がいないので、母親の優しさを学ぶ機会がない…。

 いずれ自分の夫に同じことをするような妻になるでしょう。

 第一、家庭が険悪だったり、冷たい雰囲気であるならば、

 子どもは存在不安を抱えながら育つことになります。

 そして、それは思春期以後に心の病や不登校、非行といった形で花開くことになるのです。

 『子どもは夫婦の愛情のこぼれで育つ』という名言があります。

 何気ない夫婦のいたわり合いが子供達の心に安らぎを与えるのです。



 かつて私は妻(同じ家に住んでいます)にクリスマスカードを出しました。

 数日経ってそのカードは戻ってきました。

 切手を貼り忘れていたのです。でも無事に妻の手にカードが届けられ、

 切手なしのユーモアと共に妻は喜んでくれました。また、私は妻が疲れているなと感じたとき、

 花を一本か二本を買ってプレゼントします。時には息子と二人で買いに行きます。

 たまにですが、妻のホッペにチュッとしたとき、子供達は大喜びです。

 子供というものは、お父さんとお母さんが仲良くしていることが本当に嬉しいのだと痛感しました。

 私を含め日本の男性は感情表現がものすごく下手です。

 でも下手は下手なりにやり方があるのではないでしょうか。


 お父さん、奥さんへの思いやりをちょっと工夫してあなたなりの言葉や方法で伝えてみませんか。

 きっと家庭が変わってくるでしょう。(テモテ)