2007年10月号

☆「松井秀樹選手の不動心」☆

  日脚も短くなり、秋の深まりを感じます。

 ホザナ通信をお読み下さっている皆様、お元気ですね。

           
  さて、私は日本人大リーガー松井秀喜選手の「不動心」を読みました。

 この書物には、

 左手首骨折という選手生命を脅かす大怪我から見事に復活した

 松井選手の「マイナスからプラスに変える独自の思考法」が記されています。

 その松井流「心の構え」を幾つかご紹介すると、

 @コントロールできることとできないことを分ける、

 A悔しさはあえて口に出さない、

 B7割の失敗と上手に付き合う、

 C自ら可能性を捨てない、

 D努力することが才能である等です。


  松井選手は「失敗との付き合い方」という項目でこう記しています。

 ・・・野球のストレスから逃げない、と言いましたが、

 野球はストレスの連続です。

 尊敬する長嶋さんは口癖のように

 「野球とは人生そのもの」だと言います。

 本当にそうだと思います。

 人生も野球も失敗、そして後悔の連続です。

 その分、優勝した時や思い通りのプレーが

 できたときの喜びも大きいのです。

 失敗と上手に付き合っていくためには、

 やはり「どうにもならないこと」ではなく

 「今、自分にできること」に集中するしかありません。


  プロ野球のバッターは、打率3割打てば一流と認められます。

 つまり一流選手でも、7割近くは打ち取られているわけです。

 他の仕事で成功率3割では成り立ちません。

 それぐらい、野球は失敗のスポーツといえます。


   …ホームランを打った日でも球場からの帰り道に考えていることは、

 凡打した打席だったりします。

 「成功」よりも「失敗」との付き合いが多くなります。

 そう、野球は、失敗との付き合いなのです。

 失敗との付き合いが上手にできなければ、

 決して長く活躍することはできないでしょう。 ・・・


  私はサッカー大好き人間なので野球のことは殆ど知りません。

 プロ野球で3割打者が一流選手だとは初めて知りました。

 一流と言われる選手でも7割は失敗しているんですね!

 目からウロコでした。

 だからこそ、失敗とどう付き合うかが野球選手にとって重要なわけです。
 
               
  松井選手はこう言っています。

  ・・・僕は、生きる力とは、成功を続ける力ではなく、

 失敗や困難を乗り越える力だと考えます。

 一度のミスも、スランプもない野球選手などいるでしょうか。

 絶対にいません。

 プロ野球選手として成功してきた人々は、才能だけではなく、

 失敗を乗り越える力があるのだと思います。

 僕も、そんな力を身につけたいと考えています。

 どんな技術やパワーよりも、

 逆境に強い力を持った選手になりたいと願っています。・・・ 


  そんな松井選手の心の中で輝いている言葉の一つとして、

 星陵高校時代の山下監督の言葉があります。

 それは…  
     
       心が変われば行動が変わる  

       行動が変われば習慣が変わる 

       習慣が変われば人格が変わる  

       人格が変われば運命が変わる                         

                               …です。


  元々この言葉は、アメリカの哲学者であり、

 心理学者でもあったウィリアム・ジェームズの言葉でありますが、

 山下監督によって星陵高校の一塁側ベンチや

 室内練習場に掲示されていたそうです。


  松井選手はこの言葉にも励まされながら、

 過去の失敗を教訓化し、

 そこから新しい自分、新しい未来、

 新しい可能性を生み出すための努力を続けているのです。


  また松井選手の愛読書は「聖書」であることは知られざる事実です。

 ニューヨーク・ヤンキースの彼のチームメイトの多くはクリスチャンであり、

 松井選手はキリスト教の集会にも出席しています。

 彼の不動心を支えるものとして「聖書」も大きな力となっているのです。


  野球も人生も失敗から逃れることはできません。

 しかし失敗こそ人生をより強く豊かにしてくれる

 大切な宝であると受けとめていきたいものです。

                          教会学校教頭 新谷和茂