若年型について

 クラッベ病は、一般に約20万人に1人の割合で発生するといわれており、計算上、日本では1年間に120万人ほどの新生児が生まれているとすると、年間6人ほどのクラッベ病の方が生まれていると考えられる。そのうち9割が乳児型で、残りが若年型・成人型である。つまり、若年型は、約2年間のうちで、1人生まれるか生まれないかというきわめてまれなタイプのようだ。実際に、うちの子どもと全く同じ発症形態や病状歴をもつ方とは、まだお会いしたことがない。ただ、若年型と呼ばれている方とは2人、連絡を取り合っている。障害の現われる部位は似ているが、発症後の進行のスピードは違う。
 なぜ、5歳半ばに発症するほど進行が緩やかなのか。乳児型(生後3〜6ヶ月で発症)はなぜ進行が速いのか。これについては、残存する酵素活性の違いによると考えられている。成人型の中には、60歳を過ぎてから足が不自由になり、調べてみるとクラッベ病だったという方もいると聞いている。

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 うちの子の場合、臍帯血移植・骨髄移植をしたため、治療的な手だてをしなかったら若年型はどのような経過をたどるのかは実際のところ判らない。3歳で発症(晩期乳児型)した方が17歳で亡くなった事例があることから、5歳で発症した私たちの子どもたちは、おそらく15歳くらいで知能に影響が出始め、20歳ごろには寝たきりになっているだろうと主治医から説明を受けた。

 クラッベ病は、現段階で完治への治療法が確立されておらず、まだ研究途上である。唯一、対症療法として、進行を止め、症状を改善させる効果がある(脱髄が進み、死んでしまった神経細胞は回復しないが)といわれているのが骨髄移植・臍帯血移植である。
 子どもたちの病気がわかったとき、外国に、若年型の移植に効果があったという報告が複数あることを主治医から教えていただいた。日本ではまだ若年型の移植の事例が無かったが、成功を信じて移植を決断した。移植後1年9ヶ月、1年6ヶ月を経ている現在、進行は止まり、神経症状が少しずつ改善されてきている(2005年9月24日現在。移植の詳細は臍帯血移植・骨髄移植の項目にあり)。