卒業おめでとう
 
 桜の花の咲く6年前の春に小学校に入学して・・・早いものですね。もう6年もたったんだね。
 
 入学した頃は、体が小さくて大きかったランドセルも、今では小さく見えるね。声も太く低くなって、背も伸びて、体も心も大きく強くなった。
 入学した時は、目が見えにくいのは、病気ではないから3年生くらいには見えるようになると思っていたね。だから、みんなと同じように頑張って勉強したり、体を動かしたりしていたね。でも、本当は大変だったんだろ
うなぁ〜と思う。君は頑張り屋さんだから、何でも涙を流しながらでも、出来るまで頑張った。あまり、口には出さなかったが、母さんはそんな君は、偉いなぁ〜って思っていたよ。

 4年になって、検査入院してやっと病名がわかった。病気だったんだ。やっぱりそうだったか。病気がわかった時、母さんは、君に無理な事をさせていたのではなかっただろうか・・・と思って、君に申し訳ない気持ちでいっぱいになったよ。

 
でも、みんなと同じように頑張ってこれた事が、君の力になっているし、リハビリにもなっていたんだね。

 母さんは、君が入院中に書いていた母さんとの交換日記の中に、書いていた次の言葉が忘れられないよ。
「今日は検査なかったけど、あしたはあるかもしれません。退院するのも楽しみだけど、今一番楽しみなのは、早く目が治ることです」 
 目を治したい。だから、あの辛い骨髄移植も頑張ったんだもんね。移植が成功して、座っていても横に倒れていってしまう状態だった君が、今では、歩いたり走ったりもできる。足はまだ弱いけど、歩けるようになって本当に良かった。歩きたい・・・あの時の君の頑張りはすごかったよ。目のほうはなかなかだけど、少しずつだけど良くなってきている。諦めないで、がんばろうね。 

 点字の勉強も1年で、かなり上達したね。今では、母さんが教えてもらうくらいだ。点字を使っての勉強は大変だと思うけど、本を読んだりなど、一人で出来る事も増やす事ができたし、これからも、今出来る事をしっかり頑張っていこうね。 

 4月からは、中学生。自分の病気の事を含め、色々なことを知ったり、限界を感じたり・・・悩み事も増えるだろうなぁ〜。でも、君は君なんだから、君らしく前に向かって進んでいってほしい。負けないでほしい。これからも、母さんはエールを送り続けるよ。君は一人じゃないよ。一緒に頑張ろうね。

 今日は、卒業・・・本当におめでとう!
     
     2006年 3月17日
                           母さんより

まあくんへ(母さんからのメッセージ)

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