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外向性



アイゼンクの性格理論  「心理テスト」はウソでした。 P206

1960年代の話だが、アイゼンクによると性格には外向性と神経症傾向(情緒安定性)という基本次元があり、個人の性格はこの2つの特性で位置づけられる。
また、アイゼンクは生理学的な説明を好み、外向性は条件付け理論と関係し、神経症傾向は自律神経系と関係すると主張した。

アイゼンクの性格理論は極端な外向性と極端な内向性の場合にしか当てはまらないことが多いが、膨大な実験研究で裏付けられている。

  外向性  神経症傾向  外向性 

条件性制止  「心理テスト」はウソでした。 P206

外向性の人は神経系で外からの刺激をブロックする傾向が強く、これを条件性制止と呼ぶ。ブロックする傾向が強いので、強い刺激でもすぐに慣れてしまい、効果がなくなる。
外向性の人は強い刺激でないと満足が得られないので、音楽なら強烈なヘビメタや激しいロックが好みであろう。タバコや興奮剤などの薬物も好む。

一方、内向性の人は制止過程は弱く、興奮過程のほうが強い。
内向性の人は外から強い刺激を受けるとブロックできないので、興奮し過ぎてしまう。
タバコや刺激的な薬物への嗜好は少ない。
逆に、アルコールなどの鎮静作用のある薬物には耐性があるので、飲み過ぎてしまうだろう。

  外向性  外向性 

ブロッキング現象  「心理テスト」はウソでした。 P207

ブロッキング現象について、1930年代からは行動主義的学習理論の下で研究が行われた。
当時の学習理論によれば、集中練習期間中に反応制止という負の動因(精神的疲労のこと)が蓄積されていく。それが正の動因(仕事に対するやる気)と同じになった時に有効動因がゼロになり、実行が止まってしまう。

遂行 = ( 正の動因 - 負の動因 ) × 習慣強度

反応制止はブロッキング現象の間に消えてしまうので、短期間の休止の後、再び作業が開始され、反応制止が正の動因に等しくなるまで続く。そして再びブロッキング現象が起こる。これが繰り返される。

  外向性 

外向性とブロッキング現象  今田寛(「心理テスト」はウソでした。 P204 より孫引き)

外向性の人にはブロッキング現象が頻繁に観察されます。ブロッキング現象に伴って覚醒水準が低下します。
とすると、内向性の人は外向性の人よりも平均して覚醒水準が高いはずです。
覚醒水準が高いと皮質の促進も高いと仮定すると、同じ強さの刺激に対して、内向性の人は外向性の人よりも出力が大きくなるはずです。

レモンジュース・エクスペリメント
実験室に内向性の人と外向性の人に来てもらって、舌の上にレモンジュースを4滴落とし、その唾液量を測定する。
すると、内向性の人の唾液量は、外向性の人の4倍以上ありました。


  外向性  外向性 

打叩作業によるブロッキング現象  「心理テスト」はウソでした。 P208

シュピールマンが1963年に行った研究を紹介しておこう。鉄筆で金属盤を打叩し続けるという簡単な作業である。
労働者90名が心理テストを受け、その中から最も外向的な者と、最も内向的な者が選ばれた。この人達は日常生活に十分適応している、まったく正常な普通の労働者である。
外向的性格の4人のパターンのギザギザが激しく目立つ。つまり、予想通り、外向的性格者では鉄筆が金属盤から離れるブロッキング現象が頻繁に現れた。
その後の様々な研究でも、外向的性格者の作業は、内向的性格者と比較すると不規則で変化に富んでいることがわかった。

  外向性 


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