カナダに次ぐ「一人旅」第二弾・「北海道」の旅が始まった。
カナダのときと同様、長年行きたい思いが私の心から放れずに消えなかった。昨冬、スキーに明け暮れたあと、フッと空洞に襲われ、突然「夏は北海道へ行こう!」と決心した。
決心はしたものの、私は北海道のことを何も知らなかった。わずか1ヶ月位で、どこをどう回ればより効果的に北海道をめぐる旅になるのだろう?
北海道は広い・・・、広すぎて手がつけられない・・・。
観光だけでは物足りない・・・。私らしいユニークさが欲しい・・・。
そうだ、私なら、「山・・・」でしょう。それに、「バードウオッチング」もいいなぁ!
ポイントが決まれば、あとはひたすら、インターネットにかじりついた。
女の一人旅にはやはりユースホステルが強い味方。安くて、安全で、仲間通しすぐ仲良くなれる。
予算は20万円〜25万円。しかし飛行機の安い便を取り損ねて、結局、費用の関係で22泊23日と少し短縮。
利尻島と礼文島はぜひ行きたい、となると、道北・道東・道央までが精一杯。道西・道南は行き易いので次回に残すことにした。
ポイントの山はやはり百名山だね。
「利尻岳」・「大雪山旭岳」・「十勝岳」・「斜里岳」・「羅臼岳」・「阿寒岳」以上6峰を選んだ。

カナダのときは外国への一人旅で緊張したが、今度は百名山の連続の単独行なので前者に劣らず緊張ものだ。でも他人は「カナダよりましね。行ってらっしゃい!」と、いとも簡単に送り出してくれた。
「果たしてやり遂げられるだろうか?」 旅が始まるまで、私は緊張していた。



【行    程】
7月2〜3日 大阪⇒稚内⇒利尻島(利尻岳登
山)
7月4〜5日 利尻島⇒礼文島
7月6〜7日 礼文島⇒稚内(市内観光) 7月8日 稚内⇒旭川(動物園)⇒東川町
7月9日 大雪山旭岳登山⇒富良野 7月10日 北の国・ラベンダー観光⇒十勝温泉
7月11日 富良野岳登山⇒美馬牛 7月12日 美馬牛⇒層雲峡⇒黒岳登山
7月13〜14日 層雲峡⇒サロマ湖(サイクリング) 7月15〜16日 網走(観光)⇒清里町(斜里岳登山)
7月17〜19日 知床岩尾別(羅臼岳・羅臼湖) 7月20〜21日 摩周湖・屈斜路湖・温泉巡り
7月22〜23日 阿寒湖・オンネトー湖・雌阿寒岳登山 7月24日 鶴公園バードウオッチ⇒釧路⇒大阪


北海道ユースホステル http://www.youthhostel.or.jp/menu.htm
JRの時刻検索 http://www.ekitan.com/
全国のバス時刻検索 http://homepage2.nifty.com/fuguta/time/i/i-menu.html
旅人宿「ゆう」 http://www.nona.dti.ne.jp/~tabi-you/
バーデン上富良野 (電話) 0167−45−2225
ウトロ民宿・みどり荘 (電話) 01522−4−2547
阿寒湖畔民宿・山口 http://www.tabi-hokkaido.co.jp/~yamaguchi/


2005年7月2日(土) 晴れ 伊丹空港⇒稚内⇒利尻島 (利尻グリーンヒルズYH泊)

旅の始まり。行動が始まってやっと私は普通に戻った。もう前進あるのみ。
飛行機はあっという間に稚内に到着。飛行機の乗り降りにもやっと余裕がでてきた。シャトルバスで稚内港まで30分。
潮風が涼しい・・・。今、私は、北海道の最北端に立っているのだと実感。「ヤッホー、来たぞゥ」
利尻島へは約2時間の船旅。離れ行く陸や近づく島を写真に撮りながら、合間にポケットに潜めたオカリナを取り出して甲板の隅で吹いてみた。「♪海は広いな〜♪」、メッチャ気持ちいい〜!

利尻島のYHは夕食がないので、早速男女4人組で、お奨めの店へ行った。すぐ近くに夕日展望台があり、サンセットを楽しみにしていたが、シェフが腕によりをかけすぎて、タイムオーバー。でもテレビの取材も受けたというほど、料理はほんと美味しかった。海鮮料理¥1,500ー。


    
  伊丹空港・出発前       稚内⇒利尻島への船上にて     波間を飛ぶかもめ

2005年7月3日(日) 晴れ 利尻岳登山 (利尻グリーンヒルズYH泊)

YH⇒キャンプ場登山口(車送迎)5:00⇒頂上着9:50⇒下山開始10:30⇒下山14:40

今日は早速第1峰・利尻岳登山。YHからの登山者5名のグループに同行をお願いした。
上りはコースタイムより若干速いペース。私にはちょうどいい具合。
途中、昨日フェリーで隣り合わせた人たちと出会い、「元気なお姉さん!」と声をかけられた。(苦笑)
下りは仲間の一人が遅れたため、グループと別れた。ところが、思うように足が進まず、結局上りと変わらないペース。昨年9月以来本格的な登山をしていなかったツケが、下りに出てきたようだ。


    
利尻岳登山口(キャンプ場)   4合目・姫沼探勝路分岐            5合目にて

    
8合目から見た利尻岳       利尻岳頂上とローソク岩       頂上にてハイ、ポーズ

下山後、利尻富士温泉までヒッチハイク。温泉¥500はとてもゆったりいい湯だった。ところがその後、YHまで30分歩く羽目に。ここまでが今日の予定、あとはぶっ倒れるように眠りたかった。
が、昨日見損ねた夕日を見なければと、再び夕日ケ丘展望台へ。晴れ渡った利尻富士と水平線に沈む夕陽・・・、沈んだ後のオカリナの音・・・、夢のような時間だった。


      
 アズマギク          夕日ケ丘展望台から見た利尻富士  沈み行く夕陽・・・

【今日見た鳥】 (山で声のみ)コマドリ・ツツドリ  (展望台で)ウミネコ・アマツバメ・ツグミ


2005年7月4日(月) 晴れのち悪天候in礼文島 午前中利尻島サイクリング (桃岩荘YH泊)

今日は午前中は自転車で姫沼へバードウオッチング。午後は礼文島への移動。
海岸沿いで美声の主を探したら、目の前に
ノゴマがいた時は有頂天になった。ここから急坂になり、姫沼までヒッチハイク。旅行の前から「姫沼の売店の村上さんを訪ねてクマゲラを見ておいで」と聞いていたが、今年は営巣場所が分からないとスゲない返事。代わりにアオバト発見。昼近くになって自転車ロードでシマアオジ?を見つけた。望遠鏡があれば確認できたのに・・・。


YHの女性オーナーさんはとてもよくしてくれて、何かとお世話になった。午後一番の礼文島行きの船に間に合うよう送ってくれ、「昼食は生ウニを食べなよ」と漁師さんの店を教えてくれた。ちょうど顔見知りの若い男の子がいたので一緒に誘い、1個¥500ーの生ウニとイカ焼き+ご飯・味噌汁を注文。採れたてのウニはうに丼1杯分くらいの身が詰まっていて、磯の香が漂う最高の美味。

礼文島に着くと桃岩荘YHヘルパーさんの強烈な出迎え。有り余るエネルギーを吐き出すような大声とドタバタ行動。いつもの私なら結構ノリノリだが、利尻岳の疲れがドッと来てついて行けない。
食堂でお茶を飲んでいたら、男性ヘルパーさん達がドヤドヤと窓から屋根に駆け上がり、旗を振りかざして大声で歌い出した。有名な8時間ウオークのグループご帰還に合わせたお帰りコールだった。


    
午前中サイクリングでの姫沼    出航前に食べた昼食・生ウニ   桃岩荘の屋根の上でお帰りコール


2005年7月5日(火) 曇り・強風・寒し 8時間ウオーク (桃岩荘YH泊)

桃岩荘は礼文島の南なので、北端のスコトン岬まで早朝車で送ってくれる。早朝6時半、強風と寒さは尋常ではなく、雨具を出すのもひと苦労だった。疲れの残る身体に実質10時間の「8時間ウオーク」は無理と判断。4時間地点で皆と別れる。その代わり久種湖でバードウオッチングを楽しめる予定。ところがもう一人リタイヤの女性があり、久種湖までまたヒッチハイクできたのはいいが、スズメバチに見舞われ、バードウオッチングはできなかった。残念・・・。

    
出発点・スコトン岬        朝一の昆布漁の水揚げ風景    ゴロタ岬へ向かって歩く

    
景勝地・澄海岬(強風・寒し)   澄海岬で記念写真・この後別行動 久種湖で・この時天気は上々


2005年7月6日(水) 曇り・強風のち晴れ 桃岩展望台⇒知床 (稚内モシリバYH泊)

今日も強風と濃霧、寒し。どうも礼文島とは相性が良くないようだ。一昨日島に着いた時からずっと悪天候。
今日は午前中、桃岩展望台からフラワーロードを島の最南端・知床へ下った。バス便が少ないので、例によってヒッチハイクで香深港へ。これで昨日と合わせて島の最北・南端をいったことになる。又、連日ヒッチハイクをしている訳だ。

    
YHからよく見える猫岩      YHの名前の由来、桃岩    桃岩展望台から続くフラワーロード

    
  元地灯台            元地灯台から見た日本海       エゾシオガマ

    
  オオハナウド           レブンキンバイソウ           エゾカンゾウトラノオ

礼文島の今年の花の時期は2週間くらい遅れているそうで、雪解けの花は終わり、夏の花には早すぎて、「花の島」のうたい文句が寒々しかった
午後は礼文島を後にして稚内へ移動。たまっていた洗濯をし、夕食はYHのイクラ丼を美味しく食べた。


2005年7月7日(木) 曇り・寒し 稚内市内定期観光 (稚内モシリバYH泊)

利尻岳の疲れが取れず、体調不調。予定ではサイクリングであちこち観光兼バードウオッチングをと思っていたが、少々お高いが定期観光バスの一日コース(¥7,500)にした。
ところがこれが良かった。豪華な昼食付きで、稚内周辺を網羅する内容。名だたる場所へ隈なく行き、花も鳥も結構満足できた。

バスターミナル7:50⇒宗谷岬⇒猿払村牧場⇒クッチャロ湖⇒豊富昼食⇒サロベツ原生花園⇒ノシャップ岬⇒稚内公園⇒バスターミナル15:20


     
 日本最北端・宗谷岬         クッチャロ湖               サロベツ原生花園

      
  ノシャップ岬              稚内公園                 公園からみた稚内港

    
ヒオウギアヤメ            エゾスカシユリ              ハマナス

【今日見た鳥】 ノビタキ♂♀・ミヤマカケス・エゾセンニュウ・ハクセキレイ

【ひと言】
このYHでの夕食は毎日イクラ丼と決まっているので、今日はコンビニでおにぎりとおかずを買ってきた。皆と同じテーブルで食べようと思ったら、少し外れたテーブルへ行かされた。お茶がほしくても余分のコップがない。遠慮がちに「コップありますか?」 何とも居心地が悪い・・・。
連泊の客も多いのだからメニューを変えるか、持ち込み客への配慮が欲しい。



2005年7月8日(金) 晴れ 旭山動物園 (旅人宿「ゆう」泊)

今日は道北から道央へ移動。車窓から見る景色は北海道らしく壮大で、息をつくほどの原生大地が次々に広がっていく。本州では決して見れないこの景色・・・。しかし、このけだるさは何だろう?早や見飽きてしまったのだろうか?体調は徐々に戻りつつあるけれど、すっきりとはいかない。
こんな調子で、これから大雪・十勝・斜里・羅臼・阿寒と大きな山をクリアーできるのだろうか? 
弱気を出すと限りなく不安になる。『弱音、引っ込めぇ!』 ・・・今日の予定は、

稚内7:37スーパー宗谷2号⇒11:12旭川15:00(旭川電気軌道バス)⇒東川小学校15:30⇒旅人宿「ゆう」

旭川でかなり時間があるので、皆からお奨めの旭山動物園へ行ってみた。
適当な広さと緑の芝生やベンチなどゆっくりできるスペースが多くて、なかなかの好感度。そして、各動物たちの今日の特記事項をコメントしてあるのがより愛着を感じさせてGood!評判がいいのがうなずける。
私はやはり「北海道産動物」⇒アカゲラ・コムクドリ・ゴジュウカラなど。クマゲラはいなかった。
「ワシ・タカ舎」⇒オジロワシ・オオワシ・シマフクロウなど。実際には見れないのでここで見て納得・・・。
「ととりの村」⇒水鳥を集中して見たが、時間がなくて残念。もっとゆっくり見たかった。


    
せめて動物園でオジロワシ    懐かしい感じの旅人宿「ゆう」    一期一会の仲間たち

「旅人宿ゆう」は自分の田舎へ帰ったような懐かしいくつろぎがあった。YHの大雪山白樺荘の代替で期待してなかったのだが、何とも居心地が良かった。同宿の皆さんが良かった精もあるが、素直な子供たちとのふれあいや、オーナー夫妻のさりげない心が安堵感を与えたのかも。


2005年7月9日(土) 晴れ&曇り 旭岳登山 (ふらのYH泊)

宿7:30⇒登山口8:00⇒姿見池散策⇒旭岳頂上10:40晴れを待つ11:30⇒下山12:50⇒姿見池散策

旭岳の登山口まで車で30分以上かかるのだが、幸い同宿の男性二人も登山予定で、そのうち一人のレンタカーに便乗させてもらった。昨夜初めて会った3人だが、同じ山仲間ということですぐに意気投合。途中、煙が立ち上る十勝岳を見て感動したり、お互いの登山歴を話し合ったり、あっという間に姿見ロープウエイ乗場に着いた。
ここからはそれぞれ別行動。だが結局、一人とは別ルートへの分岐まで一緒に行き、もう一人とは同じルートを前後して行くことになった。 今年は雪が多くて、姿見の池も秀麗な旭岳を映せないまま。しかしここできれいな
ノゴマの♂♀を見、一面のチングルマやツガザクラなど、お花畑を見て、やっと本来の山に来たような気がした。 頂上での見晴らしはいまいちだったけど、いい仲間と、鳥や花に出会えて、やっと本来の私がよみがえってきた。 
ああ、山はいいなぁ。 おまけに、帰りの姿見の池で
ギンザンマシコ発見!やったぁ。♪♪^0^


    
姿見池から見た旭岳       今も硫黄臭の噴煙が立ち上る       旭岳の頂上にて 

    
頂上からのお鉢・右奥に黒岳     チングルマ            キバナシャクナゲ

下山後、 登山口⇒旭川電気軌道バス(帰りは無料)旭川⇒JR中富良野⇒ふらのYH へ到着。

荷物をカタカタと転がしてYHへ向かっていたら、「カッコウ・・・」 北海道にカッコウはいないと本で読んだが?見るとすぐそばの電柱でまさしく
カッコウが鳴いている。あわてて双眼鏡で覗くと駅の方へ飛んでいった。

このYHは夕食・朝食とも無料。なんと素泊代だけでOK。ログハウスっぽいしゃれた空間と、ベジタブルの美味しい食事がとても印象的。



2005年7月10日(日) 晴れのち曇り 北の国から・ラベンダー観光  (バーデン上富良野泊)

朝食前に、YHの周辺を歩いて見た。カワラヒワが地鳴きし、すぐ横のお寺の裏で
アカゲラがキョッキョッと合図してくれた。そしてまたカッコウを駅の側で発見。ワァ、収穫大なり。


富良野9:05(定期観光バス)⇒ドラマ「北の国から」めぐり⇒11:20富良野⇒ファーム富田⇒上富良野13:31(周遊観光バス)⇒日の出公園・後藤純男美術館・博物館土の館⇒上富良野15:45⇒町営バス⇒バーデン上富良野16:56

あの有名な「北の国から」の舞台となった富良野・麓郷へ定期観光バスを予約しておいた。今回の観光の目玉の一つだ。私は純君と蛍ちゃんの大ファン。というか、あのドラマに出てくる人達は全部好きだ。本当は雪の富良野へ来たかったんだけど・・・。何ともユニークなそれぞれの家を懸命にドラマと照らし合わせ、まるでそこに純や蛍がいるような錯覚を覚えた。

昼からはなんたって「ラベンダー」。ファーム富田は日曜日でもありすごい人出。花の時期には少し早すぎたようだが、ま、それなりにきれいだった。ちょうどラベンダー畑から見下ろせるJR富良野線に列車が通りかかった。単線でのんびりと走るさまを私もゆっくり眺めた。


    
北の国からの「純と結の家」   「五郎さんの石の家」      ファーム富田のラベンダー畑

    
JR富良野線(単線)を走る電車  上富良野の日の出公園   一面のジャガイモ畑の花(千望峠)

上富良野に着いてから町営バスの時間までに3時間も空白が出来、勧められるままに観光バスに乗り込んだ。単なる時間つぶしで、乗客はもう一人若い女性の二人だけ。ところがこの周遊バス結構良かった。日の出公園のラベンダーはファーム富田より静かで広くきれいだった。また「土の館」では二人だけのために専門家がトラクターの話を分かり易く説明し、実物の機械に乗せてくれてのサービスぶり。トラクターの車輪のど迫力に圧倒された。

バーデン上富良野の料理は超豪華。大きなタラバガニがお皿からはみ出し、それが全料理のほんの一部。どう頑張っても食べ切れなかった。部屋は一般客より少し劣る登山者用で、1泊2食¥7,500−。安い!


2005年7月11日(月) 雨のち曇り 富良野岳登山 (美馬牛リバテイYH泊)

昨夜寝る前から降り出した雨がやっと止んだ。予定では早朝出発して十勝岳へ登るはずだったが、午後回復の予報に合わせて時間を遅らせて正解。宿の人に送ってもらい登山口を9:00に出発した。


登山口9:00⇒火口分岐⇒幾度かの雪渓(熊を目撃、行先を富良野岳に変更)⇒12:00富良野岳頂上12:40⇒下山15:00⇒上富良野16:51⇒美馬牛17:01⇒美馬牛YH

直前まで雨が降っていた精で、登る人は一人もいない。逆にこの時間に下山してきた人があり、念のためコースを確認したら、予定の三段山からの道は危険で一般者は無理という。改めて地図を見てコースを修正する。不案内な私は最短コースを選んでいたのだが、聞いてよかった、危ない、危ない。今日は最悪コンデイションだな、と思いながら歩き出すとすぐに火口への分岐の渡渉に出た。それから数十分、予想以上に悪路が続いた。
天気も一向に良くならず霧が深かった。幾つ目かの雪渓にさしかかったとき、突然3mほど先の枝に赤い鳥が飛んで来た。「おおッ、
ギンザンマシコだッ!」目の前にじっと止まって「どうぞ見てください。」と言わんばかりだ。私の目は釘付けになった。なんという幸せ・・^0^、来て良かった・・・!
しばらくしてやっと我に返り、ふと視野に気配を感じた。 なんと・・! 雪渓の向こう側を黒い影がものすごいスピードで駆け抜けていったではないか。「うそォ、ク・クマ・・・??」一瞬の出来事だった。それほど大きくはない、しかしあの姿は間違いなく、「
クマ」・・・だ。
血の気が引いていくような寒さを感じた。「これはヤバイ!」
もう登山どころではない。私はすぐに引き返した。ほんの少し引き返したところで男女のペアーに出会った。クマに出会ったと告げたら、「大丈夫ですよ、行きましょう。」と頼もしい返事。 [・・・?」 単純な私は即座に「3人なら怖くないかも・・・」と気を持ち直して再び前進に切り替えた。
その後幾つか雪渓を渡ったところで、十勝岳への分岐の標識を見つけたが、道が定かでないブッシュの中を行くと、またクマが出ないかと恐く、圧倒的に富良野岳へ行く人が多いので、急遽行先を富良野岳に変更した。
負け惜しみではないが、富良野岳のほうが山としては数段面白く、花もはるかに多いという。確かに、大雪・旭岳以上に花がきれいだと思った。

その後頂上でゆっくりしている間に団体や個人グループが登って来て、結構賑やかになった。帰りは別のペアーと同行し、登山口では
キタキツネの親子を見つけた。そして、上富良野駅まで彼らの車に便乗させてもらい、ラッキー。でも
大事なストックを登山口に置き忘れてしまい、プラス・マイナス・・・どっち?

    
雨の後、十勝岳へ登山開始  雪渓の向方をが走りぬけた!  行先変更、富良野岳の頂上

    
ハクサンイチゲ          エゾコザクラ              ハクサンチドリ

美馬牛YHは駅から白い建物がすぐ見えて、ほんとに1分の距離。2度目の洗濯をしたり、夕食後のコーヒータイムでタイの女性と英会話をしたり、久しぶりにくつろいだときを過ごした。若者が多く、活気にあふれていた。


2005年7月12日(火) 晴れ 黒岳登山 (層雲峡YH泊)

例によって早朝YHの周りを散歩。他の女の子とカンノファームを探したが遠くてあきらめ、バード゙ウオッチングを始めたらすぐにアカゲラ発見。続けてアオジ・カワラヒワ・モズが次々現れた。さすが北海道だ。 ジャガイモ畑が広がり、朝の空気がひんやり気持ちいい。

美馬牛7:53⇒8:35旭川9:15⇒層雲峡11:05⇒YH⇒12:00ロープウエイ・リフト⇒黒岳頂上14:00⇒石室14:30⇒黒岳14:50⇒16:00リフト・ロープウエイ⇒YH17:00

昼前には層雲峡に着き、荷物をYHに預けて、すぐロープウエイ・リフトで黒岳頂上を目指す。午前中快晴だったのに昼から雲が出て、結局頂上では旭岳を確認出来なかった。途中雪渓続きで、足元が悪く昨日ストックを失くしたのが悔やまれた。とりあえず古い短いストックを予備に持っていたので、よかったが。

【黒岳で見た鳥と動物】
 ロープウエイ降り場にはシマリス・石室でノゴマ・ホシガラス・下山時にルリビタキ・声だけはしきりにコマドリ

    
ロープウエイ駅の側でエゾシマリス    黒岳の頂上          石室まで、お花畑の中を行く

    
クロユリ                イワヒゲ                 エゾツツジ

黒岳はロープウエイ・リフトを利用するから、たいしたハイキングではないとタカをくくっていたら、なんといっぱしの登山。昨日につぐ今日だから疲れたぁ。
YHは人気スポットの精か結構多勢で、夕食では同年輩の女性のテーブルについた。一人旅の女性が多いのには驚き。私より年配で、私よりはるかにハードに山をこなしているS子さんには感服。



2005年7月13日(水) 晴れ・暑し 層雲峡をサイクリング  (サロマ湖YH泊)

朝食でもS子さんと同じテーブルに着いた。お互いに今日の予定を話していたら、偶然午前中は一緒にサイクリングをしょうということになった。その後、上川まで彼女の車で送ってくれるという。
せっかくの層雲峡、もう1泊するべきだったと思ってただけに、午前中しっかり観光できるのは願ったりかなったり。それに、晴天の下、自転車で風を切って走るのは当初からの夢。稚内では体調不調で果たせず、富良野の「北の国から」めぐりも本当は自転車で好きなように回りたかったが、距離が長すぎたのと体力温存を考えて止めたのだった。

午前中層雲峡サイクリング⇒上川駅12:01⇒網走15:09⇒浜サロマバス停16:15⇒サロマ湖YH(送迎あり)

層雲峡はほんの15分も走ると、もうメインの銀河・流星の滝に到着。展望台に上り、不動岩をはさんだ両滝のビューポイントで写真を撮りあう。やはり連れがあるのは楽しいものだ。
次の名所、大函・小函へは落石を理由に通行止めと聞いていたが、見ると全然危なくはなさそう。
「行こうか?」「行きましょう」と意見は一致して鉄柵の下をくぐり、小函の羽衣岩・姫岩まで歩いた。通行禁止だから当然誰もいず、ちょっとしたスリリングな気分は痛快。他の観光客の見れない部分を知っているという、ちょっとした優越感かな?
S子さんとは携帯メールのアドレスを交換し、まだ続く旅の間連絡しあうことにして、上川で別れた。


    
不動岩と「銀河・流星の滝」    小函・羽衣岩        ロープウェイの右奥に黒岳が見える

S子さんと別れて再び一人旅。網走からバスで、網走湖・能取湖そしてサロマ湖と湖が続き、道央とは異なったオホーツクの海が広がっている。このところ連日ハードスケジュール気味。サロマ湖ではゆっくり体調を整えて、斜里・羅臼岳に備えよう。
夕食は腕に自慢の明るいオーナーさん自身作・ホタテづくし。これだけの料理を他のレストランではとても¥1,050ーで食べられないよ。
夕方YHからぶらりと出たら、
キタキツネが恥ずかしそうに道路を横切った。
すぐ側の漁港の岸壁から見た夕日もすごくきれいだった。



2005年7月14日(木) 晴れ・暑し サロマ湖&ワッカ原生花園サイクリング (サロマ湖YH泊)

朝いち、YHの入口の木でヒガラ・コガラ・エナガ・シジュウカラ・メジロの混群を見た。
今日は一日サイクリングでのんびり回る予定。こんな日は少し曇りくらいがいいのに、意に反してカンカン照り。気温も30度を越す勢い。コースをオーナーに聞き、

YH9:00⇒キムアネップ岬⇒幌岩岳の展望台⇒YH12:00⇒ワッカ原生花園⇒YH17:00

の一日コースとした。
さすが北海道、地図を見て「次に交差する道路を右に折れる」なんていっても、次の道路が延々として来ず、ついに不安になって見落としたかな?なんて無駄に引き返してしまったりする。
幌岩岳へはハイキングを強いられた。ほとんどが車で行くので、歩きで行く人は週に一人位とか。道もクモの巣がかかり、クマが出ると脅かされていたので、冷や冷やしながら急ぎ、大汗をかいた。展望台に着き、湖を見渡し、しばらく木陰でオカリナを練習していたら、初老のカップルに出会った。頼んで下りは車に便乗し、再び自転車に戻った。
ちょうどお昼時なので、一度YHへ戻り、パン・おにぎりとコーヒーで昼食を済ませ、今度はワッカ原生花園へ向かった。
長いコースだった。炎天下の道路は焼けていた。時折、森の中で聞こえる鳥の声に走るのを中断して姿を求めた。
ノゴマ・コムクドリ・ノビタキ・ウグイスなどが見れ、湖ではアオサギがじっと動かないでいた。
やっと原生花園に着いたが、花の時期はすでに終わり、見渡す限りただの草原。とりあえずソフトクリームを食べ、コースの最端まで走って見た。両側にオホーツク海とサロマ湖を振り分けてひたすら走る。ペアーの男女や家族連れがワイワイいいながら走っている。少々疲れてきた私は無言。時折
ノゴマがなぐさめてくれる。「きれいな花を見たかったなぁ・・・。」

    
レンタサイクルでサロマ湖を走る    幌岩岳展望台         ワッカ原生花園からサロマ湖を臨む

炎天下を一日中走ったせいで、くたくたに疲れてYHに戻った。のんびりサイクリングのはずだったのに・・・。
夕食後、今日こそキムアネップ岬の夕日を見ようと思っていたのにその元気も失せて、バタン・キュウ。



2005年7月15日(金) 晴れ 網走市内観光 (清里イーハトーヴYH泊)

今日は斜里岳の麓・清里町への移動日。途中網走市内をシャトルバスで、

網走駅10:00⇒網走刑務所博物館⇒天都山流氷館⇒北方民族博物館⇒JR網走駅16:00
 

と観光した。荷物はチェーンキーで駅の待合室の椅子にくくりつけ、昨日に続く炎天下を回った。
そろそろ観光というものに飽きてきたのか、疲れの精か、時間とお金の無駄遣いの感強し。

    
網走刑務所博物館          シャトルバスで「流氷館」へ  展望台より網走湖&能取湖

清里イーハトーヴYHでは食事はカレー又はうな丼のみ。「温泉&夕食ツアー」に行くのも面倒なので、うな丼にした。客が少なそうで、座卓で一人で食べ、なんともわびしい。
今日斜里岳に登ったという同室の女の子から山の様子を尋ねたら、「完全な沢登りですよ。」「ほんとォ?」あまり危険なのは遠慮したいが、ま、それほどでは無いだろうと勝手に決め込んだ。それよりも、登山口までYHから送迎はなく、タクシー¥3,500−だったという。「うっそォ??」そんなバカな・・・。確かメールでの返事では「送迎あり」と書いてあったよ、と、こんなこともあろうかとYHとのやり取りのプリントを出して見せた。オーナーいわく、あっさり、「YHの車だと¥4,500です。タクシーの方が安いですよ」「・・・」メールでの送迎有りとは無料という意味ではないのか?なぜ有料と明記しないのか?憤懣爆発しそうだったが、負けそうで、グッと不満を腹に飲み込み、明朝のタクシーを予約した。

遅いめに着いたグループがあり、彼らも明日斜里岳に登るというので、車便乗を願い出た。考え込んでいたリーダーさん、「やっぱり断るわ。」 ああ、渡る世間は鬼ばかり・・・。


2005年7月16日(土) 晴れ&曇り 斜里岳登山 (清里イーハトーヴYH泊)

朝食を食べていたら、昨夜は見かけなかった若い男の子が登山予定と言うので、すかさず「車か?」と訊いたら、「そうだ」との返事。登山口まで便乗OK。「ヤッホー^0^」 すぐタクシーをキャンセルして彼と一緒に山へ。
清岳荘登山口8:30⇒下二股⇒上二股⇒馬の背⇒11:30頂上12:10⇒上二股⇒能見峠⇒下山15:40

若い彼はしきりに帰りの便のことを気遣ってくれたが、ペースが違うのは明白なので、登り口から「お先へどうぞ」。帰りはまたきっと誰かに便乗できる予感あり。
登りは旧道を行く。これが渡渉続きの面白い沢歩き。昨日予想した以上に本格的な沢の連続で、決して気を許せない。でも緊張はするが涼しくて快適でもある。私って結構こういうの好きなんだ・・・。
途中下山してくる男性がどこかで見た顔だと思ったら、向こうから「利尻で一緒だった人・・・!」。偶然の再会だった。「相変わらず速いですね」と短く言葉を交わし、お互いの無事を祈って別れた。
往きはコースタイム通りに登頂。頂上直下の馬の背が無風で虫もいず、晴れていたのに、頂上は虫が強風に舞い飛んで、しかもすごいガス。最悪ながらここで昼食にした。偶然隣に朝の彼が出発しようとしていたので、お礼に熱いコーヒーをご馳走した。相変わらず帰りの便を心配してくれたが、「大丈夫だから・・・」と下山を急がせた。彼は今日摩周湖へ移動の予定なのだ。
昼食の間に晴れるかと思ったがすっきりしない。昨日、一昨日と快晴だったのに今日に限って曇りなんて・・・。利尻岳を除いてどの山もいつも頂上でガスに見舞われている。「天気の神様、いけずしないでよォ。」
「晴れませんねぇ」と同年輩の男性が話しかけてきた。誰の思いも同じなんだ。結局一緒に下山しましょうという事になり、帰りは新道の安全コースを行くことになった。道々、ハイエースを改造して移動ハウスのようにして、全国を旅していると話してくれた。いろんな人がいるなぁ・・・と感心する。膝を痛めているということで遅い目のペースだが、途中で花の名前を教えたり、逆に「行者ニンニク」を見つけて食べさせてもらったり、私には楽しい下山だった。そして、ちゃっかりYHまで車で送ってもらったのだった。


    

斜里岳8合目            上二股(新・旧道分岐)      馬の背:風も無く虫もいない

    
斜里岳頂上            下山時振り向いて、斜里岳    清里町からの斜里岳

  
チシマキンレイカ          ミヤマエンレイソウ

YHに戻って、靴を洗ったり片付けていたら、また出かけるのが億劫になり、「温泉&夕食ツアー」をパス。今日はカレーを頼む。YHの内湯は一人ずつできれい。腹ペコで食べるカレーもまずまずの味。今日は4人の男女が食卓を共にした。その内の一人が偶然美馬牛YHで一緒だった。単純に、そんなことでも話がはずむのだ。聞くとこれからの行程が同じ。「やだねぇ〜」などとお互いに言いながら、「じゃ明日知床まで乗せてってよ」とあつかましく言う。でもいきなりはあつかまし過ぎるので、荷物だけ届けてもらうことにした。


2005年7月17日(日) 晴れ (知床岩尾別YH泊)

YH9:30⇒10:00知床斜里駅11:50⇒知床岩尾別12:50⇒岩尾別YH


朝起きると、左目の瞼が膨れ上がりお岩さん状態。昨日から鬱陶しかったのだが、どうやら斜里岳の頂上でブトに刺されたらしい。我ながらブス丸出し。「いやだなぁ・・・」
昨日、約束したKさんの車はミニCOOPER。左ハンドルのちっちゃい外車。とりあえず斜里駅まで同乗し、後は荷物だけ運んでもらう。実は前に層雲峡で出会ったS子さんから、斜里駅近くのスーパーを教えてもらってたので、買い物をしたかった。山での昼食のパンや果物など、もう何も手持ちがなかったのだ。ついでに今日の夕食がジンギスカンバイキングだというので、羊の肉は苦手だから、お弁当を買い込んだ。
バスで知床岩尾別YHに着くとすでにKさんがいて、荷物を運んでくれた。そして、知床でもう1泊伸ばさないかと提案してきた。安くていい民宿を知っているそうだ。急な話で慌てたが、ちょうど世界自然遺産に登録された話題の場所でもあり、何より明日の天気次第では羅臼岳に登れないかもしれなかった。後の摩周湖を1泊減らしても知床でもう1泊予備に取っておくのはベターかもしれない。同じこのYHでもう1泊できればベストなのだが、19日は修学旅行生の貸切で一般客は宿泊不可。とっさに考えめぐらせて、彼のいう民宿を一緒に頼んでもらうことにした。
夕食近くになると、なにやら物々しい感じ。テレビの取材が来てるらしい。ジンギスカンバイキングを申し込まなかったのは私だけらしく、食堂に割り込む場所がなかった。立ち込める煙と、焼肉のにおいが充満し、賑やかな話し声が溢れていた。多分テレビの取材真っ只中だろう。それらを聞きつつ、私は一人外のテーブルでお弁当を食べた。「羊の肉でもよかったのになぁ・・・」と後悔しきり。

    
YHの前の川原、羅臼岳を望む  テレビの取材班と夕日ツアー   夕日の後のオホーツク海

夕食後、あわただしく夕日ツアーに出かけた。もちろんこれには私も参加した。すでに夕日は沈んだ後だったが、ほんのり薄明かりが残り、幻想的な風景だった。帰り道、暗闇の中でエゾシカが数匹シルエットで動めいていた。


2005年7月18日(月) 晴れ・雷雨のち晴れ 羅臼湖散策 (知床岩尾別YH泊)

YH9:00⇒知床峠⇒一の沼〜五の沼⇒羅臼湖⇒レストランでラーメン⇒YH13:00

昨夜夕日ツアーの時、オーナーさんが「明日は雨になるね」と言ったので、私は迷いつつ、宿も1泊余分に取ったのだからと、山は明後日に変更した。が、今朝起きると結構いい天気。同室の2人は早々に山へ出かけてしまった。「しまったかな?」と思ったが後のまつり。
今日はKさんとX氏と同室のもう一人の女の子の4人で羅臼湖へ行くことになった。
YHの人の勧めで、女二人は長靴を借りて履いた。男共は各自の車、私は女の子の車に乗せてもらい、知床峠から羅臼湖へ。「昨日のオーナーの天気予報は当たらなかったね」などと言いながら一の沼から五の沼へハイキング。道は悪く、長靴で正解。3人ともすごいペースが速いので、鳥を見る暇など全くない。やっと一番奥の羅臼湖に着き、全員写真を撮ったり、向こう岸に「ヤッホー」と叫んだり、皆童心に返ってはしゃいでいた。そろそろ帰ろうかと言いつつ、「曇ってきたねぇ」と思う間も無く、大粒の雨、そして雷と稲妻・・・。
ほうほうの体で車に戻り、着替えたが、寒くてたまらない。羅臼湖の後は温泉めぐりを予定していたがこの大雨では露天風呂に入りたくないよ、と町で食事をし、YHにもどった。女の子は今日飛行機で帰る予定で、直ぐに別れた。


    
羅臼湖・雪渓が残る二の沼    三の沼                 四の沼

    
  五の沼            羅臼湖・直後強烈な雷雨となる  知床峠から見た羅臼岳

YHの部屋で「山へ行かなくて良かった」と思いながら、急に空いた時間をもてあましていた。濡れた物を乾かし、荷物の整理をしていたら、今朝山へ行った二人が帰ってきた。すごい雷雨で大変だった、と。結局羅臼平までで引き返したそうだ。しかし外はまた晴れてきている。しばらくして、知床五湖でも行こうか、と二人はまた出て行った。急だったので「私も一緒に行きたい」という暇がなかった。一人取り残されて、昼からの時間を無為に過ごしている自分に急に落ち込んだ。お天気も回復したというのに・・・。「明日のために身体を休めておこうっと・・・。」納得しない言い訳だった。

余談だが、左目の瞼の腫れもほぼ引いたようだ。以前ブトに刺されて1週間かかったことがあるが、今回は大したことなく、良かった。


2005年7月19日(火) 曇りのち晴れ 羅臼岳登山・頂上は強風と寒冷 (ウトロ民宿みどり荘泊)

今朝起きると曇り。しかし今日は何が何でも羅臼岳に登るぞゥ。もう後に日が無いのだ。

いよいよ今回の旅行でもっとも注目の羅臼岳だ。昨日まで一緒に登ろうかな?なんて言っていたKさんもX氏もさっさと「やーめた」と降りてしまった。結局今回も単独行。

YHからの登山口への送りは7:45だが、ひょっとしてもっと早く出かける登山者に便乗できないかと、6時にスタンバイして、外でコーヒーでも飲もうかと思ってたら、オーナーさんの車が入ってきた。ダメもとで「登山口まで送ってくれませんか?」と頼んだら「いいですよ」とOK。「天気も昼から良くなるでしょう」と明るい見通し。昨日の天気もバッチリ当たっていたので、今日の天気は大いに期待できそう。

YH6:30⇒登山口6:40⇒弥三吉水⇒銀冷水⇒大沢⇒羅臼平⇒11:00頂上12:00⇒15:35下山⇒バス15:50⇒ウトロ温泉⇒民宿みどり荘17:00


予定より1時間以上早く登山口に着き、これで頂上までいけること請け合い。登山届に記入し、身支度を整えていざ、出発。
丁度、登山口に神棚が奉ってあった。私は無事に登頂し、下山できますようにと手を合わせた。
単独行はやはりクマが恐い。小さな鈴を手で振って精一杯大きく鳴らしながら、時折後ろを振り返って注意を払う。ヒグマの棲息地だからこそ世界遺産になれたので、ということはそこらにクマがいる率が一番高いところなのだ。それらしい立て札もいっぱい。「ここから頻繁に出没するエリア」などと書いてある。それでも途中でクマゲラの大きな巣を見つけてしばらく探して待ったりもした。
途中、オホーツク展望所辺りで青空が見え出した。オーナーの言ったとおり天気は良くなりそう。
ようやく、弥三吉水のポイントで30名の団体に追いつき、さらに銀冷水のポイントでまた別の団体を追い越した。大沢の雪渓に出ると急に寒くなり、風が強くなった。下界では信じられない寒さに、完全武装を整える。
直ぐに羅臼平に到着。台風並みの風速でガスが吹き荒れて、視界が利かない。晴れていたら最高の場所なのに・・・。
とにかく私は頂上へ前進。下山してくるパーテイが「一人ですか?」と怪訝そうに聞く。「そうで〜す!」とわざと明るく応える。しかし頂上に近づくほどに岩が険しくなり、荒れ狂う風に振り落とされそうになる。岩の矢印をしっかり確認しながらやっと登頂。誰もいない・・・。「羅臼岳」の標識だけが岩にポツリとくっついて、吹き飛ばさんばかりに強風が激しくぶつかっている。証拠写真も撮れない・・・。
大勢の団体がこれから来るはずだし、少し待ってみようか・・・。風をよけて岩陰に入ると結構居心地がいい。熱いコーヒーを入れ、おにぎりとパン・チーズを食べた。・・・誰も上がって来ない・・・。オカリナを出して、いつもの練習曲を順番に吹いて見た。無人の羅臼岳の頂上で吹くオカリナは、風に鳴く鳥のように、思い切り吹いても吹き荒れる風にかき消されていく・・・。
次に登頂のメールを友達に送ってみる。おぉ、通じてるみたい。
かれこれ小1時間して、やっと団体さんが上がってきた。大声で注意し合いながら先ずリーダーさんが一番手! 私に気がついて、「一人?」「はい!」写真を撮ってもらうために待ってましたと正直に言うと、直ぐにパチリ。あまり広くない頂上だから、私はさっさと下山にかかった。
最後まで完全に一人旅となった羅臼岳、最後に、登山口の神棚に無事下山の報告をし、お礼の手を合わせた。


     
登山開始後1:30弥三吉水・水場 登山中眼下に広がるオホーツク海 長い雪渓・大沢、この後寒くなる

  
羅臼平・強風と濃霧          孤高の羅臼岳頂上


2005年7月20日(水) 曇りのち晴れ 知床散策 (摩周湖YH泊)

昨夜の民宿はKさんと別の宿だった。同じ宿が取れなかったらしい。ウトロ温泉の湯元宿だったらしいが、残念ながら熱くてゆっくりは入れなかった。
今朝、Kさんが迎えに来てくれたらしいが、一足先に出発して入れ違い。悔し〜い、摩周湖YHまで、楽チンで楽しめたはずなのに。


民宿⇒ウトロ温泉バスターミナル8:50⇒自然センター・フレべの滝⇒知床五湖⇒知床大橋⇒カムイワッカ⇒自然センター13:40⇒14:50知床斜里駅15:17⇒摩周16:44⇒摩周湖YH17:00

今日は知床の観光。シャトルバスの往復チケットを買い、先ず自然センターへ。フレべの滝へウオーキング。別名「乙女の涙」は興味をそそる。滝の展望台辺りで鳥がチラチラ。ノビタキだ。広々した草原でいい感じ。
次の有名な知床五湖ではがっかり。第1湖と第2湖だけしか入れない。それに観光客が多すぎた。最も期待したバードウオッチングポイントなのに収穫ゼロ。
知床大橋はバスで入れる限界線。もちろん一般車両は知床五湖から先には入れない。世界遺産の規制がますます厳しくなりそうだ。羅臼岳にしても、これからは簡単に登れなくなるかもしれない。
人気スポットのカムイワッカは予想以上に良かった。優しいなめ滝を小1時間上り詰めると滝つぼが露天風呂になっている。下から川の水が全部温泉で、そこらに投げ捨ててあるわらじを拝借して登ると案外滑らない。家族連れで楽しむ姿が多かった。


    
  
自然センターの裏でエゾシカ  フレべの滝(乙女の涙)       知床五湖の第一湖         

    
知床5湖の第二湖       シャトルバス終点・知床大橋  カムイワッカ・流れる温泉滝登り

一通り標準のコースを楽しんで、後は一路摩周湖へ。YHに着くと、KさんとX氏のの車が止まっていた。
夕食は隣のレストランへ。久しぶりにステーキを食べる。そう言えばこのところ肉に飢えていた気がするなぁ。K・Xさんと、同室の女の子を誘っての食事は話が弾み、YHに戻ってコーヒータイムでまた盛り上がった。女の子はバイクでの一人旅。若くてしっかりした女性ライダーが多いのに驚きだ。



2005年7月21日(木) 曇りのち晴れ 摩周湖周辺ドライブ・温泉巡り (摩周湖YH泊)

今日こそKさんの車に便乗、一日温泉めぐりに同行させてもらおう。
息子くらいに若く見えたが、聞くと40代。自分のことは棚に上げて、「好き放題してると若く見えるんだぁ。」
先ずは摩周湖第1・第2展望台へ。どちらもガスっていまいち。でも昨日よりはるかに良いそうな。
次に硫黄山。目前の独特の匂いと噴煙。温泉卵売りがしつこく「おねえちゃん買って!」 1個¥100−。
足湯には私も浸かってみた。程よい温度でグー。丁度前に郵便局があったので、資金を引き出した。¥50,000−。
ドライブしながら屈斜路湖へ。キャンプ場や和琴半島の露天風呂など、Kさんはちゃんと全国の温泉を網羅した雑誌を見て、回っているようだ。彼が入っている間、私はオカリナを吹いたり、アイヌ資料館へ入ったりして楽しんだ。お腹が空いて食べた揚げたてのジャガイモ団子の美味しかったこと・・・。息子と水入らずの時を過ごしているような無邪気な気分だった。しかし彼はどう思っているのだろう?周囲の目は案外年上女とのペアーと見てたかもしれない。
さて、本日のラストは養老牛温泉と330度展望の開陽台だ。中標津町のホテル大一の中の温泉だが¥600−で最高の湯にくつろげる。種類が多く、それぞれの湯が趣深く、何時間いても飽きそうに無い。普段「カラスの行水」派の私だが、1時間半で上がるのがもったいなかった。
そして開陽台。わずかに背後の山が邪魔をして見えないが、のこり330度を一望できる。はるか遠く、地平線がわずかに弧を描いているのがはっきりわかる。また、望遠鏡でオホーツク海の向こうに国後島を見たときは感動した。
路線バスも通らない所だから、Kさんと一緒でなければ体験できないわけで、今回の旅一番のラッキーチャンス。


    
先ずは霧にかすむ摩周湖へ   硫黄山、温泉卵1ケ100円也   この足湯には私も浸かって見た

    
屈斜路湖の側・無料露天風呂   開陽台・330度展望台    地球の丸さを実感できる地平線

夕食は新しい同室の女の子2人とK・Xさんの男女5人でまた賑やかに過ごした。食後、コーヒータイムで昨日以上に盛り上がり、コーヒーを2杯も飲んでしまった。Kさんは夜中の1時まで女の子と喋っていたそうな。


2005年7月22日(金) 晴れ KさんとドライブU (野中温泉YH泊)

今日も、私とKさんは同じ行程の野中温泉へ一緒にドライブ。阿寒湖のペンケトウ・パンケトウの展望台を廻り、早々に阿寒湖へ着き、昼過ぎに野中温泉YHに到着。
昼から、車で10分の近くのオンネトー湖へ散策に出た。Kさんはその先の「湯の滝」露天風呂に行きたかったらしいが、水が涸れて無いというので断念。オンネトー湖といえば、もう少し鳥がいるかと期待したが、何も見れなかった。

それよりもYHの温泉がすごい!透明で豊富な湯量がドウドウと流れっぱなし。何も無い宿・・・、トイレも水洗でないし、施設もきれいではないが、本当の温泉とはこういうものだと知らしめてくれる魅力がある。この温泉にはもう一度来てみたい。今回の旅で温泉にこだわらない私も、少し温泉の良さを感じ出してきたかもしれない。

    
阿寒湖畔               アイヌコタン民族村         雌阿寒岳の麓・オンネトー湖

2005年7月23日(土) 濃霧のち晴れ 雌阿寒岳登山 (阿寒湖畔民宿山口泊)

YH⇒登山口5:50⇒8:00雌阿寒岳頂上8:30⇒9:00阿寒富士頂上9:20⇒オンネトーキャンプ場11:40
⇒YH12:30⇒民宿・山口14:00


昨夜山へ登る相棒が見つかり、一緒に宿を出た。登山口で登山者名簿に記入し、出発。一時空が晴れて、良くなりそうに思ったが、結局回復しないままに終わった。途中休憩しているときに追いついて来たグループの人に同じ豊中の、しかも直ぐ近所の人がいて、懐かしさがどっと込み上げてきた。毎日めまぐるしく新しい出会いを続ける中、ふと我に返ったような感じだった。どうやら登山者名簿で分かったらしい。彼らとは旅行が終わったあとぜひ一度近場の山にでも一緒したいものだ。
同行の人が今日中に釧路湿原塘路YHへ移動する関係で、道を急ぎ、昼前にはオンネトー湖へ下山。単に登っただけの雌阿寒岳・阿寒富士になってしまった。
早々に阿寒湖半の民宿に入った私は、その後晴れてきたので、宿にいるのがもったいなく、散歩に出た。ボッケと言う硫黄泉のブツブツと湧き出る現場は不気味で良かった。エコミュージアムの展示なども興味深く、楽しめた。


    
最後の登山も天気には恵まれず 雌阿寒岳頂上にて(濃霧)    阿寒富士の頂上でも濃霧

    
下山直後晴れだした・阿寒富士  阿寒湖の生きた源泉・ボッケ 夕方になって晴れてきた雌阿寒岳

  
チシマギキョウ・メアカンフスマ    コマクサ

2005年7月24日(日) 晴れ 鶴公園でバードウオッチの後釧路空港へ 帰阪

民宿⇒阿寒湖半バスターミナル10:00⇒11:00鶴公園13:00⇒13:05釧路空港14:45⇒伊丹空港16:40


朝からいい天気。 昨日と反対だったら良かったのに・・・。雄阿寒岳に朝早く登れば良かった・・・かな?
などとちょっぴり後悔しても始まらない。ま、釧路空港の手前の鶴公園で、まだ見ていない丹頂鶴でも見て帰ろうか・・・。 ところが、この鶴公園が私には打ってつけの有終の美を飾ってくれた。
もちろん丹頂鶴やその雛は十分見る価値があった。でもそれよりも、しばらく、ろくにバードウオッチングが出来ずにいたが、ここでいっぱいの鳥を観察できた。「2時間も退屈ですよ」と宿の人に言われたが、むしろ2時間では短すぎたくらいだ。


【本日見た鳥】タンチョウツル(親子) トビ・ベニマシコ・ノビタキ・カワラヒワ・アオサギ・マヒワ?
         
ベンチに座ってオカリナを吹いていたら、テリトリーへの侵入者と間違えてタシギがヒョコ
         ヒョコ出て来たときは驚いた。

    
朝食前の散歩で、雄阿寒岳  鶴公園でバードウオッチ・丹頂鶴の雛


【最 後 に】

私にとっては初めての北海道・・・。夢中で過ごしてきた23日間だった。一応山をメインにしたものの、もともとは北海道を観光するための一手段でもあった。そういう意味で、どちらつかずの不完全さは否めないが、当初の予定の「山・観光・バードウオッチング」のいずれもいい線で達成できたとも言える。
多くの人との出会いがあり、このホームページの更新を機に皆さんと積極的にコンタクトを取りたいと思う。
今回、自分よりすごい人がいっぱいいることを改めて認識した。これからは健康に注意しつつも、自分を甘やかさずに、最大限のチャレンジを目指そうと、心に誓っている。



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北 海 道 一 人 旅
(2005年7月2日〜7月24日)

 ◆一人旅シリーズ・PartU◆