スズ(錫) tin Sn d=7.27 mp=231.97ºC bp=2270ºC
主要鉱物はスズ石SnO₂。13.2℃以下で安定なαスズ(灰色)とそれ以上の温度で安定なβスズ(白色の金属)とがあり、−30℃以下でβスズは腫れ物状に膨張してくずれやすくなる(tin pest)。βスズは展性に富み，100℃付近でいちじるしくやわらかくなるが、200℃ではもろくなる。空気中では酸化されず、酸に可溶。濃硝酸に対しては不溶性のメタスズ酸を与える。水酸化アルカリ水溶液には溶けて亜スズ酸イオンSnO₂^2-を生成する。スズめっき鋼板(ブリキ)、スズ箔などのほか合金(はんだ，砲金，軸受合金，活字合金など)の材料に用いる。

塩化スズ(II) tin chloride SnCl2 d= mp=ºC bp=ºC
二水和物は、多量の水に溶かせば加水分解して水酸化物塩を沈殿するが、少量の塩酸が存在するとこの反応はおこらない。アセトン，酢酸エチルなどに可溶。強い還元剤で、またニトロ化合物をアミンとする。