窒素 7N=14.01

窒素(ガス) N2 mp=-209.9ºC bp=-195.8ºC
空気中に約78%含まれ、亜硝酸アンモニウムの熱分解などで得ることができるが、工業的には液体空気の分留によって製造される。室温では不活性なことを利用して酸化防止、爆発防止、食品貯蔵などに使われるが、高温では多くの元素と反応する。液体窒素は、無色でさらさらしていて、冷媒として食品の急速凍結や貯蔵などに用いられる。


二酸化窒素 NO2 mp= ºC bp= ºC
窒素の酸化物は、このNO2の他にN2O,NO,N2O3,N2O4,N2O5,NO3,N2O6が知られている。
赤褐色のNO2は、無色のN2O4と平衡にあり、温度が高くなるとNO2の割合が多くなるので、色が濃くなる。また水に溶けて硝酸になる。二酸化窒素は刺激臭があるばかりでなく、猛毒でもある。


硝酸 nitric acid HNO3 mp=-42ºC bp=83ºC
純粋な硝酸は、無色の液体で湿気を含む空気中で発煙するが、市販されているものは、約68%の共沸混合物である。この水溶液は強い1価の酸であり、かつ強い酸化剤で、Rh,Ir,Pt,Au以外の金属を溶かすことができる。また、Al,Cr,Fe,Mo,Wは濃硝酸で不動態となる。工業的には、オストワルト法で作られる、酸化力の強い強酸である。(電離度93% at 0.1mol/L)


NaNO2 亜硝酸ナトリウム sodium nitrite NaNO2d=2.17g/cm3 mp= 271ºC bp= ºC
無色の斜方晶系結晶でNO2のイオン構造は折れ線形である。 吸湿性があり、染料、有機合成原料(ジアゾ化)などに用いられる。 水溶液に酸を加えると二酸化窒素を発生する。


アンモニア NH3 mp=-77.7ºC bp=-33.4ºC
常温では気体なので、水に溶かして30%程度のアンモニア水として使用することが多い。工業的には、ハーバー・ボッシュ法で製造されるが、アンモニウム塩に強塩基を加えても発生する。液体アンモニアは、蒸発熱が23.4kJ/molと大きいので冷媒として使われ、また、金属ナトリウムを溶かすと青色になる。


NH4Cl 塩化アンモニウム ammonium chloride NH4Cl d=1.53g/cm3 mp= ºC bp= ºC
無色の立方晶系結晶。昇華するとアンモニアと塩化水素とに解離する。予想に反して水溶液はほとんど中性であるが、煮沸すればアンモニアが逃げて塩化水素が残り酸性となる。飽和溶液を作り温度を下げると、雪が降るように結晶が生成する。


(NH4)2SO4 硫酸アンモニウム ammonium sulfate (NH4)2SO4 d=1.76g/cm3 mp= ºC bp= ºC
無色の斜方晶系結晶で、アンモニアと硫酸の反応で大量につくられる。280℃以上になると分解しはじめる。 水溶液は弱酸性で、加熱するとアンモニアを失い酸性が強くなる。 窒素肥料としてや、タンパク質の塩析に用いられる。


NH4NO3 硝酸アンモニウム ammonium nitrate NH4NO3 d=1.73g/cm3 mp=169.5ºC bp= ºC
室温では無色の斜方晶系結晶。約210℃で分解しN2Oと水を生ずる。吸湿性で溶解度は214g/100g水(25℃)。肥料や爆薬に用いる。


(NH4)2CO3 炭酸アンモニウム NH4CO3 mp= ºC bp= ºC
[ammonium carbonate] 無水物は得られていない.一水和物(NH4)2CO3・H2Oは無色の斜方晶系結晶.空気中に放置すると,徐々に炭酸水素アンモニウムとカルバミン酸(ammonium hydrogen-carbonate)になる。弱酸と弱塩基の塩は、完全に中和せず加水分解しているので、この炭酸アンモニウムの場合には、アンモニア臭がする。


CH3COONH4 酢酸アンモニウム ammonium acetate CH3COONH4 mp=114ºC bp= ºC
無色の結晶。潮解性で、エタノールに溶け、アセトンにわずかに溶ける。水溶液は緩衝作用がいちじるしく、化学分析に多用される。


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