モリブデン酸鉛 PbMoO4 mp=ºC bp=ºC
実は、酸化鉛(II)PbOと酸化モリブデン(VI)MoO3とからなる複酸化物。屈折率は2.3と大きく,超音波を結晶中に加えたときの屈折率変化も大きい。これを利用して超音波偏向素子として用いられる。鉱石としてはモリブデン鉛鉱(wulfenite)として、産出する。
モリブデン酸アンモニウム (NH4)6[Mo7O24]・4H2O
パラモリブデン酸塩[paramolybdate]M6[Mo7O24]・xH2Oの一種でモリブデン(IV)のイソポリ酸塩にあたる。8面体が辺共有で縮合した構造のMo7O246-イオンを含んでいるので,正しくは七モリブデン酸塩(heptamolybdate)である。アンモニウム塩の(NH4)6[Mo7O24]・4H2Oが最もふつうであり、リン酸イオンの検出、分離、定量反応であるモリブドリン酸反応の試薬として、モリブデン酸アンモニウムの名で市販されている。
硫化モリブデン(IV) MoS2
二硫化モリブデンともいう。天然に輝水鉛鉱(molybdenite)として産する。層状構造をもち,Moは6配位で,S2-は3角柱を形成する。モース硬度は1〜1.5.密度は4.8g/cm3。半導体で反磁性。層状にはがれやすく軟かい。摩擦係数が800℃以下でμ≒0.2と小さいので、固体または石油などの懸濁液として潤滑剤に用いる。