モリブデン 42Mo=95.94

モリブデン Mo d=10.22 mp=2620 bp=4660
モリブデンはクロムと同じ6族の元素なので、クロム酸イオンと同様にモリブデン酸イオン(molybdate ion)はMoO42-で正4面体形。 酸化数は-2から+6まで0を含めて9種の化合物があり、最高酸化数が+6になるのはわかるが、金属にも関わらず負の酸化数をとるのは不思議だ。-2としては[Mo-II(CO)5]2-などがある。 モリブデンは鋼に加えると強度が増す(特に高温で)ので、刃物に使われるなど、生産の大部分は特殊鋼製造用となる。また、融点が高いことを利用して純金属、高モリブデン合金として耐熱材料、線またはリボンの形で電球,電子管の金属材料に用いられる。X線管の陽極にモリブデンが使われることがあるのも融点が高いためである。 鉱物としては輝水鉛鉱(molybdenite)MoS2がある。

モリブデン酸鉛 PbMoO4 mp=ºC bp=ºC
実は、酸化鉛(II)PbOと酸化モリブデン(VI)MoO3とからなる複酸化物。屈折率は2.3と大きく,超音波を結晶中に加えたときの屈折率変化も大きい。これを利用して超音波偏向素子として用いられる。鉱石としては
モリブデン鉛鉱(wulfenite)として、産出する。


Al モリブデン酸アンモニウム (NH4)6[Mo7O24]・4H2O
パラモリブデン酸塩[paramolybdate]M6[Mo7O24]・xH2Oの一種でモリブデン(IV)のイソポリ酸塩にあたる。8面体が辺共有で縮合した構造のMo7O246-イオンを含んでいるので,正しくは七モリブデン酸塩(heptamolybdate)である。アンモニウム塩の(NH4)6[Mo7O24]・4H2Oが最もふつうであり、リン酸イオンの検出、分離、定量反応であるモリブドリン酸反応の試薬として、モリブデン酸アンモニウムの名で市販されている。


硫化モリブデン(IV) MoS2
二硫化モリブデンともいう。天然に
輝水鉛鉱(molybdenite)として産する。層状構造をもち,Moは6配位で,S2-は3角柱を形成する。モース硬度は1〜1.5.密度は4.8g/cm3。半導体で反磁性。層状にはがれやすく軟かい。摩擦係数が800℃以下でμ≒0.2と小さいので、固体または石油などの懸濁液として潤滑剤に用いる。

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