マンガン manganese 25Mn=54.94

Mn マンガン Mn d=7.44 mp=1240 bp=1960
鉱石を還元焙焼し,マンガンを酸可溶性に変えて硫酸で浸出する.溶液中の不純物を除き,電解によってマンガンを得る.純度は99.97%.銀白色の金属で,鉄よりも硬くてもろい.空気中では表面が酸化される.鋼,アルミニウムなどの添加元素,マンガニン,モネルなどの合金成分として使用する.


MnO2 酸化マンガン(IV) manganese oxide MnO2 d=5.03g/cm3
二酸化マンガン(manganese dioxide)ともいう。主要鉱物は軟マンガン鉱(pyrolusite)で、ルチル構造に属し、不定比性がある。塩酸に溶解する。0℃で10Ωcm以下の比抵抗をもつ。 電池の減極剤、酸素を発生させる触媒などに用いる。


KMnO4 過マンガン酸カリウム potassium permanganate KMnO4
濃赤紫色の柱状斜方晶系結晶。黒っぽい粉であるが、水に溶かすと電荷移動錯体をつくるので大変濃い赤紫色になる。 メタノール、アセトンにも可溶。約200℃で酸素を放ち分解する。強い酸化力があり有機化学でもオレフィンの酸化などに用いられる。濃硫酸と混ぜると爆発する。


Mn(NO3)2 硝酸マンガン manganese nitrate Mn(NO3)2•7H2O d=1.82 mp=129.4
六水和物は[Mn(H2O)6](NO3)2で、淡紅色の単斜晶系結晶。水に溶けやすい。


MnSO4 硫酸マンガン manganese sulfate MnSO4•7H2O d=3.23 mp=700
無水塩は淡赤色の斜方晶系結晶。水に易溶でエタノールにも溶ける。 塗料、金属表面処理剤などとして用いられる。


MnSO4 塩化マンガン manganese chloride MnSO4•4H2O mp=650 bp=1190
無水塩はばら赤色葉状の六方晶系結晶で気体分子は直線形の単量体。 二水和物は赤色の単斜晶系柱状結晶でtrans‐[MnCl4(H2O)2]単位が赤道面のClを両隣りの単位と共有する形で無限鎖を形成する。 四水和物は不安定なα型と安定なβ型とがあり、α型はtrans‐[MnCl2(H2O)4],β型はcis‐[MnCl2(H2O)4]。市販はβ型。


炭酸マンガン MnCO3
鉱石としては、
菱マンガン鉱として産出する。マンガン(II)イオンを含む水溶液に炭酸イオンを加えるとき沈殿するのは水酸化物塩で、炭酸マンガンではない。


MnS 硫化マンガン manganese sulfide MnS
α,β,γの3型があり、α型は緑色の立方晶系結晶で反強磁性体。天然に閃マンガン鉱として産する。β型は赤色の立方晶系結晶で閃亜鉛鉱構造をとる。γ型は赤色の六方晶系結晶でウルツ鉱構造をとる。どれも水に不溶で、酸にあうと硫化水素を発生して溶ける。

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