銅 copper 29Cu=63.55

Cu 銅 copper Cu d=8.96 mp=1083ºC bp=2570ºC
主要鉱物は黄銅鉱CuFeS2,輝銅鉱Cu2S,赤銅鉱Cu2Oなどがあるが、イオン化傾向が小さい金属なので自然銅として産出することもある。 赤色の金属で、延性・展性に富むので加工性がよく、乾燥した空気中では安定していてさびにくい。また、電気伝導性が良いので電線などとして、そのほかに青銅や黄銅など合金としても用いられる。 強熱すると1000℃以下では酸化銅(II)CuO,それ以上では酸化銅(I)Cu2Oを生成する。二酸化炭素、二酸化硫黄などを含む湿った空気中では、緑青を生じる。 塩酸には不溶であるが、酸素が共存すると徐々に溶けCu2+となる。 硝酸、熱濃硫酸など酸化力のある酸には侵される.


CuCl

塩化銅(I) copper chloride CuCl d=g/cm3 d=4.14 mp=430 bp=1490
無色の立方晶系結晶。反磁性、水にはほとんど溶けない。 濃塩酸またはアンモニア水には、錯イオン[CuCl2]-または[Cu(NH3)2]+をつくって溶けて無色の溶液となる。


CuCl2

塩化銅(II) copper chloride CuCl2•2H2O d=2.39g/cm3
塩化銅(II).CuCl2の無水塩は褐黄色吸湿性の単斜晶系結晶だが、二水和物は緑色の斜方晶系結晶で非電解質分子[CuCl2(H2O)2]が存在し、構造は平面トランス形になっている。水溶液は濃ければ褐色、薄めるとしだいに水和して緑・青色となる。


Cu(NO3)2 硝酸銅 copper nitrate Cu(NO3)2 d=2.05
2.5,三,六,九水和物がある。26.4℃以下では六水和物が安定だが、それ以上では三水和物が安定になる。いずれも青色の潮解性結晶だが、塩化銅や硫酸銅に比べると、さらに青い。水に易溶で溶解度は156g/100g水(30℃,無水塩として)もある。170℃で硝酸を失って分解する。


CuSO4 硫酸銅 copper sulfate CuSO4•5H2O d=2.286
無水塩は白色粉末でエタノールなどの有機溶媒の脱水に用いる。五水和物CuSO4・5H2Oは、天然にはカルカンサイト(胆礬)として産出する青色の三斜晶系結晶で、水溶液は加水分解のため酸性を示す。102℃で三水和物に、113℃で一水和物になり、150℃で最後の結晶水1分子が失われはじめて無水塩になる。


green_rust 塩基性炭酸銅 basic copper carbonate CuCO3•Cu(OH)2 d=4.0g/cm3
複塩CuCO3・Na2CO3・3H2O(青色)および同様のカリウム複塩が知られているが、CuCO3は知られていない。単に炭酸銅というときは,各種組成の水酸化物塩を意味し、塩基性炭酸銅と総称される。天然に藍銅鉱2CuCO3・Cu(OH)2,孔雀石CuCO3・Cu(OH)2として産し、岩絵具として顔料に用いる。銅を空気中に放置したときに空気中の水分と二酸化炭素の作用で生ずる緑色の錆は、緑青(green rust)といい、その組成は孔雀石と同じである。


CuS 硫化銅(II) CuS
天然にはコベリン(銅藍,六方晶系)として産する。銅(II)塩水溶液に硫化水素を通ずると無定形黒褐色の沈殿として生じるが、封管中で硫化水素アンモニウムと150〜200℃に熱するとコベリンと同一のCuI2CuII(S2)Sからできた結晶となる。希酸に溶けず硝酸に溶ける。


Cu2O 酸化銅(I) copper oxide Cu2O d=6.14 mp=1230
亜酸化銅(cuprous oxide)ともいい赤銅鉱として天然に産出する。ごくわずかな不定比性がある。P型半導体でエネルギーギャップは約2eV。光電効果の特性を示す。整流器や光電池として用いられた。赤色着色材として塗料になる。


CuO 酸化銅(II) CuO
黒色の単斜晶系結晶。黒銅鉱として産出する。反強磁性(ネール温度230K)で誘電体である。


水酸化銅(II) Cu(OH)2
銅(II)塩溶液にアルカリを作用させて生じる青色沈殿は、一般に水の含量不明の酸化銅(II)水和物のゲルで,液とともに熱すると黒色の酸化銅(II)となる。酸化物のアンモニア溶液を濃硫酸入り乾燥器の中に置くと,青色の斜方晶系結晶としてCu(OH)2が得られる.やや両性で、酸に溶かすと水和Cu2+を生じて青色溶液に、アルカリに溶かすと一部が銅酸H2CuO2として銅酸塩を作って紫色溶液となる。


テトラアンミン銅(II)イオン [Cu(NH3)4]2+
溶液は深青色である。アルコール中で結晶させると
針状結晶となる。


テトラクロロ銅(II)イオン [CuCl4]2+


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