クロム Cr d=7.195.21g/cm3 mp=1860?ºC bp=2670?ºC
主要鉱物はクロム鉄鉱FeCr2O4
金属は、酸化クロムCr2O3をアルミニウムなどで還元するか、クロム酸塩の水溶液の電解などで得ることができる。
銀白色で常温では安定で空気ゃ水に作用されない。600〜900℃に熱すると酸化被膜を生じる。塩酸、希硫酸に可溶。濃硝酸、王水に対しては不動態となる。クロムは各種合金(ステンレス鋼,耐熱合金など)製造のほか,クロムメッキとしても広く用いられる。
酸化クロム(III) chromium oxide Cr2O3 d=5.21 mp=2300?ºC
暗緑色の三方晶系結晶で典型的な酸化数+3のクロムの色。
コランダム構造で半導体である。熱的には極めて安定だが高温では揮発性がある。
酸、アルカリには溶けない。
顔料(クロムグリーン(chrome green))として用いられる。
二クロム酸アンモニウム (NH4)2Cr2O7 d=2.15g/cm3
橙赤色の結晶。次式のように熱分解によって純粋な酸化クロム(V)が得られる。
(NH4)2Cr2O7→Cr2O3+N2+4H2O
この反応は、火山の噴火のようになるので演示実験で使われる。エタノールに可溶。
二クロム酸カリウム potassium dichromate K2Cr2O7 d=2.68 mp=396
橙赤色の三斜晶系結晶であるが、236℃で単斜晶系に転移する。
水溶液をアルカリ性にすれば、黄色のクロム酸カリウム溶液が得られる。
酸性では、強力な酸化剤である。
クロムなめし、媒染剤、顔料や染料の製造に使われる。水溶性塩は毒性を示す。