クロム chromium 24Cr=52.00

Cr クロム Cr d=7.195.21g/cm3 mp=1860?ºC bp=2670?ºC
主要鉱物はクロム鉄鉱FeCr2O4 金属は、酸化クロムCr2O3をアルミニウムなどで還元するか、クロム酸塩の水溶液の電解などで得ることができる。 銀白色で常温では安定で空気ゃ水に作用されない。600〜900℃に熱すると酸化被膜を生じる。塩酸、希硫酸に可溶。濃硝酸、王水に対しては不動態となる。クロムは各種合金(ステンレス鋼,耐熱合金など)製造のほか,クロムメッキとしても広く用いられる。


Cr2O3 酸化クロム(III) chromium oxide  Cr2O3 d=5.21 mp=2300?ºC
暗緑色の三方晶系結晶で典型的な酸化数+3のクロムの色。 コランダム構造で半導体である。熱的には極めて安定だが高温では揮発性がある。 酸、アルカリには溶けない。 顔料(クロムグリーン(chrome green))として用いられる。


(NH4)2Cr2O7 二クロム酸アンモニウム (NH4)2Cr2O7 d=2.15g/cm3
橙赤色の結晶。次式のように熱分解によって純粋な酸化クロム(V)が得られる。   (NH4)2Cr2O7→Cr2O3+N2+4H2O この反応は、火山の噴火のようになるので演示実験で使われる。エタノールに可溶。


K2Cr2O7 二クロム酸カリウム potassium dichromate K2Cr2O7 d=2.68 mp=396
橙赤色の三斜晶系結晶であるが、236℃で単斜晶系に転移する。 水溶液をアルカリ性にすれば、黄色のクロム酸カリウム溶液が得られる。 酸性では、強力な酸化剤である。 クロムなめし、媒染剤、顔料や染料の製造に使われる。水溶性塩は毒性を示す。


K2CrO4 クロム酸カリウム potassium chromate K2CrO4
硫酸などで、酸性にすると二クロム酸カリウムになる。 熱すると675℃で赤色になり冷やすと戻る。水に溶けにくいが溶解度の温度変化が小さいので、再結晶しにくい。 鉛、銀などと有色の沈殿を生成するので分析用の試薬として用いる。


K2CrO4 クロム酸鉛 lead chromate PbCrO4 d=6.12 mp=844
黄色の単斜晶系結晶で天然には紅鉛鉱として産出する。水に難溶だが酸に可溶、アルカリには亜ナマリ酸塩をつくって溶ける。 硫化水素で硫化鉛となり黒色となるが、光、空気に対しては安定なのでクロムイエローとよばれる光退色しにくい黄色顔料となる。ゴッホのひまわりの黄色もこの顔料である。



K2CrO4 クロム酸バリウム barium chromate BaCrO4
黄色の結晶で、水にはほとんど溶けない。


K2CrO4 クロム酸銀 silver chromate Ag2CrO4
暗赤色の粉末で水にほとんど溶けない。


Cr_alum クロムミョウバン chromium alum KCr(SO4)2•12H2O d=1.8g/cm3
紫赤色の正8面体の結晶。媒染剤や製革用薬品に使用する。 水溶液を熱すると緑色になり、結晶しにくくなる。

戸 棚 サンプル 周期表 索 引