塩酸 hydrochloric acid d=1.19g/cm3 mp=ºC bp=ºC
塩化水素の水溶液で、純粋のものは無色。強い1価の酸で、1M溶液は79.0%,0.1M溶液は92.6%電離する(18℃)。
市販の濃塩酸はおよそ37.2%の塩化水素を含み、濃度c(%)と密度dとの関係はc=200(d−1)で表わされる。20.24%の塩酸は1atmの下で沸点110℃の共沸混合物となり、これ以上を濃塩酸という。猛毒なので、蒸気を吸ったり皮膚につけたりしないよう取扱いには注意を要する。
強酸として実験室に、医薬,色素類の製造などに用いる。
次亜塩素酸カルシウム calcium hypochlorite Ca(ClO)2
空気中では比較的安定であるが、150℃以上では一気に分解し、酸素を放って爆発する。酸と反応して塩素を放つためきわめて強い漂白・殺菌作用がある。次亜塩素酸塩中最も安定で、漂白剤・高度さらし粉の主成分である。
塩化カリウム potassium chloride KCl d=1.98g/cm3 mp=770ºC bp=1510ºC
天然にはシルビン(カリ岩塩、sylvine)として産する。
無色の立方晶系結晶で岩塩構造。結晶は赤外線をよく通すのでプリズムなどに利用される。
また、カリ肥料、電気伝導率測定用塩橋などに用いる。
塩素酸ナトリウム Sodium hypochlorite NaClO d= g/cm3 mp=ºC bp=ºC
塩化ナトリウムの水溶液を隔膜を用いずに電気分解すると得られる。300℃以上に加熱すると酸素を放って分解する。
塩素酸カリウム potassium chlorate KClO3 d=2.34g/cm3 mp=356ºC
無色の単斜晶系板状結晶。融点より高温ではO2を発生して分解し、KClとKClO4になる.酸化マンガン(IV)と混ぜておだやかに加熱すると、2KClO3→2KCl+3O2のように酸素を発生して塩化カリウムとなる。水溶液はおだやかな酸化剤であるが、固体を有機物、硫黄、木炭、リンなどと不注意に混ぜると爆発することがある。
過塩素酸カリウム potassium perchlorate KClO4 d=2.52g/cm3 mp=356ºC
過塩素酸イオンClO4イオンは、塩素の酸素酸塩のうちでは最も安定であるが可燃性物質の存在下で加熱したり磨砕すると爆発の危険があり、爆薬やロケット燃料として用いる。多くは水に溶けやすく潮解性であるが、カリウム塩などイオン半径の大きいアルカリ金属イオンの塩は難溶性である。他の金属塩はエタノール・アセトンにも溶けるものが多く、AgClO4はベンゼンにも溶ける。