バリウム barium Ba d=3.5g/cm³ mp=725ºC bp=1640ºC
主要鉱物は重晶石BaSO₄、毒重石BaCO₃である。アルカリ土類金属の1つで、銀白色でやわらかい。炎色反応は黄緑色。化学的性質はカルシウム、ストロンチウムに似ているが，反応性はより大きい。

水酸化バリウム barium hydroxide Ba(OH)₂•8H₂O d=4.495g/cm³ mp=325ºC bp=ºC
ふつう無色の無定形粉末であるが、融解液からは単斜晶系結晶として得られる。 市販品は八水和物で無色の正方晶系結晶．8配位の[Ba(H₂O)₈]²⁺とOH^-からなる。 強アルカリ性で、他のアルカリ土類金属水酸化物より水に溶けやすく、水溶液をバリタ水または重土水(baryta water)ともいう。空気中の二酸化炭素を吸収してBaCO₃の沈殿を生ずるので二酸化炭素の定量に用いる。

塩化バリウム barium chloride BaCl₂•2H₂O d=3.1g/cm³ mp=962ºC bp=1560ºC
水溶液から常温で得られる二水和物は、無色で扁平な４角形の単斜晶系結晶で、わずかに吸湿性。60℃で水1分子を、125℃ではすべての水を失う。体内に入ると有毒。

硫酸バリウム barium sulfate BaSO₄ d=4.50g/cm³ mp=1580ºC
無色の斜方晶系結晶で天然に重晶石として産出する。水に難溶だが濃硫酸には溶ける。バリウムは原子番号が大きいのでＸ線遮蔽能力が高く、また、硫酸バリウムは難溶性のため吸収されないので、Ｘ線診断の造影剤として用いられる。硫化バリウム溶液に硫酸ナトリウムを加えて得られる沈降性硫酸バリウムは、白色顔料として製紙、塗料などに用いられる。