ホウ(硼)素 boron 5B=10.81

B ホウ素 boron B d=2.37g/cm3 mp=2079
黒色金属光沢を持った固体で、半導体である。化学的な性質は、ケイ素に似ていて空気中では変化しないが、300℃以上に熱すると酸化される。ホウ素は周期表の孤児といわれ、特色ある化合物を多くつくる。例えば、 単体ホウ素にみられる正20面体を基本としたかご形の大きい分子や3中心結合をもつ水素化合物のボランなどがある。P型半導体を作るためにケイ素などに加えられるので、99.999%以上の高純度品もある。


B2O3 酸化ホウ素(無水ホウ酸) boron oxide B2O3 d=1.8 mp>450ºC
結晶化させにくくガラス状態のことが多いので、融点ははっきりしない。吸湿性があり、水に溶けるとホウ酸となる。アルカリ金属、マグネシウム、アルミニウムなどで還元されるが、炭素と赤熱しても還元されない。


H3BO3 ホウ酸 boric acid H3BO3(=B(OH)3) d=1.435 mp=169ºC
B(OH)3の形をしていて硼素原子のまわりには6個の電子しかないことに注意しよう。共有電子対が3対しかないので、BO3の部分は平面三角形の構造をしている。 形式的には、3価の酸であるが弱酸なので水溶液中では、1価の酸としてはたらく。 ゴキブリ退治のホウ酸団子に使うのがこのホウ酸。水溶液は穏和な消毒剤なのでうがい薬に使った記憶がある。


Na2B4O7 ホウ酸ナトリウム sodium borate Na2B4O7 (ホウ砂 borax)
水溶液は、強アルカリ性。無水塩は、融解してガラス状になり、金属酸化物を融解して様々な色を呈するのでホウ砂球反応として金属の分析に利用される。 PVA糊と混ぜて、スライムを作るときに使う。

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