アルミニウム 27Al=26.98

Al アルミニウム Al d=2.7g/cm3 mp=660.4ºC bp=2470ºC
長石、雲母など各種金属のアルミノケイ酸塩として地殻中にひろく、かつ多量に存在している。 鉱石のボーキサイトは、水酸化アルミニウムが主成分であるが、鉄の化合物を含んでいるので赤褐色となっている。これを氷晶石と融解塩電解(エルー‐ホール法)で精錬しい金属を得る。
アルミニウムは銀白色の軽い金属で、軟らかく延性・展性にとみ、薄い箔に加工でき家庭用ホイルは99.0%以上の純度をもつ。 空気中では酸化被膜を生じて内部が保護されるので、サッシなど家庭用品としての用途も広い。


Alum ミョウバン alum KAl(SO4)2・12H2O d=1.75g/cm3 mp=92.5ºC
正八面体の結晶が美しい。硫酸アルミニウムと,アルカリ金属やアンモニウムなどの1価イオンの硫酸塩とからなる複塩。1価イオンの名を冠してカリウムミョウバン、アンモニウムミョウバンなどとよぶ。またアルミニウムをクロムや鉄におきかえたクロムミョウバン、鉄ミョウバンもある。すべて同形で,MI[MIII(H2O)6](SO4)2・6H2Oの構造をもち,[MIII(H2O)6]による色を示す。 水によく溶け、その水溶液は成分硫酸塩を混ぜたものとまったく同じで、酸性を示す。


Alum 酸化アルミニウム aluminium oxide Al2O3 d=3.99g/cm3 mp=2054ºC bp=2980ºC
アルミナともいう。ダイアモンドに次いで硬く、鉱物としては、コランダムがある。融点も高いので、アルミナ坩堝としても利用される。 適当なふるいにかけたアルミナを水洗したのち二酸化炭素気流中で200〜230℃,2〜3時間加熱処理して作られたアルミナ微粉末は、吸着能力が強いのでクロマトグラフィーの固定相などに用いられる。


AlCl3 塩化アルミニウム aluminium chloride AlCl3 d= g/cm3 mp= ºC bp= ºC
無水塩は分子性の物質でAlは6個のClで8面体状に囲まれている。400℃以下の気体では安定な2量体分子Al2Cl6が存在し、2つの4面体形AlCl3が稜を共有している。水に多量の熱を発して溶け、塩酸、水酸化物に分解する。ルイス酸で種々の塩基と付加物をつくり、またフリーデル‐クラフツ反応の触媒に用いられる。 六水和物は、[Al(H2O)6]Cl3として水溶液から無色の菱面体結晶として得られる。潮解性があり、水溶液は弱酸性で、中性ではコロイド状水酸化物を与えるが、アルカリに溶けてアルミン酸イオンになる。


Al2(SO4)3 硫酸アルミニウム aluminium sulfate Al2(SO4)3 d= g/cm3 mp= ºC bp= ºC
無水塩は無色の菱面体結晶。 六,十,16,18,27水和物があり、室温付近では18水和物が安定。これは無色の単斜晶系針状結晶で[Al(H2O)6]2(SO4)3・6H2Oの構造をもつ。水溶液は加水分解して酸性を示し、渋味がある。


Al(NO3)3 硝酸アルミニウム aluminium nitrate Al(NO3)3・9H2O d= g/cm3 mp=73ºC bp= ºC
無水塩は、湿気があると九水和物に変わる。六,八,九水和物があるが、最も安定なものは九水和物[Al(H2O)6](NO3)3・3H2Oで、潮解性のある無色の単斜晶系結晶である。融点の73℃で八水和物に、115℃で六水和物になり、さらに温度をあげると徐々に硝酸を失って、140℃では水酸化物塩に200℃で完全に酸化アルミニウムとなる。pH>4では水酸化アルミニウムの沈殿が生成する。

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