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副腎って何?

Q:
 こんな事をここで聞いてもいいのか…分からないんですが…1歳と8ヶ月になる息子がいます。産まれつき腎臓が弱く蛋白尿で毎日の様に通院して入院したりしています。昨日、先生から「副腎が弱ってきているかもしれないね」って言われました。私は色んな事で気が回らなくてよく聞こえなかったのですが…副腎てなんですか?どうやったら副腎って弱るものなのでしょうか?



 毎日の様に通院、入院したりと大変ですね。身体的にも精神的にも息子さんだけでなく、お母さんも、かなりのストレスがかかっているのですね。
副腎は腎臓の上に帽子のようにかぶさっている、やや偏平な三角形の内分泌器官です。副腎の形は卵に例えることができて、黄身の部分が副腎髄質で、白身に当たる部分は副腎皮質で、それぞれ内側から球状体、束状体、網状体といわれる三種類の層で覆われています。

 黄身に当たる副腎髄質は交感神経の固まりのようなもので、副腎髄質ホルモンを分泌します。生体を守る重要なホルモンで、生命が危機に陥ったとき、分泌が促進されます。白身に当たる副腎皮質からのホルモンはストレスに対する生体の防御反応として重要なはたらきをしています。

副腎について、一言で簡単に説明することはむつかしく、以下、抜粋します。
副 腎―小さな器官の大きな働き---山科 正平(北里大学医学部教授)
http://www.health-net.or.jp/kenkozukuri/healthnews/130/020/k1370/index.html
 副腎を折半すると(図2)、表層の皮質と中心の髄質が区別されるが、生い立ちも働きもまるで違う2つの部分が同居した器官なのである。顕微鏡で皮質と髄質を見極めようとしたのが図3である。被膜に続く副腎皮質では、細胞が球状の塊をなす層(球状帯)、縦方向につながって柱状をなす細胞の層(束状帯)、つながった細胞が糸くずのように折り畳まれた層(網状帯)の3者が区分できる。いずれも副腎皮質ホルモンという、外界の大きな変化から身体内部の恒常性を守る上で重要な働きをする物質を分泌するものである。副腎皮質ホルモンとは決して単一なものではなく、類似の化学構造を持ちながら働きがさまざまに異なる物質の総称なのだ。その中には、体液のナトリウムやカリウムの濃度を調節する電解質コルチコイド、たんぱく質から糖の新生を促す糖質コルチコイド、男性ホルモンの作用を持つ物質などがあり、それぞれは球状帯、束状帯、網状帯から分泌されるといわれている。特に、糖質コルチコイドの一つであるコルチゾールは、炎症やアレルギーに対する抵抗性を高める薬物としてもよく知られたものである。
 中央の髄質には、アドレナリンやノルアドレナリンという心拍数や血圧を高める働きを持つホルモンの分泌細胞が住んでいる。この細胞は神経細胞と近縁なもので、副腎髄質とは神経の出店と考えることができる。
 私たちがストレスにさらされたとき、心臓や筋の活動を高めて短期的な反応で身を守るのが副腎髄質だとすれば、炎症や免疫反応を抑制して長期的な反応で防衛にあたるのが皮質ということになる。副腎とは、体腔の壁から生まれた皮質と、神経の出店である髄質とがうまく合体して、ストレスからからだの保護にあたる器官ということになる。

副腎のしくみ http://www.hi-net.ne.jp/~ma/fukujin.html も参考にしてください。
かかりつけの主治医に、今の状態を十分に相談できるといいですね。


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