手繋ぎ



ミゲルさんってさ、素直じゃないと思わない?
僕がこんなに好きって言ってるのにミゲルさんは僕に一言も好
きって言ってくれたことないんだよ?
おかしいよね? こんなに好きなのにさ、上辺では笑ってるけ
どホントは不安で仕方ないのに

「ミゲルさん?」
「何?」
ほら、僕が声をかけてもそっけない、いつもの調子
「ミゲルさんってさなんで僕のこと家に置いてくれてるの?」
遠まわしな言い方、僕はこういうの好きじゃないけど、直球で
言ってもかわされるは目に見えるから
「はぁ?お前が勝手に上がりこんでるんじゃん」
ごもっとも。
「けど、追い出すことだって出来るでしょ?」
そうだ、別に行く場所なら何処にでもある。アスランとかサイ
とか
「どうせお前のことだし、俺の家じゃないと他の奴に迷惑かか
るからな」
本を読みながら、マグカップに入っている紅茶を飲み干す
「なにそれ・・・・。」
好きだからいるなんて、そんな簡単な理由どうせ貴方は見透か
してるんでしょ?
僕が嫌いになれないの知ってるくせにずるい、卑怯者

僕たちには約束もなにもないから、いつか出て行けって言われ
たらそうするしかないんだ
約束さえ不確かなもので、不安に駆り立てられるのだって当た
り前なのに
手錠があったら貴方の手首と僕の手首に繋いでいたい
首輪があるなら、貴方の首につけて繋ぎ止めたい
そんなもの通用しないけど、約束がないより、約束より確かな
物じゃないか

「そんなの・・・。理由にならないよ」
いつの間にか、搾り出すような声に自分でビックリする
もっと愛がほしいよ。
僕は貪欲なんだ、知ってるくせに遊ばないで

パタパタと瞳から落ちる涙を止めることさえしない僕
手だって僕からじゃないと繋いでくれない、愛の言葉だって僕
だけの一方通行だ
そんな愛し方嫌いだよ。

「ミゲルさんは、僕のこと嫌いなの?」
聞かなかった言葉、僕が、1番嫌いな言葉

「・・・・嫌いじゃないからここに置いてる。」
「・・・それって好きってこと?」
「他にあんの?」

僕は声に出来なくて、首だけ左右に振る
ミゲルさんは泣き止むまで、ずっと僕を抱きしめていてくれた

約束は不安だからすることで、
僕は貪欲だから約束だけじゃ不安で、手錠とか首輪とか色々な
物で繋ぎ止めようと思った
けど貴方はそんな物よりもっと確かなものを知っていたね。
繋いだ手の温度が僕等の約束だから。

「好きだよ。キラ」
髪を撫でながら額にキスされた。
僕も貴方が好きです。




++END++






きょわぁあああっ
ミゲキラ〜〜
またしても頂いてしまいました!!
ちょっと弱気なキラ様!!
素敵小説を有り難うございます!!