愛力で世も末。(アイヂカラデヨモスエ。)
キラがおかしい。
ここ一週間程、抱きついてこない。
その代わりに誰かと電話したりメ−ルしたり
何?何かの病気!?病気なの!?キラが抱き付いて来ないなん
て、世も末だな!
意識をキラに向けてみると傍にはいなくて、向こうで微かに話
し声が聞こえた。
話し方や話題からして、アスランかサイくらいだろう。
電話を切る音がすると同時に、コチラへ進んで来る足音が聞こ
えた。
「ミゲルさん、僕明日アスランと出かけるね」
「はいはい。」
本を読み、タバコを吸いながら返答する。
キラは「冷たい−!!」といつもの調子で言うけれど、内心は
冷や汗かきまくり
出かけた場所でアスランに迷惑をかけないか心配だ。
キラという少年は根はしっかりしているのだが、
変なところでボケている。コレを一般的に言う「天然」なのだ
ろうが、ボケも計算の内なんだろう。少年はしっかりしてはいるが常識
外れの計算高。
つまり、頑固者で自分の欲のためなら親友だって蹴落とすくらいの人物。
悩みを抱えたまま眠りに付き、夜も更け朝が来た。
雀の囀りを聞き、リビングへ向かう。
「寝た気がしない・・・。」
リビングに行くとテ−ブルの上には置き書きがあった。
『ミゲルさん。
朝早くから出かけるので置き書きを置いていきます。
朝食はレンジの中にあるか食べてね。
僕がいない間に他の人を連れ込まないでよ。
それじゃ、行ってきます!!』
置き書きを机の上に戻して、朝食を食べるためレンジへ向かう
朝食は洋食だった。
その後、眠気覚ましにシャワ−など終え、することもなくなった。
「・・・暇−・・・・。」
いつもなら週末になるとキラにせがまれ外へ買い物にでも行く
のだが、
今日はそのせがまれる相手もいない。
テレビをつけても、ワイドショ−など主婦などが好むものばか
りでつまらない。
電源を切り、ソファ−に座り込む。 急に部屋が広く感じた。
アスランと何やってんだろ・・・・。
「アイツ、早く帰って来いよ。」
不意に呟いた一言がやけに部屋に響いた気がした。
瞼が重くなり目を閉じて眠りに誘われる。
俺はそれに身を任せた。
次に意識が覚醒したのは午後6時頃あたりを見回してみたが人
の気配はなく、まだ帰ってきていないのがわかった
やけに体が冷えていたのに気が付き、窓のカ−テンを閉めよう
とした時、小さく綿みたいにフワフワと落ちてくる物が目に入
った。
「雪・・・か・・・・。」
どうりで冷える筈だと納得する。
カ−テンを閉めないでそのまま雪に魅入っていると、ふとキラ
は傘を持っていったのかと心配になり、その予感は的中で、
玄関の傘立てには2本の傘があった。
「仕方ない。駅まで迎えに行くか」
近くに脱ぎ捨ててあったコ−トを羽織、傘を持って家を出る
外は思った以上に寒かったが、風が無いのが何よりの助けだ。
駅へ向かって歩いていくと見覚えのある姿が映った
「キラ!」
普通の声より少し大きな声で名前を呼んだ。
「ミゲルさん」
明るい声と笑顔で振り向き、駆け足で俺の方へ寄ってきた。
「ミゲルさん、もしかして僕を迎えに!?」
「た、たまたま来ただけだよ。」
照れくさくてキラから目を逸らす。
「いやん
vミゲルさんったら照れやさんなんだから!!」
俺の肩をパンパン叩きながら言う
「それより買い物はどうだったんだよ?
なんか買ってきたんだろ?」
「ん〜。買わなかった。良いの無かったんだよね」
眉を寄せてうんうんと頷く。
それに俺は何を買おうとしたのか聞いた
「ミゲルさんに、いつもお世話になってるから
プレゼント買おうと思って〜」
「・・・・・・」
嬉しい。と素直に思ってしまった。
「あ!ミゲルさん今嬉しいとか思ったでしょ?!」
「うっせぇな!!」
心の中でアスランと一緒に出かけたことに妬いていた自分が恥
ずかしい
「・・・とにかく帰るぞ。ほら、傘!」
キラ愛用の藍色の傘を差し出す
「折角だけどいいや。ミゲルさんの傘に入る!」
「はっ!?」
「いいでしょ?ってかいいよね!」
無敵の笑顔で言われたら逆らえないのを自分でも知っているキラ
それに弱い俺もどうかしてる
「わかったよ。」
「わ−い」
後日談なのだが、一週間ほど俺に触れてこなかったのは
俺に自分の存在の大きさを知らせるためだとよ。
恐ろしい奴。
++END++
ミゲルがおかしいんですが・・・!!
すいません;キラさんいつもの調子ですし!
うあ〜もっと甘々なの書けるようになりたいです。
少しでもプッ。ってだけでも笑って許していただけたら幸せで
す!!
誤字脱字あるかもしれません!!すいません!!!
それでは!
by 氷雨司
うきゃーーっ!!
相互記念に頂いてしまいました!
ミゲキラです!ミゲキラですよ!!奥さん!!(誰!?)
キラ様素敵です!!
思わず黄色い声を上げてしまいました。(死)