Distance until kiss.
「何で、15cmが理想なんだろうね」
「はぁ?」
今日も今日とて、不思議ちゃんまっしぐらなキラの発言にミゲルは思い切り間抜けな
声を出した。
対するキラはというと、はぁ、とため息をついて温くなった紅茶に口をつける。
「全然満足出来ないのに・・・・」
「・・セックスが?」
なら俺はクリアだと、満足げな顔をして一人勝手に頷くミゲルに、キラは先刻よりも
深いため息をついた。
「・・・・どうしてミゲルはすぐにそういう方面にいくかなぁ・・・」
キラは椅子から立ち上がると、ミゲルを手招きする。
呼ばれたミゲルがキラの前に立つと、キラは彼の肩に手をかけると、口吻けをすべく
背伸びをする。
キラよりもミゲルの方が幾分か背が高く、キラは限界まで爪先立ちするが、届きそう
にない。
そんな姿を見て、ミゲルがキラのやりやすいように少し屈むと、キラはムっとしてミ
ゲルから離れた。
「ミゲルって、身長いくつ?」
「確か・・・この間測った時は180くらいだったか?」
「僕は165cm。つまり約15cm差。
コレって、カップルの理想の身長差なんだって」
キラは腕組をして、そっぽを向く。
「じゃあ俺たち理想のカップルじゃん」
「僕は、全然嬉しくない・・・」
「何で?」
ぷぅとフグよろしく頬を膨らませると、
「だって、さっきみたいにキスしたくても・・出来ないんだもん・・・。
ミゲルだって、一々屈むのイヤでしょ?」
徐々に小さくなっていく声と反比例に、頬の赤みは増していって。
言った本人が一番恥ずかしいのか、キラは言い終わると小さな手で顔を覆ってしまっ
た。
「まったく・・・」
そんなキラを見て、ミゲルは顔を緩ませずにはいられなかった。
どうしようもなく可愛いヤツだとミゲルは思いながら、ぎゅっと音がしそうなほど強
くキラを抱きしめる。
「お前本っ当可愛い」
突然のことにキラは驚いて、彼の腕の中でもがくが全く意味はなく。
それでも暴れつづけるキラがようやく大人しくなったのは、少ししてからで。
「甘えたい時に、甘えられないんだもん・・・」
まだ顔がトマトのように赤いキラは、ミゲルに見られたくないのか胸に額を押し付け
るようにして小さく呟いた。
「キラの方が俺よりデカかったらビジュアル的に良くないだろ?
それに、キラの為なら喜んで屈むって」
今みたいに、と言ったミゲルは先刻のように少し屈んでもう一度口吻ける。
キラの頬の赤みと、ミゲルの顔を緩みは暫く直りそうにない。
萌葱さまに相互記念で頂いてしまいました。
いつかはやりたい身長ネタvv
チューがしたいのにできなくて拗ねてるキラがとっても可愛いvv
ミゲルさんもキラちゃんにベタ惚れでvv
こんな素敵なお話をありがとうございましたvv