2007(平成19)年3月23日 衆議院国土交通委員会 (一部抜粋) |
○塩谷立 委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、モーターボート競走法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省海事局長冨士原康一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○塩谷委員長 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 ○塩谷委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。 伴野豊君。 ○伴野豊 委員(民主党) 今回、モーターボート競走法の改正ということで行われるわけでございますが、そもそも公営ギャンブルとはどうあるべきかという議論をすると、延々といろいろな価値観が入りまじるわけでございますが、今回の対象となっているモーターボート競走事業、大臣は、公営ギャンブルはどうあるべきだ、どんなお考えをお持ちか、とりわけ、モーターボート競走事業というのはこうあってほしいなという願望も含めてお聞かせいただければと思います。 ○冬柴鐵三 国土交通大臣 モーターボート競走は、昭和二十七年以来五十余年にわたって実施されてまいりました。 今日では健全な大衆娯楽として社会に定着しているというふうに見ております。 一方、その売り上げの活用によりまして、昭和二十七年以降、公益事業の振興に延べ約一兆七千億円を助成いたしておりますとともに、自治体の財政には三兆七千億円を繰り出してきているなど、公益の増進にも大きく寄与していると考えられます。 公営競技全般の売り上げが減少、激減と言ってもいい中で、厳しい状況ではありますけれども、今後ともこのような役割が果たせるよう関係者の最善の努力が必要である、このように考えております。 ○伴野委員(民主党) 大臣にお伺いします。 本改正案のポイントを端的にお教えいただけますか。 ○冬柴国務大臣 モーターボート競走を取り巻く社会環境の変化に的確に対応して、今回の法改正では、大きく以下二つの視点から改革に向けて取り組むことといたしております。 一つは、施行者の経営基盤の強化でございます。 売上金額が大幅に減少しているわけでございますが、開催経費の削減が追いついていないということから、特に売上金額の小さい施行者を中心に収益が悪化しております。 地方財政の改善に資するためにも、売上規模にかかわらず収益が上げられるよう経営基盤を強化する必要がありました。 今回の法改正における交付金制度の見直しやあるいは競走実施事務の私人委託制度の導入は、こうした目的から行われるものでございます。 それからもう一つは、モーターボート競走の活性化でございます。 平成三年度以降の急激な売り上げの減少は、バブル経済の崩壊だけではなく、モーターボート競走が適切に対応できていないというようなことも要因と考えられました。 今回の法改正では、重勝式投票法ということで、今までのような確率でやりますと、大きく張るというか、そういう傾向があったんですが、今回の重勝式というのは確率が低くなる。 百分の一、百二十分の一ということになりますと、小さなお金をかけて楽しみ、そして、それがもし成果をおさめたときには大きな賞金が当たるという楽しみがあります。 そういうようなことを導入することで、現時点における国民のライフスタイルや嗜好の変化に対応して、モーターボート競走の魅力の向上につながるような制度改正を行うこととしております。 今後は、こうした制度の活用によりまして、新たなファン、御夫婦とかそういう人と一緒に行けるようなところ、そういうことが期待されるほか、民間の委託制度を活用した広報とかマーケティング等の強化によって、民間ノウハウを活用した売り上げ向上施策の展開が期待されると思っている次第でございます。 以上のような観点で今回の改正を行おうとするものでございます。 ○伴野委員(民主党) そうした中で、今後の課題も含めまして、きょうはいろいろな論点で議論されていくんだと思いますが、とりわけ五つの論点があるのではないかなと思います。 一つは、競走の実施に関する事務の委託に係る規制の緩和についてということで、今大臣もおっしゃいましたが、規制緩和とあわせ持って事後チェック体制もきちっと確立しなければ、これは、何らかの形で後ろ指を指されるようなことが発生した場合に、きちっと対応できる公平公正な監視の目というのも必要になってくるんだろうと思います。 それから二つ目、場外発売場の設置についての許可制の導入というのがございます。 きょうも私、朝一番で、六時過ぎに自分の部屋に入ったんですけれども、もうファクスとメールがいろいろな市町村から御心配のお話も含めて入って、頑張れというお話と、地元でこういう案件がかかっているといろいろ御心配の向きもある。 それから三番目、日本船舶振興会への交付金制度の見直しについて、一層透明度が図られていくのかどうか、あるいは交付していくところの団体の事業のあり方が本当にいいのかどうか。 四番目、日本船舶振興会の指定法人化及び補助金業務の適正実施についていかがであるか。 さらには、競走会と連合会の一元化及び指定法人化についてどうであるかというような、ざくっと大きく五つの論点が考えられるのではないかと思います。 その中で、私の中で問題意識の高い順にお聞かせいただきたいと思います。 まず、今申し上げたように、日本船舶振興会も指定法人化されます。 それから、競走会と連合会が一元化されて指定法人化されます。 指定法人化されることによってチェック機能は高めていただきたい、透明度も高めていただきたいと思うわけでございますが、人事面、あるいはさらには予算面はどうなっていくのか、そうした視点でお聞かせいただければと思います。 ○冬柴国務大臣 日本船舶振興会につきましては、今回の法改正で指定法人とされますが、これにより、法人の指定基準の明確化や、それから、今までなかったんですが、指定の取り消しというところも規定を整備したところでございます。 それから、法律上は、複数じゃなしに一つを限って法人を設立するということで、現行の制度に比べて国がよりしっかりと監督できるように配慮したつもりでございます。 また、施行者の収益改善の効果が一時的なものにならないように、今回の法改正におきましては、交付金制度の見直しだけではなしに、業務の私人委託制度の導入など、施行者の経営基盤の強化につながるような内容でございます。 ただ、私人委託業務というのは、何もかもやれるわけではございません。 非常に限局された、例えば舟券の発売、それから配当の払い戻し、警備、広報、施設管理というような面だけでございまして、施行者固有の事務であります競走開催日時、競走の種類、使用する場外舟券売り場などの決定等、これはあくまで施行者しかできません。 その部分を私人に委託することはできません。 それからまた、競走会限定の委託事務としましては、選手やボート等の出走前の検査、それから審判、選手の管理等は私人委託はできないわけでございまして、そういう意味で、この私人委託事務というのは、そういう限局された部分について事務を合理化し、そして軽量化するという意味で行っているわけでございます。 それから、先ほども申しましたけれども、重勝式の投票法の導入によってモーターボート競走の魅力向上につながる内容を盛り込んでいるところでございまして、これらを活用しながら、関係者が連携してモーターボート競走の活性化を図っていくことを期待しております。 また、場外発売場の設置につきましては、今後とも十分な地元調整が図られるように指導もし、努力をしていかなければならない、このように思っております。 ○伴野委員(民主党) 今回の改正で、施行者の立場から考えますと、先ほど経営基盤の強化というお話も出ましたが、やはりこの交付金の率の見直し、これは一番大きいお話で、施行者からすればありがたいお話になっていくんだと思います。 やはりそれも含めて、持続可能な財政の健全化というのは、施行者初め地域においても、またそれを支援する側においても、非常に重要な案件なんだろうと思うんですが、そのあたりの件。 それから、あと、地域的に言えば、今も話題に出ましたが、場外舟券売り場、ボートピアとか、それから、今、私は初めてこの言葉も知ったぐらいなんですけれども、オラレという小規模場外発売場、これが今回いわゆる認可制になるわけですね。 しかしながら、政令という形で出ていたんだと思いますけれども、一つの基準として、地元の調整については、当該場外発売場の所在する市町村の自治会の同意、市町村の長の同意及び市町村の議会が反対を議決していないことをもって地元との調整がとれていることとするということだと思うんですね、今の基準は。 ここの基準というのも多分、基準的には余り変わらないのかなと思うんですが、やはり地域あっての、先ほど申し上げたように、地域に受け入れやすい形のものでなければ、逆に言えば、経営基盤の強化というその御旗のもとに、地域に嫌われるような場外券売り場であっては非常に困るわけですね。 このあたりのところ、やはり大臣の認可というところが強くなってくるわけでございますので、大臣は、今の時点でどうあってほしいとお思いですか。 ○冬柴国務大臣 これは、基準は省令で定めまして、特に地元、おっしゃったとおりでございまして、地元の御同意と申しますか御了解と申しますか、そういうようなものを広く求めていかなければならないと思います。こういう問題については、非常に地域活性化する面と、教育上どうかというような意見が当然そこにあるわけでございまして、当然、非常に慎重にされなければならないと思います。 ただ、我々としては、そういうものを通じて、全体的には公益に資する事業という面がありまして、冒頭お話し申し上げましたように、それが社会福祉にも貢献し、あるいは地方財政にも大きく貢献してきた歴史もあり、また現実もあります。 そういうことで、地域の公共団体とか住民の御理解、御了解を得られるようにしなきゃならないというふうに思っております。 ○伴野委員(民主党) いずれにしましても、結果論となってまいりますので、特にこの手の話というのは、新しいことをやるときは最初が肝心でございますので、モデルケース的に、愛されるものをやはり幾つか、一生懸命それこそ愛情を注いでつくっていただいて、どこのところからも、中心市街地が下火になっていたけれども、あれが来ていいきっかけになったとか、あれが来てから町内も非常に伝達しやすくなったとか、あるいは防災の拠点にもなってくれたとか、とにかく、一粒で何度おいしくても結構なんで、そういう施設にぜひしていただいて、御懸念されている地域の方の御心配にやはり懇切丁寧におこたえいただければな、そんなふうに思っております。 少し建設的なお話を承りたいと思います。 ちょっと地元のお話で恐縮なんですけれども、私の地元の常滑競艇も決して経営状況が順風満帆というわけにはまいっておりません。しかしながら、平成十七年の実績だったですか、大きな人気のあるレースが来ると、その年というのはぽんとやはり収益も上がって、地域の皆さん方の関心も非常に高まるというようなこともありまして、一つはやはり、先ほど申し上げたように、例えば競馬がトワイライトレースをやるようになってカップルが行くようになり、女性も行くようになって、非常に競馬場の雰囲気もよくなって、文化的な向上も見受けられたと。 やはり、このモーターボート競走も、サッカーのフランチャイズじゃないですが、地域の選手をみんなで育てて、みんなでスターをつくるという言い方がいいかどうかわかりませんが、スターを育てる。そして、選手もサイン会なんかもやったりして、今プロ野球ですらファンサービスでこたえようとしているわけですね。 そういうイベント力とあわせ持って、私も、自分が視察したときに、今度は家族を連れていきたいなと思ったんですよね。まあ、議員をやっているときに、本当に家族で今の段階で行っていていいかというのは一方であるにしても、気持ちとしては、家族で楽しんで、そして子供も妻も、例えば共通のカードか何かでポイント制で、そこで食事もして、あるいはショッピングもして、そのポイントがたまると、これはちょっと法改正が要るのかもしれませんが、舟券も買えるかもしれないと。 だから、そこで全部いろいろ楽しんで、舟券が的中すればまた少しポイントがふえて、また今度来るときは、映画も見られるかもしれないし、ショッピングもできるかもしれない。うちの現場ですとやはり、常滑焼という伝統的な産業があるものですから、では、常滑焼の陶器を今度買ってみようかとかそういう気持ちにもなるわけで、そういう何かイベント力とあわせ持って、言ってみればアミューズメント力を高める企画力というんですか、それを高められるような事業になってほしいなと。 また地元ネタで恐縮なんですが、我が常滑においてはセントレアという空港があるわけなんですね。 お国柄ということで、例えば、韓国の方というのは、これは私の勝手な考えかもしれませんが、比較的、競馬なんかも日本人よりも熱くなるところがあります。ですから、常滑のこういう競艇のお話や全国の競艇のお話なんかも、韓国にもっとPRして、空港を使って実際に見に来ていただいて、一日二日楽しんでもらって、いいときは少し当たっていただいて、残念なときもそこそこで帰っていただくというようなことは、観光政策とあわせ持ってやるようなこともできるんではないかな、そんなことをいろいろ考えているんですけれども、大臣は、今私が申し上げたようなことに関して、どんなお考えをお持ちですか。 ○冬柴国務大臣 前半のお話で、家族で来られてそこで食事や買い物もできる、もし幸運にそれが当たれば、またそれがそこで使えるんじゃないかという部分については、今までの事業者、地方公共団体がやっていますと、どうもそういう面が柔軟に、それをどうPRするかというようなこととか、そういう柔軟な発想というのに欠けていたように思うんです。 そういう意味で、専門的な知見を持っている私人にそういう面を委託して、今おっしゃったような、夢のある企画をしていただくというようなことを期待して、今回このような改正を行っている面が一つございます。 それから、外国人にもやっていただく。 日本ではルーレットとかそういうものはもちろん許されていませんので、外国に行ってそういうものを楽しむ日本人もいますし、反対に、外国人が日本でそのようなものを期待して来られる。 これは一つの観光資源としても重要でございまして、私は観光立国担当大臣でございますので、そういう意味で、これをもし一つの観光資源としてやるということになれば、観光ルネサンスという制度もありまして、資金的な援助もできるんじゃないかなと私は思います。 例えば、福岡の競艇場におきましては、そういう外国人のお客さんを招くために、英語、中国語それから韓国語でいろいろなものが、もちろん案内表示等がきちっと行われておりまして、それだけではなしに、パンフレットとかホームページにもそういうものをそういう言葉で、どうぞいらっしゃいというようなことが表示されておりまして、相当な効果を上げていられるというふうに私は聞いております。 したがいまして、セントレア空港にもそういう御配慮があれば外国の方が常滑競艇場で楽しまれるということにもなるんじゃないか。 そういうことも、私人のそういうことに非常に精通した方が広報をされれば非常に効果が上がるんではないか。 非常にいい発想だと思いますので、各地でそういうふうに、私の地元もありますので、そのようなことを申し上げたいと思います。 ありがとうございました。 ○伴野委員(民主党) いずれにしましても、モーターボート競走事業の施行者の現状、まだ、うまくいっているところとそうじゃないところ、多少凹凸があります。 これに関しても、ぜひ大臣も、お時間がないかと思いますが、またお時間つくっていただいて、いいところと残念なところ、両方見ていただいて、ぜひ御指摘していただいて、頑張っているところにはもっと頑張れと言っていただければいいし、だめなところはこうした方がいいんじゃないかなと。 私も現場主義を貫きたいと思っておりますので、この件に関しましても、どんどん大臣に現場に出ていっていただければな、そんなふうに思っております。 ○塩谷委員長 次に、鈴木克昌君。 ○鈴木克昌委員(民主党) 民主党の鈴木克昌でございます。 もう既に御案内の方もおみえかと思いますが、実は私は平成六年から六年間、蒲郡競艇場の競艇執行委員長を蒲郡市長として務めさせていただきました。そういう意味で、少しお時間をいただいて質問をさせていただきたいというふうに思うんです。 競艇の売り上げ、たしか平成三年がピークだったと思いますが、二兆二千億でありました。 現在はもう一兆円を切っておるというような大変厳しい状況にある、このことは私も承知をいたしております。 私が市長になったときが一兆八千億ぐらい、そして退任をするときは一兆四千億ぐらい、ほとんど下げどまりではないのかなというふうに思ったんですが、結局、その後どんどん下がっていって現状があるというようなことでございます。 そこで、いずれにいたしましても、今回の十九条交付金の見直し、これは実は、ある意味では、施行者の共通の悲願というと大変大げさですけれども、私も市長時代によくそのことをお願いに上がりました。 そしてまた、平成八年ぐらいからこれがかなり本格的な運動というかお願いになってきたというふうに私は承知をいたしております。 そこで、大臣にお伺いをしていきたいんですが、先ほど伴野委員から、いわゆる交付金を見直す理由というのはおおよそ今大臣に御答弁いただいたんですが、具体的にどのような見直しの内容なのかというところをお示しいただきたいと思います。 ○冨士原康一政府参考人(国土交通省海事局長) 今回行います交付金率の見直しでございますが、基本的には、これまで、当初制定時から今までのかなりの時間的な経過がございました。 その間物価も非常に大きく変わったというような状況を受けまして、まず、この間の物価変動を考慮した別表全体の見直しを行いました。 さらに、現在の各施行者を取り巻く状況、特に売り上げの比較的少ないところが非常に厳しい経営状況になっておるということも配慮いたしまして、売り上げの低い施行者に対してさらに特段の配慮をするということで、今回の交付金率の見直しを行ったところでございます。 ○鈴木克昌委員(民主党) 具体的には、この十九条交付金、三・三%を二・六二%に変更するというふうに伺っておるわけでありますが、そうしますと、実際にこの金額はどれぐらいの金額になるのか、まずそれをお聞きいたします。 ○冨士原康一政府参考人(国土交通省海事局長) 現在三・三%から約二・六%に下がるということでございます。 現在、直近の平成十七年度の実績でまいりますと、売り上げ全体は九千七百億円でございますので、三・三から二・六になるということは、約〇・七%下がる、交付金が落ちるということでございます。 六十数億というオーダーになろうかというふうに思っております。 ○鈴木(克)委員(民主党) 六十三億とも六十一億とも私は聞いておるわけでありますが、そうすると、見直す理由、先ほど大臣は、要するに施行者が非常に厳しい経営環境にあるというお話でありました。私も調べまして、四十三施行者の中で、これはその年によっていろいろありますけれども、直近の情勢では、十五施行者ぐらいが赤字になっておるというようなデータも実はあるわけであります。 そうすると、結論から申し上げて、各施行者はその六十数億というものを、いわゆる繰り入れというのか、そういうふうに理解をしてよろしいんでしょうか。 そのところをちょっと御答弁いただければ。 ○冨士原政府参考人 ただいま先生から御指摘ございましたように、平成十六年度の実績でまいりますと、四十三施行者中十五施行者が赤字でございます。その後、各施行者が相当の努力をいたしまして、平成十七年度には、施行者は四十一に減っておりますけれども、赤字施行者は六施行者に減っているというのが現在の状況でございます。 それで、今回、交付金率の引き下げによりまして資金的に施行者側に若干の余裕ができるということでございますが、それをどう生かしていくかという議論がございます。 これについては、昨年、海事局長の私的懇談会で、各界の識者それからモーターボート競走の関係者に集まっていただいて、今後の競艇事業、モーターボート競走の活性化をいかにするべきかという議論をし、報告書をまとめております。 その中では、やはり一定の資金的余裕をそのまま使い切ってしまうのではなくて、むしろ前向きに、いかにこれから競艇事業を活性化していくのかというところにその資金をできるだけ使っていくべきなのではないかというような方向性がそこで示されております。 具体的にそれをこれからどういう形でそういう活性化、前向きの投資につなげていくのかということについては、今まさに関係者の中で議論が行われているところでございます。 したがって、そういう前向きの施策も含めて、今回交付金率引き下げによって生じてまいりますお金を有効に将来に向けて使っていくということで施行者は考えておられるというふうに考えております。 ○鈴木(克)委員(民主党) 私も執行委員長時代に、ファン拡大委員会の委員の皆さんともいろいろ会合を持ったり、その状況は大体承知をいたしておるわけでありますが、いわゆる「KYOTEI・ルネッサンス・プラン」、今お話がありましたように、「モーターボート競走事業の未来を拓く」というタイトルのレポートが出ておるわけであります。 その中で、今後、その資金の使い道については、「モーターボート競走法改正案の作成時までに結論を得る」、こういうふうに記載をされておるやに伺っておりますが、今の時点で、もちろん改正案が通ったわけじゃないわけですけれども、まさに通ろうというふうな状況にあるやに見ておるわけですが、どのような結論が出されておるのか、もう少し詳しくお示しをいただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 報告策定時には、できるだけ法律の制定時までに議論を整理しようということで、そういうことになっているわけでございますが、実際にやってみますと、やはり関係者それぞれいろいろな、経営状況もさまざまでございますし、最終的にこういう形でいこうということには残念ながらまだなっておりません。 今まさに、方向性については皆同意をしている、そして、具体的にそれをどういう形で資金負担、あるいは使い方も含めてやっていくかということについては、まだ現在調整中という状況でございます。 ○鈴木(克)委員(民主党) この際、大臣にぜひお願いを申し上げておきたいんですが、先ほど来から申し上げておるような状況で、本当にそういう意味では、施行者としてはこの引き下げというのは非常にありがたい。 それだけに、この六十数億に対する熱い思いというのは大きなものがあるわけですね。 したがって、ぜひ施行者も含めた中でこの使い道というのを十分議論していただきたいし、大変言い方は悪いんですが、またぞろ天下り用に使われるようなことのないように、それだけは私、大臣にぜひ御要望を申し上げておきたいというふうに思います。 次の質問をさせていただきたいと思います。 次は、先ほど伴野委員からもお話がありましたオラレでございます。 これは、先ほどから言っているように、競艇事業活性化のために非常にいいことだというふうに私は思うんですが、問題は、先ほど伴野委員からも質問があったように、地元との調整とか議会の同意とか、その辺がどんなふうになっていくのか、そしてまた、オラレについて、現在のところ、どれだけの間に何カ所ぐらいお考えになっておるのか。 地元対策の問題とその箇所数とをお示しいただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 まず、地域対策でございます。 これについては、オラレも基本的には場外舟券売り場でございますので、通常のいわゆるボートピアとその設置基準について差をつけるつもりはございません。 したがって、基本的に、オラレも従来のボートピアと同じように地元の調整等を行わなければならないというふうに考えてございます。 それから、今、オラレ、現存するところは一カ所でございます。 これは佐賀県にあるわけでございます。 それで、これからどういうふうにそれをふやしていくのかということについては、私ども、具体的に構想を聞いておりませんし、承知はしていないというのが現状でございます。 したがって、設置に際しましては、やはりさまざまな地元調整等が必要でございますので、その辺を努力しながら、一方で、オラレは実施主体が、地元の地方自治体がそこに関与するという仕組みでございます。 そういう意味では、地元の調整等、地元の自治体が汗をかいてやっていくという意味で、従来のボートピアに比べれば規模も小さいということでございますが、普及の可能性はあるというふうに思っておりますけれども、今のところ、具体的にどのぐらいという数字を私どもが持っているわけではございません。 ○鈴木(克)委員(民主党) 逆に、私の方から箇所数をお教えいたしますが、約十年間で三百カ所を予定しておる、こういうことでございますので、逆に御説明をさせていただきます。 十分承知をされておっても、なかなか御担当の立場では言えない。 もちろん、今後調整がありますから、非常に難しい。 私も、ボートピア川崎の設置で、最終的には地元の同意もいただけたし、地域の協力も仰げたわけでありますが、そこに至るまでは、本当に大変な関係者の苦労があったということを申し上げておきたいというふうに思います。 そこで、最後に、資金のスキーム、これをちょっとお伺いしておきたいと思うんです。 今、地元の地方自治体も入ってというお話でありましたけれども、当然、設置をすれば経費がかかるわけでありますが、その辺の資金のスキームというのはどのようにお考えになっておるのか、お示しください。 ○冨士原政府参考人 オラレの資金のスキームでございますが、競艇情報化センターという財団法人がございまして、ここが一億円を上限としてオラレ設置に必要な資金を負担するということでございます。 そして、基本的には地元地方自治体がこのオラレをつくるわけでございますが、そこに対して、この財団法人から資金の供与がなされる。 その後三年間これが無償で当該自治体に、オラレを運用していただいて、三年後に事業を継続する場合には、そのまま無償でお渡しして引き続きオラレの運営をやっていただく、そういうスキームであるというふうに承知をしております。 ○鈴木(克)委員(民主党) これも大臣に申し上げておきたいんですが、学識経験者とまでは言いませんけれども、自分は学識ではないんですが、もし経験者としてアドバイスをさせていただくような機会があれば、私は喜んで御協力をさせていただきますので、冒頭から申し上げたように、このことについては、まさに自分自身、いろいろと現場で苦労をしてきたという経験がございますので、そのことを申し上げておきます。大臣から声がかかるのを楽しみに待っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、先ほど大臣の御答弁にありました、私人にも委託できるということですね。 このところが、やはりある意味では非常に大きな関心事になっておるわけですね。 私人に委託できるということは一体全体どういうことなのか。 そしてまた、委託先の決定について、ある意味では公正性というものが本当に担保できるんだろうかということでございますので、この施行者が競走会のみならず私人に委託できるとした理由をお示しいただきたいと思います。 ○冬柴国務大臣 数十年の経営を通じまして、先ほども申し上げましたけれども、いろいろもっと考えるべきことがあるんじゃないのか、そういう点にもっと柔軟に、今いろいろな面でPRというものは非常に威力があるわけですね。 そういう意味で、私人の知恵をおかりする、これは非常に必要だろう。 そして、それは、一つは事業者の事務経費の軽減にも役立ちますし、アウトソーシングといいますか、そういうことがいろいろ行われる中で、こういうものを真正面から認めて、そして経営改善、そしてまた、こういうものについて魅力のある競艇というものが行われるようにするために、この制度を導入しようとしたわけであります。 しかしながら、何もかもそれをお任せできるわけではありません。 したがいまして、できる範囲は、いわゆる競走実施事務以外の部分でありまして、例えば、舟券を売る、配当を払い戻す、あるいは警備をする、広報を行う、施設の管理を行う、こういうふうに限局された部分について私人にゆだねてもいいのではないか、また、ゆだねた方が特に広報関係なんかはいいのではないかという考えで行っているわけでございます。 これについても、公正性、透明性ということが大事であるということはもう委員の御指摘のとおりでございまして、モーターボート競走法施行規則におきまして、競走実施事務の私人委託に関しましては、事務委託に関する規定を作成する、そしてそれを公表するということを義務づけております。 もしそこでふぐあいがあれば、我々としては、また指導あるいは是正ができるような手が、そこの事業者に対して行うことができるように手を打ってあります。 したがいまして、公正性、透明性を担保するための措置は講じたつもりでございます。 ○鈴木(克)委員(民主党) ただ、私は、老婆心ながら心配をいたしておるところは、現在、各競艇場には従務員という方々がおみえになりますね。 いわゆる合理化の余り、その方々の権限が縮小されてしまったり、例えば解雇されてしまったりというようなことになってくると、本当にこの伝統ある競艇事業を守ってきたのは、施行者とそしてもちろん競技団体と従務員、まさに三位一体で今日があるわけでありますので、そのところは、私人に任せられるんだからということで、やみくもに、俗に言うアウトソーシング、民間委託というような形が進められていくというのは、私はやはり、きちっと注視していっていただきたい、このことをぜひお願い申し上げたいと思います。 それから、あわせて、その私人への委託の中にオラレも入っておるのかどうか、これについてちょっとお伺いをしたいと思います。 ○冨士原政府参考人 いわゆる場外舟券売り場は、舟券を売り、また払い戻すという業務が中心でございます。 したがって、これは当然のことながら、今大臣から御説明があったように、私人に対して委託できる業務ということでありますので、ボートピアあるいはオラレも当然私人への委託の対象になり得るということであります。 ○鈴木(克)委員(民主党) もちろん、そういった職場ができるというのは、雇用の創出にもなりますし、それから町の活性化にもなりますし、一概にいけないということではありませんが、先ほどから言っているように、公正性だとか、従来のいわゆる関係者がいたずらに被害をこうむるといいますか、ちょっと言い方は誤解があるかもしれませんけれども、そういうことのないように、やはり思いやりある行政を進めていっていただきたい、このように私は思います。 時間も参っておりますので、最後に、入場料の無料化についてお伺いをしたいんです。 これも私ごとで大変恐縮ですが、蒲郡の場合、例えば、一番入場料が多かったのが、たしか一億二千万円ぐらいありました。 ざくっとした話でありますけれども、現在は四千万円ぐらいになっておりまして、そして、経費も結構かかるわけですね、二千五、六百万ぐらい経費がかかるということで、この際、ファンサービスということもあって、無料化に進んでいきたいというような考え方が実はあるわけであります。 ただ、これは、伺っておりますと、最終的には何か大臣のところでいわゆる調整があるやに聞いておるわけでありまして、その辺のところ、地元からもしそういうような要望があれば、この無料化について前向きに取り組んでいただけるのかどうか、もちろん、だからこういう法案が出たというふうに思っておりますが、その辺のところもちょっとお聞かせをいただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 この入場料の問題については、鈴木先生、これはよく御承知だと思うんですが、競走場で騒擾事件とかいろいろあって、入場料を取ることによってそういう治安の維持も含めた秩序維持効果を考えた、ねらっていたという側面も過去あったわけでございます。 したがいまして、今回の改正をもちまして、いきなり入場料を徴収しないというような方向に大きく踏み出すということでは必ずしもないというふうに考えております。 競馬で既に先行しているところがあるわけでございますが、競馬においても、やはりファン感謝デーでありますとかそういうイベントのときに無料化をして、広く一般の、ふだんなじみのない市民の方にも来ていただくということで、この入場料の徴収制度の見直しを行ったと承知しております。 私どもも基本的にはそういう形でまず始まっていくんだろうというふうに考えておりますが、実際にその申請があったときには、いわゆるのみ行為でありますとか騒擾の発生の可能性でありますとか、あるいは、競走場内の警備体制がきちんとできているのかどうかということも含めて見させていただいて、最終的な判断をさせていただきたいというふうに考えております。 ○鈴木(克)委員(民主党) 最後に、ちょっと国交省には耳の痛い話をさせていただいて、これが終わりになると思うんですが、いわゆる天下りなんですね。 モーターボート競走事業に関連する天下りの実態ということで、国交省出身者が日本船舶振興会や日本船舶振興会が助成している団体にいわゆる天下りをしておるというふうに私も伺っておりますし、実際、それは見ておるわけでありますが、この実態を今どのように把握されておるのか、お示しをいただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 国土交通省の出身者が、今回の法律上出てまいります日本船舶振興会あるいはモーターボート競走会に対して、いわゆる常勤の職員として天下りをしているという状況でございます。 日本船舶振興会への再就職者は一名でございます。現在、日本船舶振興会の常勤役員数は八名でございますので、八名のうち一名は役人出身という状況でございます。 以上でございます。 ○鈴木(克)委員(民主党) 最後に、御要望だけ大臣にまたお願いを申し上げたいんですが、こういう形で多くのファンに支えられてきた競艇事業、私は、健全にそして愛される競艇であってもらいたいと心から願っておる一人でございます。 しかし、逆にそれが、今、最後に申し上げたように、天下りの温床になるとかいうような形になると、結局、多くのファンを裏切ることになると思います。 その辺を大臣にぜひひとつぴしっと厳しく監視していただきたい、このことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。 ○塩谷委員長 次に、杉田元司君。 ○杉田元司委員(自民党) 自民党の杉田元司です。 重複がある部分も出てまいりましたけれども、私からも、今回の競走法の一部改正につきまして幾つかの質問をさせていただきたいと思います。 さて、この競走事業、先ほど大臣の答弁にありましたが、昭和二十七年に初開催されて、以後五十年余が経過し、大衆レジャーの一つとして定着するに至っております。 ただ、事業をめぐる環境は近年大きく変化しておりまして、平成三年度の売り上げがピークでありまして、以後、長期低落傾向にあります。 十七年末に閣議決定をされた行政改革の重要方針においてもモーターボート競走事業の見直しが求められているところでありますが、本事業が将来にわたって安定的に運営され、持続可能な事業としての実現に向けて、幾つかの諸方策について質問を行ってまいりたいと思います。 本事業は、三十二年以降、先ほど大臣答弁にもありましたが、自治体財政に約三兆七千億円を繰り出してまいりました。地域社会に雇用の場を提供するほか、周辺地域経済の活性化にも大きく寄与してまいったことは事実であります。 ところで、この公益事業、地方財政の改善に寄与するモーターボート競走事業に対する期待はこれからも引き続いて高まってまいると思いますが、そのあたりの御所見をまずお伺いしたいと思います。 ○冨士原政府参考人 これまで、モーターボート競走、非常に多額の貢献を公益事業あるいは地方財政に対して行ってまいりました。金額は今申されたとおりでございます。 国や地方の財政状況というのは、御承知のとおり非常に厳しいわけでございまして、その中で、特に地方においては、やはりこのモーターボート競走による地方財政への貢献というのは非常に大きな期待を寄せられているんだというふうに私ども考えております。 そういう意味で、私どもモーターボート競走を所管する立場として、やはりモーターボート競走がこれまでと同様の貢献をやっていけるように、その枠組みをつくり、また関係者と調整し、ともに努力していかなきゃいかぬというふうに考えております。 ○杉田委員(自民党) この事業は、戦後高度成長期や六十年代バブル期、このときの売り上げが最高額で約二兆二千億円。 しかしながら、現在、平成十七年度には九千七百億円、平成三年度の四四%にまで落ち込んでおります。 七・七%あった施行者の開催収益率も十六年度には一・三%まで低下して、先ほどのお話のように、十六施行者が一般会計への繰り出しができていない、このうち六施行者が赤字に落ち込んでおる。 そんなような状況の中で、開催経費を費目別に見ますと、人件費、選手費、管理費が経費の大半を占めており、これらの経費の売り上げに占める割合が高い施行者ほど収益率が低くなる傾向にあると聞いております。 しかし、売り上げが小規模であっても、工夫を凝らし、収益を上げている施行者もおると聞いておりますが、どのように具体の取り組みをしているのか、事例を挙げて御説明をいただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 各施行者は厳しい状況の中でさまざまな努力をしているという状況でございます。 ただ、固定費の負担の関係で、どうしても売り上げの小さい事業者については、なかなか努力のうちも少なく、また実際、収益状況も厳しいという傾向があるのは、これは間違いございません。 ただ、その中でも、例えば大村市がございます。 これについては、もともと売り上げが余り大きくない中で、さらに売り上げが低迷するということでございまして、長く赤字基調に陥ったわけでありますが、経営改善計画をきちっと作成する、そしてそれを確実に実行するということでコスト削減を図る一方で、番組編成の工夫でありますとか、それからPRにさまざまな工夫を凝らすというようなことを行った結果、平成十七年度においては黒字に転換したというふうに承知をしております。 したがって、まだまだ施行者サイドでも工夫次第でさまざまな努力ができるし、また収益の改善もできるという一つのあかしなのかなという気がしております。 ○杉田委員(自民党) ぜひ財務体質等々の見直し、指導等も図っていただきたいとお願いをさせていただきます。 次に、費目別について伺ってまいります。 まず人件費でありますが、平成三年度においては全開催経費の二七・一%を占めていましたが、十六年度に至りましては一六・七%にまで縮減をされており、これは施行者の努力により一定の合理化がなされたと評価をしてよいものと考えております。 しかし、従業員の平均賃金につきましては、最も高い競走場と最も低い競走場で約二倍の開きがある。 また、周辺地域の一般的な賃金との比較におきましても高額である例や、あるいは雇用形態にかかわらず離職金が支払われているというようなことも見受けられますけれども、どのように認識をされておられるのか、お伺いをいたします。 ○冨士原政府参考人 競走場の従事員の賃金の状況を見てみますと、確かに開催経費に占める人件費の割合というのは年々減少してきております。 施行者によって合理化に向けた取り組みについては疎密があるということでございまして、競走場ごとに比較してみますと、御指摘のとおり、平均賃金で二倍以上の差があったり、あるいは地域の平均的な賃金水準に比べてかなり高いというケースも見受けられるところでございます。 そのため、モーターボート競走事業活性化検討委員会、これは先ほど御説明申し上げましたが、その報告書でも、そういう比較的平均基本賃金が高い競走場を中心として、やはり人件費の総額を見直すべきではないかというような指摘も行われているところでございます。 これらを踏まえまして、これは基本的に施行者の問題であるわけでありますが、全国モーターボート競走施行者協議会において、やはり全体としてそういう方向を是正していこうということで対処方針を定めて、それぞれの施行者がそれに向けて努力をしていくという取り組みをしようとしていると承知しております。 私ども、このような施行者の取り組みを当面見守りながら、やはりその状況が改善されていくことを期待しているということでございます。 ○杉田委員(自民党) 二倍という開きは余りにも大き過ぎるのではないか。 そんな意味からも、これは当然施行者でありますけれども、ぜひ指導助言をお願いしておきたいと思っております。 続きまして、選手費について伺いたいと思います。 選手賞金や諸手当は全国一律のルールに基づいて定められており、固定的な費用であります。 このため、モーターボート競走事業の売り上げの減少に伴って、選手費の開催経費全体に占める割合が、平成三年度の九・九%から、今日に至りましては一三・八%まで上昇しており、売り上げ規模の小さな施行者の収益を圧迫する要因の一つでもあります。 選手賞金は、選手の勝利に対するモチベーションを高め、競技としての魅力を高めるためにも重要な費目であることには変わりはございませんけれども、十七年度の選手の平均収入が約一千八百万円というように聞いておりますが、ほかの公営競技の平均年収と比較しても高額となっているのではないか。 そのあたりを伺いたいと思います。 ○冨士原政府参考人 モーターボート競走選手の収入でございます。 現在、競走選手の平均年収は約千八百万円程度ということになっております。 ほかの公営競技の年収の水準を見てみますと、例えば競輪なんかは一千百万円ぐらいということで、かなり大きな乖離ができているという状況でございます。 また、先ほどの活性化検討委員会でも、ほかの公営競技の選手の年収も考慮しながらやはり選手費についても手をつける必要があるという指摘を受けているところでございます。 ただ、一方で、やはり活性化のためにはスターをつくらなきゃいかぬということがございます。 スターの尺度というのは、やはり年収の問題も一つ大きな要素ということで、すべて軒並みカットすればいいということでは必ずしもないというふうに思いますが、その辺はめり張りをつけながら、全体の平均の年収が下がっていくというような取り組みが必要なのではないかというふうに考えております。 この実施でございますが、現在、平成二十年度までに所要の見直しをするということで、今段階的に平均年収の引き下げを実施しつつあるという状況でございます。 関係者間がこの点についてもしっかり協議をして、適正な水準にソフトランディングさせていくということを期待しているわけでございます。 ○杉田委員(自民党) 二十年度に向けて徐々に改正、それは、先ほど競輪は一千百万円、競艇は一千八百万、この一千八百万の方に向かうんですか、それとも一千百万の方、そういう調整のぐあいというのはいかがでしょうか。 ○冨士原政府参考人 一千八百万円という水準がやはり全体の選手費の割合を上げ、施行者の経営はその結果としてある意味厳しくなっているということでありますから、やはり千八百万円を引き下げるという方向で、平均年収を引き下げるという方向で調整をしていくということでございます。 ○杉田委員(自民党) 次に、管理費について伺ってまいります。 平成三年度では三八%、十六年度に至りますと五三・七%まで増加をしております。 先ほどもありましたが、外部委託の実施は収支の改善に資するものであると考えておりますし、広く外部委託を可能とすることが、またこれからの時代、適当であろうとも思っております。 そこで、今回の法案により、民間活力を利用するため、競走実施事務の一部を除き、民間に委託できるようになるということでございますが、具体的にはどこまでの業務を委託することが可能なのかお伺いをしたい。 さらに、例えば競艇場の本場におきまして、競技審判等の業務は競走会にしか委託できませんけれども、舟券の作成など、その他の一般管理事務は民間に委託ができるものなのか。 さらに加えまして、全国各地にある場外舟券発売場、ボートピアですね、このボートピアの施設のオーナー等を民間、私人に直接委託が可能になるのか。 合わせて三点お伺いをいたします。 ○冨士原政府参考人 まず、今回、私人委託することができる範囲でございます。 基本的には三つの事務に分けられるというふうに思っております。 一つは、施行者が固有に責任を持ってやらなければいけない部分、これは、競走の開催日時でありますとか競走の種類とか、そういう競走の根幹に係る部分でございます。 それからもう一つは、競走の実施、競技の実施に係るものでございまして、これは、いわゆる選手、ボート等の出走前検査とか、それから審判、それから選手の管理等を行うものでございます。 それからもう一つが、その他の事務でございまして、これは、舟券の発売、それから警備、広報等の事務。大きく分けると、三つに分けられるんだろうと思っております。 まず、御質問がございました競技の実務に係る部分、これはまさに競走の公平性の、コアの部分でございます。 これについては、従来同様に、競走会に限って、これは競走会しかできないという整理でございます。 それから、施行者の固有事務と称しておりますけれども、競走の日時とか番組編成でありますとか、そういう基本的な計画は施行者が直接行わなければならないということでございます。 そして、その他の競走に関する事務については私人に委託をすることができるという整理にいたしております。 具体的に申し上げますと、舟券の発売、払い戻し、それから広報宣伝、あるいは競走場の警備というような事務がその対象になるというふうに考えております。 それから、ボートピアについてはどうなのかという御質問がございました。 基本的にはボートピアも競走場と同様でございまして、舟券の発売等の事務あるいは警備に関する事務等を私人に対して委託することができるということでございます。 ○杉田委員(自民党) 続きまして、日本船舶振興会への交付金の見直しについて伺ってまいります。 もともと、施行者を代表する全国モーターボート施行者協議会は、昭和三十七年から改正されていないモーターボート競走法、いわゆる日本船舶振興会への交付金を現在の売上金額に見合った区分に見直すべきだ、及び交付率を引き下げることを要望してまいりました。 ここに至りまして、現在の交付率三・三%から、先ほどの御答弁にありました二・六二%に至る。額まで提示をされておられましたが、約六十億、六十一億の減額である。 このことは、施行者側にとりましては、交付金の負担が軽減されるということで大いに期待をするところでありますけれども、六十一億になんなんとする使途についての多くは競艇振興センターに拠出をされるというように聞いております。 施行者にはほとんど残らないということと理解していいのか。 そしてまた、その競艇振興センターの概要と事業内容についてお伺いをいたします。 ○冨士原政府参考人 競艇振興センターについてでございますが、基本的にはこれは、業界活性化のための組織をつくらなければならないという状況の中で、業界の活性化を担う組織として想定されているものでございます。 大きく分けて、基本的には二つの柱を持つということで現在検討が進められていると承知しております。 一つは、モーターボート競走を広くPRするための全国的な広報活動の拠点とする。 それから二つ目は、広域発売を推進していくということでございまして、これは、舟券の発売を競走場以外の、いわゆる場外発売場あるいは電話投票、インターネット等、発売チャンネルを多様化し、拡大していく、その方向でこの振興センターというのは活動していくんだという方向で現在検討されているというふうに承知をしております。 そしてまた、その資金的な措置をどうするのかという御質問でございます。 当然、今回交付金率を下げることによって、六十億円余り、これはあくまでも十七年度のデータをベースにそれを今の交付金率に引き直すとそれだけのお金が捻出できるという試算でございますけれども、実際それがどうなるかというのはまたもう一つよくわからないところがあるわけですが、いずれにしても、その程度の規模の金額が捻出されるということでございます。 それをどういう形でその活性化の資金に充てていくのか。 全部充てるということはないだろうというふうに思っておりますが、それをどういう形で、各施行者が将来のための活性化投資として負担していくのかということについては、現在、まだ調整が行われているところだというふうに承知をしております。 ○杉田委員(自民党) ぜひ厳しい経営状況下にある施行者に、なるべく手元に還元されますよう、要望も踏まえまして御指導を賜りたいと思っておりますが、いかがお考えでしょうか。 ○冨士原政府参考人 基本的には、まず施行者同士でどういう結論が出るかということを私どもとしては見守ってまいりたいと思っておりますが、競艇のいわゆる関係業界、今、現に施行している施行者全体で何とかしていこうという努力をしているわけでありますから、当然のことながら、収益状況の悪いあるいは売り上げ規模の小さいところについては、やはりそれなりの適当なあるいは妥当な配慮というのがあってもいいのかなというふうに私ども考えております。 その辺は、まず施行者間でどのような結論が出てくるか、それを聞いた上で、私どもとして何か意見を言うべきところがあれば意見も申し上げさせていただくというふうに考えております。 ○杉田委員(自民党) ぜひ御配慮をお願いいたします。 さて、次ですが、他の公営競技におきましては、売上額に対する同様の団体への交付金率はおおむね三%。にもかかわらず、今回、このモーターボート競走法においては二・六%としている。 その理由というものは何なのか。 また、今回の改正に至った経緯につきましてもあわせてお伺いをいたします。 ○冨士原政府参考人 今回の交付金率の見直しについては二つございまして、一つは、やはりモーターボート競走全体の売り上げが減少する中で、厳しさを増している施行者の経営をどうやって立て直していくのかという中で、やはり交付金率に手をつけざるを得ないというのが一点でありますし、それから、平成十七年末のいわゆる行革関連の閣議決定でございますが、そこで交付金率の見直しもやるべきだというような御指摘も受けているということもございまして、今回、交付金率の見直しを行ったというのが現状でございます。 それで、なぜ二・六%なのかということでございますが、基本的な考え方は、やはり当初この交付金率が決められたときから現在までのインフレ、価格変動がございます。 そういう状況を踏まえて、まずそれを見直すというのが最初のスタートでございますが、一方で、やはり現在の非常に厳しい施行者の状況を考えますと、それだけで十分なのかという話もございまして、特に、売り上げの小さな、非常に厳しい収益状況にある施行者に対して十分な対策を打つということからいくと、さらにもう一歩踏み込む必要があるだろうということで、今回二・六%ということで見直しを行ったということでございます。 ○杉田委員(自民党) そのことによって交付金が減少される。 船舶振興会への助成事業というものが行われてまいりましたけれども、この助成事業に支障を来すおそれはあるのかないのか、その点をお伺いいたします。 ○冨士原政府参考人 日本船舶振興会、これまで交付金を使って非常に多様な公益事業を実施してきております。 非常に身近なところでも、いわゆる日本船舶振興会の行ったさまざまな助成に接している方は多いのではないかというふうに思います。 ただ、一方で、日本船舶振興会はあくまでもモーターボート競走から上がる収益の一部を使っていくということでございます。 ピーク時には、平成三年度、七百億を超える交付金がございました。 したがって、非常に大きな規模の金額を公益事業に対して振り向けていたわけでございますが、現在、一兆円を切るという状況の中で、交付金の金額も十七年度ベースで見ますと三百億ちょっと、約三百二十億ぐらいのところまで縮小してきているというのが現状でございます。 ただ、一方で、それはそれで、やはりそういう状況の中で、対象の重点化とか、さまざまな努力をしながら、公益的な効果は上がるように努力をしてきたというのが現状だろうと思っております。 そして、今回の見直しの中で、交付金率が下がりますので、当然のことながら、日本船舶振興会への交付金もかなり下がるということになります。 ただ、それはそれとして、みんなで努力してモーターボート競走を何とかしていこうという枠組みの中で決まった話でありますから、そこはさらにこれまでの努力を研ぎ澄ませて、一層重点化あるいは効率的な事業運営をやっていくという中で、従来同様の公益的な事業をやっていけるように、我々としては期待をしているということでございます。 ○杉田委員(自民党) ぜひこの助成事業、今日まで多くの恩恵をこうむってきた団体、地方自治体もございます、この助成事業に陰りがないような、そうした運営というものを図っていただきたいと願わせていただく一人であります。 さて、最後の質問でありますけれども、本事業、モーターボート競走事業というのは、今日まで、レジャー市場あるいは娯楽市場そしてまたギャンブル市場というように、多くの場で皆さんに親しまれてきました。 しかし、残念ながら、その人気は低落傾向にあります。 現在、日本人のライフスタイルあるいは嗜好そしてまた余暇の過ごし方等々、多様化している今日の中で、これからもこのモーターボート競走事業というものが、しっかりとした運営というものを図っていくべきであると私自身は考えておる一人であります。 四十五年ぶりというこの法改正に当たりまして、今後とも時代の変化を踏まえて持続的に発展するには、さらに適時適切な見直しを行っていくことが必要であろうと考えておりますけれども、最後に御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 ○望月義夫 国土交通副大臣 杉田先生のおっしゃったように、昭和三十七年以来四十五年ぶりという、大変長い間安定していたんですけれども、最近の状況から、今般の改正では、競走の実施に係る規定の整備、それから日本船舶振興会の交付金、このことにつきましては、さまざまな関係者の皆様方が並々ならぬ努力をなさっていただいたということを漏れ伺っております、あるいはまた、関係法人の組織及び業務等、モーターボート競走の制度全般について幅広く見直したところでございます。 今般の改正の結果、競走事業の活性化による幅広い公益目的の実現という所期の目的が十分達成できているか等の観点から、先生が御心配いただいておりますようなことがないように、五年以内に検討を行う、こういうことに新しくさせていただくことに決めさせていただきました。 ○塩谷委員長 次に、高木陽介君。 ○高木陽介委員(公明党) 公明党の高木陽介でございます。 まず、このモーターボート競走のこれまで果たしてきた役割、この競艇というのがこれまで地方財政の改善や公益振興にどれぐらい寄与してきたかということについて伺いたいと思います。 ○冨士原政府参考人 モーターボート競走、昭和二十七年に始まってから五十年余りの歴史を積み重ねてきたわけであります。 その間、その売り上げの一部は、船舶技術の開発、社会福祉事業の支援、国際社会への貢献等幅広い公益事業の振興、あるいは施行しております施行者自治体における地域住民の福祉の増進等に活用されてきたということでございます。 二十七年以降のこれらの事業に対する拠出の累計を見ますと、公益事業の振興に対しまして延べ一兆七千億円、それから自治体の財政に対して三兆七千億円の貢献をしてきているということでございます。 ○高木(陽)委員(公明党) 今回の改正の要因の一つであると思うんですけれども、そのモーターボート競走について、経営の状況の変化はどのようなものなのか、または施行者の経営状況はどうなっているのか、さらにはモーターボート競走会の経営状況、これについて具体的にお示しをいただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 まず、施行者について御説明させていただきたいと思います。 売上額全体を見ると、平成三年度二兆二千億円、これがピークでございました。 平成十七年度は九千七百億円、約五六%の減少ということでございます。 施行者の開催の収益状況を見てみますと、平成三年度千七百二十一億円の開催収益がございました。 収益率は七・七%でございます。 それが、平成十六年度には百二十九億円、収益率一・三%まで落ち込んだということであります。 その後、施行者のさまざまな自助努力がございまして、平成十七年度には開催収益が百九十七億円、収益率が約二・〇%というところまで回復しておりますけれども、依然として赤字施行者が四十一施行者中六施行者あるというのが施行者の現状でございます。 それから、モーターボート競走会について見ますと、平成十七年度、各県に十八の競走会があるわけでございますが、そのうち十競走会が赤字という状況でございます。 非常に厳しい状況にあるということでございまして、競走会全体としても約二千万円の赤字というのが現状でございます。 ○高木(陽)委員(公明党) ピーク時の売り上げは現在でもう半分以上減っている。 さらには、収益を見ますと、もっと大変な状況になっているということですね。 地方財政の改善、公益振興への貢献という目的、そういうことから考えますと、非常に憂慮するべき事態である。 今回、モーターボート競走法の改正なんですけれども、公営ギャンブルというのは、競艇だけではなくて、競馬、競輪、オートレース、いろいろあります。 今国会では他の公営競技についても関係の法律の改正案も出されていると思うんですけれども、それぞれ、競艇も、またはそのほかの競輪、競馬等々、生い立ち、その他の経緯、いろいろと異なるところがあると思うんですけれども、公営競技の中でこのモーターボート競走はどのような位置を占めているか、こういうふうに認識することは大切だと思うんですね。 そこで、このモーターボート競走の現状とそのほかの公営競技の現状を比較した場合どうなっているのか、これをお伺いしたいと思います。 ○冨士原政府参考人 まず、十七年度の売り上げベースで各公営競技がどのような状況になっているのかという相対的な比較について御説明をしたいと思います。 まず、一番売り上げが多いのが中央競馬でございます。 これは十七年度二兆八千九百億円ということであります。 二番目が競艇でございまして、先ほど来御説明申し上げているとおり、九千七百億円の売り上げであります。 その次が競輪でございまして、競艇よりも約一千億円少ない八千八百億円という状況であります。 地方競馬はぐっと減りまして三千七百億円、オートレースについては一千百億円、こういう順番になっております。 時系列的な変化というのを見てみますと、一番善戦しているのが中央競馬でございます。 これも御想像のとおりでございますが、ピーク時が平成八年でございまして、このときの売り上げが四兆円でございました。 その後、やはり減少傾向をたどっておりまして、先ほど御説明申し上げましたように、十七年度二兆八千九百億円、約二兆九千億円ということになっております。 それでもピーク時に比べまして約七三%ということであります。 中央競馬以外の公営競技、競輪、地方競馬、オートレースとあるわけでありますが、モーターボート競走とほとんど同様の減少の傾向が見られるということでございます。 平成三年度が大体ピークでございまして、十七年度における売り上げをピーク時と比較いたしますと、競輪が四五%、競艇が四四%でございますので、大体同じような減り方をしている。 地方競馬が三七%、オートレースが三二%でございまして、地方競馬、オートレースは、競輪あるいは競艇に比べてはるかに大きな落ち込みを示しているというのが現在の公営競技の現状でございます。 ○高木(陽)委員(公明党) 今、中央競馬が最もいい状況ですけれども、それでもピーク時から比べると七三%という状況である。 これは、公営ギャンブルというのはなかなか身近なものではないというふうに思われている方が多いと思うんですね。 ところが、中央競馬を見ますと、かなり努力しているなと。 お金があるからかもしれませんけれども、CMもやっている、またテレビ中継もやられている。 さらに、公営ギャンブルの中で一般の新聞のスポーツ欄に載るというのは競馬だけなんですね。 競艇も競輪もオートレースもスポーツ紙等々には載るんですけれども、いわゆる朝日、毎日、読売、日経、こういった一般紙のスポーツ欄で公営ギャンブルが載るのは競馬だけだ。 こういった点からも、やはり歴史の問題等々いろいろあると思うんですけれども、それぞれ施行者または競走会等々いろいろと努力もされてきていると思うんですが、やはりここら辺のところは、何ゆえにこれだけ売り上げまたは入場者数の減少、さらには収益が減っているのか。 こういった原因というものをしっかりと見きわめた上でないと、幾らいろいろなことを手を打って法改正をしても余り意味がないなというふうに思うんですけれども、その分析についてお聞かせ願いたいと思います。 ○冨士原政府参考人 バブルの崩壊後、経済状況、非常に悪い状況が続きまして、特に家計における可処分所得が低下を続けたということでございます、財布のひもがかたくなったということ。 それから、国民のライフスタイルとか嗜好の変化というのも、ここ十年、二十年の間に大きく変わってきたんじゃないかというふうに考えております。 そして、こういう環境の変化に、先ほど御指摘のあったような、ある意味、広報に対する努力の欠如でありますとか、ないそでは振れないというところもあるわけでございますけれども、公営競技全体としてそれに対する対応が必ずしも十分ではなかったということだろうというふうに思っております。 ○高木(陽)委員(公明党) バブル崩壊後のライフスタイルの変化等々、いろいろと今指摘をされましたけれども、やはり状況というのは刻々と変わっている。 これは何も公営ギャンブルだけじゃなくて、民間の企業の経営というのは、そういう時代状況に即応して、例えば国民のニーズに合う、消費者のニーズに合う商品を出していくわけですね。 こういうモーターボート競走、競艇ですとか、またそのほかの公営ギャンブルも、レースをやって、それぞれの券を買ってもらう、投票券を買ってもらう、こういうようなシステムで、なかなか同じような形式の中で絶えず新しい商品を出す、こういうふうにうまくはいかないわけですね。 だからこそ、そういった中でどういう手が打てるか。 そんな中で、今回、関係者といろいろと検討もしてきたと思うんですけれども、検討の上で今回の法改正ということになったと思うんですけれども、今回の法改正、これで一体モーターボート競走をどのように改革していくのか。この点についてわかりやすくお話ししていただきたいと思います。 ○冨士原政府参考人 改革の方向でございますが、何をやるにも、まず施行者自身の経営がきちっとしていなければいけないという現実がございまして、このために、今回の改革の中で重要な柱として施行者の経営基盤の強化ということを挙げているわけでございます。 このために、交付金制度の見直しでありますとかあるいは競走実施事務の私人委託等の環境整備を行いまして、まず施行者がきちっとした経営基盤の上で事業ができるような体制をつくっていくというのが第一点でございます。 それからもう一つは、やはり競艇の魅力をどうやって上げていくのかということに尽きるというふうに考えております。 今回の法改正では、重勝式の投票法の導入など、モーターボート競走の魅力向上につながる制度改正も行うこととしております。 今後は、こうした制度の活用によります新たなファン層の拡大、あるいは民間委託制度を活用した広報、マーケティングの導入等、売り上げ向上に向けて各般の努力を関係者がやっていく必要があるだろうというふうに思っております。 ○高木(陽)委員(公明党) ただいま答弁にありましたように、施行者の経営基盤の強化、また売り上げの向上、こういうのを柱にして改革を進めなければいけない。その上で、今回の法改正では、交付金制度の見直し、または競走実施事務のいわゆる私人に対する委託制度の導入、または重勝式の導入、こういった改正点があるんですけれども、実は、これはモーターボート競走が初めて行うわけじゃないんですね。 今例として挙げたような三点について言えば、地方競馬においてはもうやっているんです。 競輪、オートレースにおいては、交付金制度の見直し、競走実施事務の私人への委託制度、これについて、近年、法改正で既に見直しが行われている。 他の公営競技についてはモーターボート競走に先駆けてやっていて、そういった中で、なぜ競艇、モーターボート競走についてこういう見直しがほかと比べて実施されてこなかったのか、その理由について伺いたいと思います。 ○冨士原政府参考人 ただいま御指摘がございましたように、競艇と同様の状況にございます競輪あるいはオートレース等では、競艇に先行してさまざまな措置が講じられております。 この背景でございますが、先ほど各競技の現状それからこれまでの歩みというのを御説明させていただきましたけれども、やはりモーターボート競走はほかの公営競技に比べて悪くなるのが比較的遅かったという現実がございます。 これは、例えば競輪と比べてみますと、いわゆる競走場というのは競輪の半分ぐらいしかございません。 一方で、売り上げについては競輪よりも若干多いという意味で、その集中度が高いということもございまして、全体として、施行者の収益が悪化するという状況が競輪とちょっとおくれてやってきたという状況でございます。 したがって、私どもは、そういう状況を踏まえて、また既に競輪等が実施している措置も参考にしながら、モーターボート競走をどうやって立て直していくのかという措置を今回講じさせていただきたいということでございます。 ○高木(陽)委員(公明党) モーターボート競走について、ほかの公営競技ほど収益の悪化がなかったわけですね。 逆に言えば、悪化してからやるんじゃなくて、悪化する前に手を打つことが大切だと思うんですね、傾向はあったわけですから。 そういった中で、今回の改正をてこにして、またいろいろと手を打たれていくわけですけれども、先ほど、売り上げの向上に向けて、重勝式投票法の導入などモーターボート競走の魅力向上につながる法制度改正を行うとしているけれども、その一環として、払戻金についても若干、制度の見直しを行うと伺っております。 では、今回、この重勝式投票法の導入また払戻金について見直しを行うこととした理由、これはどのようなものなのか。 また、ほかの公営競技はどうなっているかについてもお尋ねをしたいと思います。 ○冨士原政府参考人 モーターボート競走におきます勝舟投票法というのは、現在、単勝式、複勝式、連勝単式、連勝複式というメニューになっております。 この中で、競走の売り上げが長期低落傾向にある中で、ファン離れ等の問題も深刻化しているということで、やはり施行者が創意工夫をして魅力ある商品を顧客に提供していく、そういう工夫の余地をつくっていく必要があるだろうということで、今回、勝舟投票の選択の幅を広げる投票法として重勝式の投票法、これは同一の日に二つ以上の競走について同一の投票法で投票するという仕組みでございますが、これを導入することとしたということでございます。 これはどういう効果があるのかというふうに考えますと、やはり非常に安い、低額を投入してかなりのスリルを味わえるといいますか、むしろ大きな金で大もうけしようということではなくて、比較的小さな金で十分楽しめるということで、底辺の拡大につながるのではないかというふうに私どもも期待をしているわけであります。 それから、払戻金の率の見直しでございます。 的中者に対する払戻金というのは、百分の七十五に相当する額と現在されているわけでございます。 この払戻金率というのはレースの商品特性を決める重要な要素でございまして、これについて一定の自由裁量を施行者に対して与えるということも考えております。 平成十六年に競馬法で競馬についてこの措置が講じられてございまして、七五%の払い戻し率を基本としているわけでございますが、単勝式投票法の一部について特例的に五%上乗せを認めているというようなことも行っております。 このような工夫も今後考えていく必要があるのではないかということでございます。 競輪、オートレースについても、今回の制度見直しの中で、モーターボート競走法と同じように、重勝式投票法の導入それから払い戻し率の上限の引き上げというのが行われる予定であるというふうに承知をしております。 ○高木(陽)委員(公明党) 今お話のありました重勝式投票法、スリルがあるというふうに局長のお話がありましたけれども、モーターボートというのはもともと六隻で競走するわけですね。 ですから、結構当たりやすい、ほかの競馬等々と比べると当たりやすい傾向がございますけれども、そういった中で、逆にスリルを味わうということで新たな商品を出すということ、これはこれで企業経営としては当たり前の感覚なんですけれども、公営ギャンブルという観点から考えますと、射幸心を余りあおり過ぎるというのはどうなのかな、こういう指摘は結構あると思うんですね。 例えば、競馬の方も三連複、三連単というような形でありまして、一レースで百円の券で十万円になっちゃうわけですね。 結構すごいなとは思うんですけれども、逆にそういうのに射幸心をあおってしまう、こういった問題点。 ここら辺のところについてはどのように考えているのか、改めてお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕 ○冨士原政府参考人 先生御指摘のとおりでございますが、競艇の場合に、六艇が走って競走するということで、そもそも倍率が低く、そのかわり的中率も高いという競走上の特性を持っております。 そういう意味で、今回、重勝式の投票を採用しても、競馬で見られるような大変な高額になるということはないだろうとは思っておりますが、それでも、ファンの射幸心を過度にあおるということはやはり差し控えるべきだろうというふうに考えております。 このために、重勝式投票法の種類につきましては、国土交通省令で規定をいたしまして、その種類を的確な範囲に限定したいというふうに考えております。 また、払戻金率については、国土交通大臣が上限を定めて、その範囲内で施行者が定めることができるということにしようというふうに考えているわけでございます。 また、払戻金額についても、その最高限度額を国土交通省令で定めて、過度の射幸心をあおるということがないように措置をしてまいりたいというふうに考えております。 実は、この重勝式の舟券でございますが、先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、過度の射幸心をあおるという側面も懸念される一方で、そんなにお小遣いのない人でも何か楽しみができるといういい側面もあるのかなというふうに考えておりまして、そういう意味では、私どもとしては、競艇の底辺拡大にぜひつながっていただきたいというふうに期待をしているわけでございます。 今回の法改正におきましては、競走の活性化のための施策の導入とあわせて、御指摘のように、射幸心を著しくあおらないようにとの観点からの措置も講じるということでございまして、特段問題を生じることはないのではないかというふうに考えております。 ○高木(陽)委員(公明党) 射幸心の問題というのは、これは公営ギャンブルにずっとついて回る話だと思うので、この点については絶えずチェックをしていただきたいなと思うんですね。 ただ、先ほどから何度か申し上げているように、民間企業でいえば、新たな商品を出して、そして消費者のニーズに合わせていろいろとやっていく。 だから、レースをやって券を買ってもらうしかないわけですから、いわゆる商品として見れば。 この点はなかなか、いろいろと重勝式を入れたり工夫をしているという、これも理解できると思います。 だから、そこら辺の兼ね合いというものをしっかり見ていくことが必要であろう、このように思いますので、よろしくお願いいたします。 それで、時間の関係上、ちょっと幾つか質問を飛ばしまして、今回の法律改正の中で、法律の目的規定また公益振興事業を行う指定法人の目的規定について変更を行ったと思うんですけれども、この理由について伺いたいと思います。 ○冨士原政府参考人 そもそもモーターボート競走法が制定された当時は、海にかかわる基本的な民間のインフラでございます船舶等の製造事業等の振興を一号交付金による振興の対象としてございました。 ただ、もう一つ、二号交付金というのがございまして、二号交付金は一般の公益福祉事業に対して充てられるという整理でございます。 この一号交付金の対象については、近年のさまざまな社会的変化があるというふうに考えております。 そして、現実に見てみますと、船舶の製造のみならず、あるいは海運、船員等の海事分野で広く業種横断的な取り組み、これは海事クラスターというふうに我々は称しておりますけれども、そういう横断的な取り組みの中で、やはり日本の海事基盤を強化していくという取り組みがさまざま行われるというような状況が生まれております。 また、近年、海洋に関する社会的関心というのが非常に高まっているというふうに認識しておりまして、このような海事関連事業の振興の必要性を踏まえながら、今回の目的規定の見直しをさせていただいたということでございます。 したがって、一号交付金については、従来よりも広く、これはいわゆる海事関連の事業の振興のために使っていくんだということでございます。 それに伴う二号交付金との整理も今回行っております。 結果を申し上げますと、一号交付金を船舶製造を初めとする海事振興、これはいわゆる青少年教育を含む海事思想の普及を含むという形で整理をいたしました 二号交付金といたしまして、観光、体育、その他の公益振興という形で整理をしているところでございます。 また、この振興会の業務の再整理に伴いまして、振興会の目的あるいは法律の趣旨に関する規定についても影響を受けましたので、それについて必要な改正を今回行うこととしたわけでございます。 以上御説明申し上げましたように、今回のいわゆる目的規定等の改正は、社会的な今日的な情勢の変化を踏まえて事業の整理を行ったということでございます。 ○高木(陽)委員(公明党) 公営ギャンブルというのは公がやっている、こういう認識でいきますと、やはり何のためにギャンブルを公営でやっているのか。 そもそもギャンブルというのは結構厳しい目で見られるのは当然なんですけれども、最後に大臣にお伺いしたいのは、今回の法改正を通じて、厳しい目がございますから、より一層、公正性の確保または公益への貢献、これが図られるようになることが重要であると思うんですけれども、この点について、大臣に最後にお考えをお伺いして、質問を終わりたいと思います。 ○冬柴国務大臣 本質的に、このモーターボート競走を公に行うということは、これの究極の目的が公益を目的としているからでございます。 したがいまして、今御指摘がありましたように、公益の部分、今回の改正によりまして若干その部分については減少するわけでございますけれども、反面、これも公益に続くと思いますけれども、地方公共団体に対する交付金が増額になるということで、これが健全に運営されるならば、公益目的は十分達成されるだろうと思います。 今後も、モーターボート競技がその目的に沿って発展するように頑張っていきたいと思います。 ○ 西銘恒三郎 委員長代理 糸川正晃君。 ○糸川正晃委員(国民新党) 国民新党の糸川正晃でございます。 本日は、モーターボート競走について質問させていただきたいんですが、私の地元にも福井県の三国というところに競艇場がございまして、非常に関心のあるところでございます。 今回のモーターボート競走法の改正というところでは、昭和三十七年の改正以来、約四十五年ぶりの実質改正というように伺っております。 これだけの長い間改正されなかった法律を改正するからには、それ相応の状況の変化、必要性というものが生じてきたんだろうというふうに思うわけでございます。 そこで、まず、モーターボート競走の売り上げそして入場者数の減少が続いている原因についてお聞かせいただければというふうに思います。 ○冨士原政府参考人 モーターボート競走は、バブルの崩壊と合わせて、非常に大幅な売り上げの減少を続けているということでございます。 こうした売り上げの背景は、やはり長く続きました景気の低迷、それに伴う家計の可処分所得の低下、一方で、社会的な変化によります国民のライフスタイルや嗜好の変化、あるいはレジャーの多様化ということがあったんだろうというふうに思っています。 そういう状況の変化に必ずしも公営競技がきちんと対応し切れていないというところに問題があったんだろうというふうに考えております。 ○糸川委員(国民新党) 先ほども申し上げましたけれども、私の地元にモーターボート競走の施行者が存在するわけでございまして、御説明いただきましたように、売り上げそして収益が非常に減少している、こういうことでございます。施行者自身が厳しい経営状況に置かれている、こういうことは非常に憂慮すべき事態であるというふうに思います。 先ほど高木委員への答弁の中にも、今、赤字施行者が、平成十六年度の四十三施行者中十五施行者であったものが、平成十七年度は四十一施行者中六施行者に減少しているというような答弁がございました。 では、なぜこれだけ減ったのか。 十七年度に赤字施行者がこれだけ減少している要因について御説明いただけますでしょうか。 ○冨士原政府参考人 今回、法改正を行うわけでありますが、この見直しに先立ちまして、やはり各施行者が、従事員の賃金でありますとか管理費に手を入れるということで、収益構造の改善に向けて相当な努力をしてきております。 これが平成十七年度に赤字施行者が減少した要因の一つであるというふうに考えております。 具体的に申し上げますと、従事員の賃金の総額を見てみますと、平成十六年度は二百四十三億円でございました。 これは売上金額の約二・四%に相当するわけでございますが、これが平成十七年度には二百五億円に減少しているということで、売上金額の二・一%ということであります。 これはやはり売り上げの減少に合わせて相当の努力を施行者もしたということでございまして、その結果として、平成十七年度の開催収益二・〇%、まだ全然十分ではありませんけれども、前年の一・三%よりは改善をしたということでございます。 ○糸川委員(国民新党) では、先ほどからお話ししている三国競艇の現状について、資料を見ておりましても、そして自分で足を運んでみましても、非常に厳しい現状がございますが、ここの施行者の現状、これについても御説明をいただけますか。 ○冨士原政府参考人 三国競艇場の現状でございます。 最近の売り上げ状況を見てみますと、平成十五年度が二百三十六億円でございます。 平成十六年度二百二十三億円、平成十七年度が二百二十二億円でございます。 したがって、十六、十七はほぼ横ばいという状況でございます。 施行者の開催収益を見てみますと、平成十五年度が九億二千万円の赤字でございました。 平成十六年度が六億円でございます。 平成十七年度は二億五千万円ということで、いわゆる赤字の幅というのは着実に減少してきているわけでございまして、ここは施行者もやはり相当の努力をしているんだろうというふうに思います。 ただ、依然として赤字であるという状況が続いているということでございます。 今般の法改正によりまして、私人への委託制度の導入でありますとか交付金制度の見直しを行います。 また、競艇事業の活性化に向けての対策あるいは努力もこれから一層力を入れていくということで、三国競艇場についても収益がこれから好転していくということを私どもも期待しております。 ○糸川委員(国民新党) 今御説明いただいたように、三国競艇、近年赤字が続いておりまして、非常に気がかりでもございます。 そこで、今回の法改正の一つの柱でございます、施行者から日本船舶振興会に対する交付金制度の見直しが行われるということでございますが、日本船舶振興会においては、交付金を原資に公益振興事業というものを行っているということでございます。 このような資金の確保も重要でありますけれども、一方、施行者があって初めてモーターボート競走というものが成り立っている、そしてその施行者の経営基盤の強化というものがやはり課題になってくるのであろうというふうに思います。 これは、今回、交付金の見直しによりまして施行者の負担軽減が図られるというふうに考えられますけれども、当然、施行者の経営基盤と、そしてその地域の振興というものもつながっていかなければならないというふうに思うわけでございますが、大臣、今回の法案によって施行者の収支状況の改善に実際どのように取り組まれるつもりか。 その結果、地域振興につながっていくと私は思っているんですが、大臣の御所見をお伺いできますでしょうか。 ○冬柴国務大臣 今般の法改正は、近年のモーターボート競走の売上金の低迷、それから施行者の厳しい収支状況を踏まえまして、公正性や安全性を維持しつつ、より効率的かつ魅力的な競走事業を実現して、モーターボート競走法の目的である公益事業の振興、地方財政の改善を将来にわたっても実現していこうというものでございます。 施行者の収支改善につきましては、具体的には、私人委託を可能とする等により施行者の事業運営の合理化を推進するとともに、払い戻し率やかけの方式について施行者の選択の幅をふやすことによって、ファンの視点に立った弾力的な競走の運営を可能とするように措置をいたすものでございます。 また、日本船舶振興会への交付金を定める別表の見直しを、先ほど言われました、四十五年ぶりの見直しでございます。 交付金率を平成十七年度実質ベースで三・三から二・六へ引き下げる、これによって約六十数億円というものが変わってくるわけでございまして、これによって事業者も均てんされるわけでございますが、赤字が続く施行者について、その交付金の支払いを一時、一定期間猶予するという制度も今回改めて導入したわけでございます。 十七年度で減ったとはいえ、六事業者の方が赤字だということで、その金額も億単位のお金でございますので、大変つらいというふうに思うんです。 そういうものについても、納入猶予というようなものを今回導入いたしまして、赤字施行者の経営再建の支援をしようということでございます。 このことによりまして、健全なモーターボート競技場というものが維持され、また再生するということによって、地域における雇用機会の創出とか、これは非常に大きなものがあると思います。 私の地元にも尼崎競艇という、これは相当大きな規模でございますけれども、その競艇が開かれるときには、市民に迷惑がかからないように、周辺の道路の車両の整理、そういうものでたくさんの警備員が出まして、雇用創出もあります。 そのほか、祭りを、その場所を借りて、雨がかからない天蓋が、大きなものがあるものですから、市民は、競艇を楽しむだけではなしに、子供もおじいちゃん、おばあちゃんもそういう場所でお祭りだとかあるいはそのときの出店とか、私も、競艇は行きませんけれども、そういう機会には必ずあいさつに伺って、市民と触れ合う競艇場というものがあるわけでございまして、こういうものが健全に、地域に溶け込むことによって私はその目的を大きく達成できるのではないかというふうに思っております。 ○糸川委員(国民新党) ぜひ地域振興のために、この後、場外発売場ですか、こういうものについても質問してまいりますけれども、やはり地元の理解というものがないとなかなか成功しない。 地元密着で、こんな競艇場が来ちゃったじゃなくて、ぜひ来てもらいたいとまた言ってもらえるような、そういうモーターボートの競技場、そしてその近隣の開発、そういうものも含めて考えていただきたいなというふうに思うわけでございます。 それでは、もう余り時間もございませんので、この場外発売場、通常ボートピア、こういうふうに言っておるようでございますけれども、その設置について、今回の改正の中では、場外発売場の設置を許可制というふうにしておりますけれども、その理由について御答弁いただけますでしょうか。 ○冨士原政府参考人 今回、場外発売場の設置を許可制といたします。 その理由でございますが、現在、場外発売場の設置については、省令に基づきまして、大臣の設置の妥当性についての確認を受けるということになってございます。 この大臣の確認制度は、場外発売場の位置、構造、設備等に対して基準に適合しているかどうかということを確認するわけでございます。 しかしながら、今後は、競走実施事務の私人委託制度ができます。 したがいまして、場外発売場を民間会社が運営するというようなこともできる。 これまでは基本的には施行者が運営をやっておりましたので、今回はその委託を受けて民間会社がやるようなことも考えられるということがございまして、また、大臣による設置許可の取り消しあるいは命令等の監督規定をきちっと備えるという意味も含めまして、今回、適切に場外発売場を監督していく上で許可制を設けるのが適当だろうというふうに判断したわけでございます。 ○糸川委員(国民新党) 今回、私人委託制度を導入するということで、逆に地元との調整が難しくなってくるんじゃないのかな。やはり民間ですから、そういうところで微妙な地元との調整というものが出てくるんじゃないのかなと。 そこで、場外発売場の設置に当たって、地元との調整をどのように今後図らせるおつもりなのか、お聞かせいただけますか。 ○冨士原政府参考人 場外発売場の設置に当たりましては、設備的な問題も当然あるわけでございますが、まず地元との調整というのが大事だというふうに考えております。 今回、許可制を導入するという場合におきましても、やはりその運用に当たっては、地元との調整がきちんと行われているということをしっかり指導してまいりたいというふうに考えております。 現行の大臣確認制度のもとでは、地元との調整につきましては、場外発売場の所在する市町村の自治会の同意でありますとか、市町村長の同意、あるいは市町村の議会が反対していないというようなことをもって、地元との調整がとれていると判断するというふうに運用しているわけでございます。 今後の運用につきましても、基本はこれになるわけでございますが、他の公営競技における運用でありますとか、関係機関との調整、これは警察等になりますが、図りながら適切に運用をしてまいりたいというふうに考えております。 私人に委託されるというのは、あくまでも券の発売でありますとか払い戻しでありますとか、そういう事務でございます。 最終的には、やはり施行者がその辺については責任を持ってやっていただかなきゃいかぬというところでございまして、今後の地元との調整についても、やはり関係者がその調整がとれるように努力をしていくということが大事だというふうに考えております。 ○糸川委員(国民新党) 場外発売場については、大臣、ぜひ引き続き適切な監督を行っていただきたい。 場外発売場の許可制の導入というものが、やはり私人委託制度の導入と関係があるとのことでございましたけれども、モーターボート競走、これは健全な公営競技でもございますけれども、一方で、ギャンブル性が非常に高い、そういう性格を有するものですから、このような私人委託制度の導入に関しては、やはり問題のある関係者、そういう方々が関与しないように慎重な対応というものが必要だというふうに思いますので、ぜひ大臣、そこはしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 もうほとんど時間がございませんので、大臣に最後にお尋ねをしたいんですが、今回の法改正によりまして、どのようにモーターボート競走の改革を進めていかれるのか、御所見を最後にお伺いして、終わりたいと思います。 ○冬柴国務大臣 大きく二点あると思います。 一つは、施行者の経営基盤の強化でございます。今回の改正におきまして、交付金制度の見直しや、その納付の猶予というような制度も入れました、それから競走実施事務の委託というものを導入いたしました。 こういうものを通じまして、施行者の経営基盤を強化していきたいというふうに思います。 もう一つは、モーターボート競走の活性化でございます。 今回の法改正では、重勝式の投票法の導入など、モーターボート競走の魅力向上につながる制度改正も行うこととしております。 こうした制度の活用によりまして、新たなファンの獲得のほか、広報とかマーケティングの民間委託によりまして、民間のノウハウを活用した売り上げ向上の施策が展開されるのではないかというふうに期待をいたしております。 このような二点、大きくですけれども、改正を通じまして、関係者の取り組みが推進され、そして最大限の努力をなされることにより、健全な、そして公益の図られる競技として発展していくように頑張っていきたいというふうに思います。 ○糸川委員(国民新党) もう質問は終わりますが、大臣、このモーターボート競走、なかなか厳しい現状があるということが本日もわかっております。 ですから、例えば相当規制緩和をしても、客離れというものが戻ってくるとはなかなか思えません。 ですから、そういうところを積極的に、大臣も競艇場へまた足を運んでいただいたり、いろいろなところを見ていただいて、イメージアップもやはり大事だと思います。 ですから、そういうところもしっかり取り組んでいただいて、そして最終的には地域振興につながるように、リーダーシップを発揮していただきたいというふうに思います。 ○塩谷委員長 次に、穀田恵二君。 ○穀田恵二委員(日本共産党) モーターボート競走は、もともと刑法で禁止している賭博及び富くじ販売の特例として、地方自治体のみ認められている公営ギャンブルの一つです。 青少年への悪影響、家庭崩壊や勤労意欲を低下させるなど、害悪は免れないと私は考えます。 地方財政の改善を目的としてきましたけれども、売り上げはピーク時の半分以下に減少し、二〇〇五年度には、四十一施行者中、一般会計への繰り出しができない施行者が十六、赤字施行者は六、撤退する自治体も生まれています。 このまま続けるのが妥当か、再検討が必要な時期に来ています。 売り上げ拡大策として場外舟券売り場の設置やナイター営業の拡大が進められているが、多くの地域で住民や自治体の反対運動も起こっています。 こうした中で、昨年七月にモーターボート競走事業活性化検討委員会が報告書を取りまとめ、これに基づく具体化として本改正案が提案されました。 検討委員会について聞きます。 今述べましたように、競艇事業をめぐってはさまざまな意見があるわけです。 検討委員会には、事業に反対したり抜本的見直しを求める立場の代表者は参加したのか。 そして、検討に当たり、こうした人々の意見を聞いたのか。 活性化推進を求める意見しか聞いていないんじゃないか。 この点についてまずお聞きします。 ○冨士原政府参考人 まず、モーターボート競走事業活性化検討委員会の性格でございますが、競走を取り巻く厳しい状況、施行者の売り上げ減少等の現実を踏まえて、競艇事業をどのように活性化させていくのか、施行者をどうやって元気にしていくのかという視点で開催された委員会でございます。 さまざまな問題点を検討し、その改善方策を考えるということでございまして、基本的には、委員の皆様方というのは、競艇に理解のある学識経験者、あるいはファンの方、それから業界関係者に御出席をいただいて、議論をさせていただいたということでございます。 したがいまして、その性格上、先生御指摘のような方々というのは本委員会には参加をしておりません。 ○穀田委員(日本共産党) 結局、賛成、推進派の立場からの改正案づくりの方策として行われたということなんですね。 やはりギャンブルとしての負の部分について一顧だにしないというのはだめですよ。 したがって、改正案には、国民的検討とは違って、背を向けたさまざまな悪い内容が盛り込まれていると指摘せざるを得ない。 大体、そういう話をしたときでも、国民のそういう意見をもっと聞いて、賛成反対含めて話を聞くのが私は筋だと思います。 検討委員会の報告書は、簡単に言えば、売り上げを伸ばす、それから支出を少なくするという柱になっているわけです。 したがって、収支改善のために人件費、選手費、管理費を削減すると強調し、こうした削減の第一に外部委託の推進を掲げています。 法案では、民間や施行者以外の自治体への委託を可能としています。 先ほど述べたように、この競艇というのは地方自治体にのみ認められていて、自治体が責任を持って実施することが公正さの保障であって、ギャンブルに伴う弊害の抑制になるとされてきたわけだが、民間委託になれば、施行者の責任があいまいになって公正さが保障されなくなりはしないか。青少年への悪影響や競艇場、場外舟券売り場周辺の環境悪化を助長し、ギャンブルの害悪を一層強めることになるのではないかという懸念が持たれますが、その点はどう考えますか。 ○冬柴国務大臣 私人委託によって大きな目的というものが毀損されるのではないかという御指摘でございますが、私人に委託できる事務というのは限局いたしておりまして、舟券の発売、払い戻し、警備、それから広報、今まで欠けていた部分でございますが、それら私人のいろいろなノウハウ、能力というものを、今までの地方自治体にはないそういうものをここへ導入しようということでございます。 そのほか、施設の管理、そういういわば作業実施に伴う部分だけでございまして、競走の実施に関する基本的な部分は施行者固有の事務として、その部分は動きません。 そして、他の、競走会に限定的に委託する事務としては、選手、ボート等の出走前の検査とか審判とか選手の管理というものはそういう人たちに委託できますが、これは私人ではありません。 そういう意味で、今まで自治体が施行者として競艇事業を行っていたからそこが担保されているんだという委員の御主張はいささかも曲げられない、今回の改正でも曲げられないというふうに私は思っています。 ○穀田委員(日本共産党) 固有の事務であって、簡単に言えば、今、最後に大臣のお話があったように、責任は施行者にあるというふうに判断していいと思います。 そうだとすると、私は厳格に指導を求めたいと思っています。 それは、先ほども各委員からお話がありましたが、やはり営利本位の民間委託になれば、射幸心をあおるような販売や広告が予想されるし、場内場外の秩序の維持や未成年チェックなども責任を持って行えるかということでいいますと、私は疑問だということは言っておきたいと思います。 そこで、民間委託によってどうなるかという問題について少し議論をしましょう。 全国で七千人に上る競走場従事者の雇用打ち切りや労働条件悪化につながるおそれがあるんじゃないかと私は危惧しています。 オートレースや競輪は二〇〇二年の改正で民間委託できるようになって、各地で雇用問題が発生しています。 北九州市では、競輪事業の民間委託で、発売、払い戻しに従事する三百五十人全員が解雇されました。 委託先への再雇用のあっせんもあったが、余りにも賃金が低く、当初は七人しか応募がなかったと言われています。 北九州の若松競艇場で舟券販売、払い戻し業務を行っている労働者の皆さんから要請がありました。 次のような内容です。 競輪と同様に、民間委託されたら、仕事がなくなるか、賃金が安過ぎて、生活が脅かされる。 そもそも賃金は年々引き下げられて、既に年収は半分ぐらいに減っている。 競輪の民間委託のときは競艇場への再雇用が行われたが、競艇まで民間委託されたらどうなるのか、大変不安だ。 これ以上下がったら住宅ローンも払えなくなる、民間委託は撤回してほしい、こういう意見でした。 愛知県の常滑の競艇の労働者の皆さんからも同様な訴えがありました。 三十年近く発売、払い戻しをしてきたベテラン労働者の皆さんの働きが地方自治体の一般会計への繰り入れ収入を支えてきたわけです。 施行者である自治体は当然、雇用者として、労働者が生活できなくなる、路頭に迷うようなことにならない、そういう点での責任を果たすべきだと私は思うんですね。 ベテランの職員さんがいてこそ、窓口での苦情やトラブルにも適切に対処できるし、したがって、公正で円滑な事業運営に支障を来してはならないと私は思っているんですが、その点、大臣の御所見を伺いたい。 ○冬柴国務大臣 売り上げが激減してきたということは委員も御承知のとおりでございますし、その激減の理由というのが、バブルの崩壊、尼崎では、大震災によってそこへ行く公共交通機関が全部途絶しちゃったんですね、そういうこととか、あるいは震災後の経済の疲弊等で他の競艇場とは比べ物にならないほどの激減をしたわけです。 そういうところで、先ほど来お話がありましたように、多くの事業者の中で、十五とか、最近非常な努力をして六になった。 その六になったというのも、そういう人件費を、いろいろな形で経営努力をしてそういうふうになっているというわけであります。 したがいまして、我々は今回、舟券の発売、払い戻しとか広報等の事務を私人に委託できるような道を開きましたけれども、しかし、それをやるかやらないかは事業者の経営判断によって行われるわけでございます。 今までできなかったことをやり得るという道を開いたことは事実でございますけれども、ここは自治体が、経営の合理化としてこういうものを導入できるかどうか、これは地域の住民の十分な御理解を得ながらしかできないと思うんですね。 特に、競艇場の場合、開催日には周辺の地域に多くの車が、あるいは他の地域からたくさんの人が寄ってこられるわけです。 そういう意味で、交通渋滞とか、あるいは多くの人々が、勝つ人ばかりじゃありませんので、勝たない人は相当精神の安定を欠く人もありまして、大変迷惑を受けるわけです。 したがいまして、警備員の配置とかいろいろやっておりますけれども、その人たちはどこの人かといえば、地元の人が多いわけです。 したがいまして、そう簡単に、これをやったからすぐにこれが変わるというわけではありません。 しかしながら、運営している事業者の経理状態というのが大変苦しい。 大きな赤字、億単位の赤字を出しているというところを改善しなきゃならないということも、これを継続する以上は絶対必要だろうと思います。 そこら辺の兼ね合いを、事業者の方の判断によって住民の理解を得ながら実現させていく、その道を開くというのが今回の改正であると御理解をいただきたいと思います。 ○穀田委員(日本共産党) 二つありまして、施行者の判断と住民の理解。 それで、随分努力してきている現実があるんです。 お聞きしますと、例えば、江戸川なんかの場合でいいますと、九一年末でいいますと、一時金の額は六十五万四千円だったものが、〇五年には二十万ほど下がっているんです。 そんなふうにずっと労働者のところにはそれなりにしわ寄せをやってきて、この結果なんです。 何か言うと、すぐ、バランスを欠いているとか、二倍だとか三倍だとか、差があるという話を皆さんはしますけれども、もっと長い目で見ると、収入が減っているという現実があって、その合理化の上にさらに人減らしが来たんじゃ大変だよということを私は言っているわけです。 きょうは、もう一点、場外舟券売り場について聞きたいと思うんです。 今後、丸ごと民間委託ができるようになっていきますと、ますます設置が進むでしょう。 報告書では、場外発売場の積極的整備を引き続き推進するとして、二つ言っています。 手続の透明性向上や手続の簡素化です。 法案では、透明性の向上の方については、法律上の規定がなかった場外発売場の設置について大臣の許可制を導入することになっているわけですが、もう一方、手続の簡素化についてはどのような措置をとるんですか。 ○冨士原政府参考人 場外発売場の設置手続についての御質問でございます。 今回、場外発売場の設置については、許可制に係らしめるということで、手続を明確化するということでございます。 手続の簡素化についても指摘を受けているところでございます。 特に、地元の調整等について、今までいろいろと私ども、地元と十分な調整をした上で設置を認めていくということでこれまで運用をさせていただいてまいりました。 これについても、基本的には、地元の同意の重視という姿勢は変えるつもりはございません。 一方で、他の公営競技における運用のあり方あるいは関係機関との調整等もございますので、その辺等の動向も見ながら、今後とも適切な運用方法を考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。 ○穀田委員(日本共産党) これまで国は、場外舟券売り場の設置に当たっては、地元住民の理解が得られるように努め、今もお話があったように、十分な地元調整が必要だと指導してきました。 北側前大臣は、ボートピアというのは、先ほども冬柴さんからありましたように、人がたくさん集まる、その施設の周辺への影響を当然考慮する必要がある、設置に当たって、設置者は当然のこととして地元の住民の理解が得られるように努めなければいけないし、また地元調整が十分に行われることが必要だと国会で答弁しています。 今度も、今、さらに舟券売り場の設置拡大が目指されているときに、住民の意思が反映されるよう、そして十分地元調整が必要だという点では、ますます重要ではないかと私は考えているんです。 その辺、冬柴大臣についても同様の見解だと思うんですが、改めて確認しておきたいと思います。 ○冬柴国務大臣 全く同様の考えであります。 変えません。 ○穀田委員(日本共産党) では、その内容で変えないとなりますと、現在、国交大臣がボートピアの設置の確認を行う際には三つの条件がありまして、地元自治会(町内会)の同意、市町村の長の同意、市町村議会が反対を議決していないこと、このことでもって地元合意を確認するとの運用が行われています。 法改正後もこの運用は変わらないのですか、確認したいと思います。 ○冬柴国務大臣 私どもはそれを踏襲しようと思いますけれども、ただ、ほかの競技、例えば競馬とか競輪それからオートレース、同じようなものがありますが、そういうものについて、これがどうなっているのか。 例えば、競艇の場合は今言った三要件がありますが、競馬の場合は、首長か自治会のいずれかの同意でいいとか、また議会が反対なら同意は無効とか、ちょっと違うんですね。 それから競輪、オートでは議会については特に何もないとか、そういうものがありまして、特にそれは、濫用されるような形になれば別ですけれども、私は、こういうものは維持しながら、今までの長い歴史もありますし、周辺の住民の同意というものがどういうことで形成されるのか、それをどういうふうに認めるのか。 例えば、首長さんが賛成すればもう住民は全部賛成したと見ていいのかどうかという点、これは非常にきめ細かくやってきていると思うんですね。 ですから、そういうものを大事にしながら、愛される競艇であるべきだと思います。 ただし、これが確固不動なのかと言われますと、ほかとの関係があり、そして非常に難しいことになった場合にこれでいいのかどうかということは再考しなきゃならない場合があるかもわかりませんけれども、今のところはこれでいいと私は思っています。 ○穀田委員(日本共産党) 日ごろの大臣の発言にしては、えらい持って回った言い方ですよね。 ほかとの関係というのは、ほかがもし緩いんだったら、ほかを上げさせたらよろしい。 そういうふうにどんといくことが大事なんですよね、住民が大事なんだというのであれば。 先ほど来、その被害の問題について、一番詳しく実例を述べたのは大臣が初めてですよ。 それは尼崎を控えているということがあるから、よくわかってますわな。 そういう大臣にしては、次の話がえらい紆余曲折をうろうろしている、そんな感じがしますよね。 私は、三要件を堅持するとともに、もう一つ、民主的な要件が大事じゃないかと思っているんですね。 といいますのは、これまでも地元自治会、町内会の合意を、極めて恣意的に運用されて、それが反映されなかった例があります。 京都府南部、八幡市、ことし四月にオープン予定のボートピア八幡について、皆さんに配付した資料を見ていただきたいと思うんです。 資料のような経過で地元調整、申請確認が行われたけれども、さまざまな問題が起こっています。 資料の三枚目を見ますと、(2)ということで、平成十六年七月に役員会をする。 ところが、(4)にありますように、地元住民の民意を反映した意思決定を行うよう指導ということで、説明会それから総会をやり直しせざるを得なかったんですね。 (7)で出していますように、六区では、これは対応する自治会の名前ですが、六区では七十九班中出席班長六名で説明会。 さらに(9)に、やり直した平成十七年三月の総会の投票で同意が決まったと報告されているんですが、申請が出て、国交省に問い合わせて、ようやく今度は議事録が国交省に問い合わせて公表された、班長さんが知らないところで決まったことになっている。 三月三十一日の六区、今言っていますような総会には、八幡市会議員、巌さんという方がオブザーバー参加しているんですが、彼の総務常任委員会での発言によれば、投票が途中で打ち切られたために実際には十六人しか投票していないのを確認している、投票箱も何もなく、内容が丸見えの状態で、集まった投票用紙を確認したところ、反対一、白票が十五であった、賛成の二十六票は実際には投票せず帰っていった人たちを賛成とみなしている、このことを先ほど述べた総務常任委員会で指摘しているわけですけれども、それに対して、当局からも、事実に反するという答弁も抗議も今に至るまでない、こういうことがあるんですね。 つまり、住民の手続というものをどう見るのかということが極めて大事な問題なんですね。 そこで、実は、平成十七年二月二十八日の予算委員会八分科会、国土交通省所管の中で、当時の政府参考人は、「民主的な形でこれが進められたかどうかということを私どもとしては判断するつもりにしております。」つまり、民主的手続が得られたかということを判断するつもりだというふうに述べているわけであります。 さらに、この問題について、国交省が判断するわけだから、責任を持たなければならないということについても言っておられるんですね。 だから、今私が言っていますような、そういうやり方というのは極めて異例な形で進んでいる。 その点でも、私は、民主的な手続が必要なんだということを改めて問いたいんですけれども、その点はいかがですか。 ○冨士原政府参考人 やはり地元の民意を反映するという意味で、どういうプロセスでその合意がなされたのかということは非常に大事な点なんだろうというふうに我々も思っております。 ○穀田委員(日本共産党) 今とても大事な発言がありました。 正当な民意を反映したかどうかというのは、民主的プロセスを大事にすると。 これはきちっと守っていただきたいと思っています。 その根本は何かということは、大臣、最後は確認しておきたいんですが、例えば、当時北側さんは、「住民の方々の実質的な同意を得ることが必要」ということを述べているんですが、それは変わりありませんね。 ○冬柴国務大臣 大臣の言葉に二言はないと思います。 私もそうです。 ○穀田委員(日本共産党) そこで、実はその後半にこう言っているんですね。 「実質的な同意を得るためには、当然、大切な情報が広く住民の方々に周知されていないといけないわけでございますし、また、その地元住民の同意というのが、多くの方々の意向を反映していると言えるようなものでなければならないと思います。」こう言っているんですね。 これはとても大切なんですよ。 私は、今、手続簡素化じゃなくて規制こそ必要だ、こういうものが出る際には。 やはり最初が大事なんですね。 例えば、大臣、私、実際にこれをやってみてわかったんですけれども、海事局というのは、例えばこういうところがありますね、ここにモーターボートの舟券売り場ができるといったら、そこだけなんですよね。 例えば、道路がこうあって、ここに学校があるとか、ここに通学路がある、ここで一番被害を受けるところじゃなくて、当該の自治会みたいな形で、極めて限定的にやるんですね。 だから、そうなってくると、大切な情報ということと同意ということからしまして、一番被害を受ける、そういうことを含めた広い範囲でとるんだということが大事じゃないかと私は思うんですね。 何もだだっ広くやれと言っているんじゃなくて、実際に被害を受けるところということを含めて地元の同意と経過が必要だと思うんですが、いかがですか、そこだけ。 ○冬柴国務大臣 地元でそれが開催されることによって、被害というか影響を大きく受ける、そういう地域については、そこの住民の理解が得られることが非常に大事だと私も認識をいたしております。 一人残らずということを言われると、これはわかりません。 しかし、本当に、先ほどの北側大臣が言いました、大部分の方がそれについて御了解をいただく、理解をいただく、これが大事だと思います。 そうじゃないと円滑な運営はできないということは事実でございます。 ○塩谷委員長 次に、長安豊君。 ○長安豊委員(民主党) 民主党の長安豊でございます。 モーターボート競走法の一部を改正する法律案の質疑を行わせていただきます。 先ほど来多くの方からお話がございましたように、このモーターボート競走、競艇により地方財政が多くの部分で補われてきたということはもう論をまたないわけでございます。 一方で、けさの新聞では公示地価が発表されておりましたけれども、九一年以来、平成三年以来、久しぶりにプラスに転じたというような報道がなされておりました。 このモーターボート競走の過去を見てみますと、実は、平成三年、つまり九一年をピークに下がり続けている。 まさにこの公示地価と同じ動きをしてきた。 そういう中にあって、公示地価は上がり始めたけれども、なかなかモーターボート競走は上がってこないという現状にあるわけであります。 そういう中にあって、施行者、つまり地方自治体をこれからもいかに支えていくのか。 また、こういったモーターボート競走の収益によって、公益といいますか福祉にも多くの資金が投入されている。 こういった、我々の生活にとってプラスになることに生かしていくためには、やはり振興を図っていかなければならないというのは、これは与野党問わず、また政府も全く同じ考えだと認識しております。 そういう中にあって、今申し上げましたモーターボート競走を取り巻く事業環境というのは大変厳しい。 その場合に、ではどうするのか。 事業を振興する、つまり売り上げを上げるということがまず一つであります。 それともう一つ、出を削減する、つまり経費を減らして効率のいい経営をさせる。 この二つ、この両輪でいかなければ、当然振興は図れないわけでありますけれども、今般の法改正によって、どのように問題意識を大臣がお持ちになっているのかということをお伺いしたいと思います。 ○冬柴国務大臣 長安議員から大変網羅的に、今回の背景とかお聞きいただきましたので、詳しくなったら、もう途中でとめろと言われればやめますけれども、若干丁寧に説明させていただきます。 モーターボート競走の売上額は、平成三年の二兆二千億、これがピークでした。 それが平成十七年には九千七百億円、実に五六%減少したわけでございます。 開催収益を見てみますと、平成三年の千七百二十一億円、収益率七・七%といった状況から、平成十六年には百二十九億円、収益率一・三%まで落ち込みを見せました。 ところが、平成十七年には、施行者の合理化の努力もありまして、開催収益百九十七億円を獲得し、収益率二%まで回復をいたしました。 しかしながら、赤字施行者の数は、四十一事業者のうち六事業者が赤字ということが事実でございます。 モーターボート競走会につきましては、平成十七年度は、十八の競走会のうち十の競走会が赤字となっております。 競走会全体としては二千億円の赤字となっております。 こうした売り上げの長期低落傾向を背景に、長引く景気の低迷による家計における可処分所得の低下とか消費マインドの冷え込みのほか、国民のライフスタイルや嗜好の変化、レジャーの多様化等があったと考えられます。 中央競馬の売り上げも、競馬ブームの影響で平成八年ピークの四兆円、その後減少傾向があるものの、平成十七年の売り上げは二兆八千九百億円、ピークの七三%でありますが、いずれにしても、そのように減っております。 中央競馬以外の公営競技、競輪、地方競馬、オートレースについて見ますと、モーターボート競走と同様の売り上げ傾向が見られております。 平成三年をやはりピークに、売り上げが年々減少を続け、十七年における売り上げはいずれもピーク時の半分以下、例えば、競輪におきましては四五%、地方競馬は三七%、オートレースは三二%にまで落ち込んでいるわけでございます。 パチンコや宝くじは、手軽さもあって、その売り上げは横ばい、増加傾向と言われております。 こういう背景を踏まえまして、今回の改正に当たりましては、二つの視点から改革に取り組むことにいたしております。 一つは、施行者、地方公共団体ですが、その経営基盤を強化しなければならないという見方であります。 交付金制度の見直しはその一つの大きなものでございます。 そして競走実施事務の私人委託、一部私人委託をできるというものを導入したのもこの目的でございます。 もう一つは、モーターボート競走の活性化ということでございます。 平成三年度以降、急激な売り上げの減少は、バブル経済の崩壊だけではなく、モーターボート競走が、市民の嗜好とかそういうものに対する変化に適切に対応できていないことが要因であるというふうにも考えられます。 今回の法改正で、重勝式の投票法の導入、こういうものによりまして、国民のライフスタイルや嗜好の変化に対応して、モーターボート競走の魅力の向上につながる制度改正も行おうというわけでございます。 これは、当たりの確率がずっと小さくなるんですが、それがゆえに、少額のかけ金で楽しむことができる。 そういう、多くの方々がわずかなお金で、確率が大きいと大きなお金を張ってしまうんですね。 ですから、そうじゃなしに、市民が、多くの人が楽しんでいただくためには、重勝式にもいろいろあるようですけれども、百二十分の一ぐらいまでにすることができるわけです。 そうすると、わずかなかけ金で何回もやりながら楽しんでいただける。 そして、ぱっと当たれば相当なお金になるわけですから、そういう意味で、今の嗜好に合うんじゃないかというふうに期待しているところでございます。 そのほか、こうした制度を活用して新たなファンを獲得するほか、私人のノウハウとか工夫、もうこれは公務員をはるかに超える工夫をされます。 広報、マーケティングというようなもの、民間委託によって民間のノウハウを活用した魅力ある競技にして、国民の期待にこたえられる、そういうことをやろうとしているのが今回の改正でございまして、ちょっと長くなりましたが、背景とその方向について答弁をさせていただきました。 ○長安委員(民主党) 網羅的に御説明いただきましたので、それぞれについて御質問させていただきたいわけでございます。 今お話のあった経営者側の経営改革というものが、ではどのように進んでいるのかということをお伺いしたいわけでありますけれども、今行われているということは、当然、従事員の方がいらっしゃるわけでございます。 その人たちの問題、また、この人たちをどのように適正に配置しているのかという問題もございます。 こういった人にかかわる改革をどのように取り組んでおられるのかということと同時に、さらに重要なのは、当然、今その場で働かれて、生活を営んでおられるわけであります。 そういう方の生活を守るということと両立しなければならない。 よくリストラといいますと首を切る、首を切って減らせば当然経費は減るのは、だれにもわかる話です。 そうではなくて、その方々を守りながらいかに経営を効率化させていくかというこの両立、いかにお考えか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 ○冬柴国務大臣 答弁の前に、ちょっと一カ所だけ訂正させてください。 先ほど競走会全体として二千億と言ったようですが、二千万円の誤りでございます。 〇・二億円と書いてあります、その赤字でございますので、おわびして訂正させてください。 さて、従業員の人件費の削減とか職員の適正配置、方向性を検討する、こういうものについてどうなのかというお尋ねでございますが、人件費の削減につきましては、施行者の全国団体であります全国モーターボート競走施行者協議会におきまして、硬直的な経費構造の見直しの一環として、平成十八年七月でございますが、基本賃金の削減を中心とした対応方針を定めまして、全施行者に対して周知徹底を図ったところでございます。 この対応方針に基づきまして、特に基本賃金が高い競艇場施行者等を中心に、個別に対応をしていられると理解をいたしております。 一方、施行者職員の適正配置等事業実施体制につきましては、今後、全国モーターボート競走施行者協議会におきまして、法改正の、きょうの議論等を踏まえまして、外部委託等の活用方策も含め、合理化に向けて検討を行われるということに期待しています。 いずれにせよ、職員が希望を持って働けるように、合理化だけではなく、活性化のための施策もあわせて実施していくことが非常に重要だというふうに思います。 ○長安委員(民主党) 海事局長の私的懇談会でありますモーターボート競走事業活性化検討委員会から「KYOTEI・ルネッサンス・プラン」ですか、こういうものも出ておるわけであります。 この中で、今大臣からお話しいただいた、事業に関する人の問題、またさらには、どのように振興体制をしいていくかというような報告がなされております。 そういう意味では、この中で、今回の法改正をするに当たって、法改正、国会提出までに策定する、あるいは結論を得るというような記述がございます。 そういったものについて、今、人の改革もございました。 さらには、振興体制についてもお話をさせていただきたいと思っておりますけれども、一般論として、大臣、このモーターボート競走、つまり競艇、これがローマ字でKYOTEIになったわけでありますけれども、それで果たして振興できるのかという議論はあります。 競艇あるいは競輪、競馬、オートレースという、今公営ギャンブルのお話がございましたけれども、この競合相手はどういう業界だと大臣はお考えになりますか。 ○冬柴国務大臣 やはりパチンコじゃないでしょうか。 ○長安委員(民主党) まさにそのとおりです。 今各業界の業績を見てみると、やはり公営ギャンブルと言われるものは、極端に表現すればじり貧、つまり縮小傾向にある。 一方で、パチンコ業界は年々伸びていっているわけであります。 私は、そういう意味では、この公営ギャンブルが今まで、先ほども申し上げましたが、地方自治体に貢献してきた、我々の福祉増進に貢献してきたという観点からすれば、当然また頑張ってほしいという思いでおります。 そのときにまずしなければならないのは、今申し上げました、パチンコ業界が急激に伸びている、どうして伸びているのかという分析を私はしなきゃいけないんだと思うんですね。 私はパチンコ業界の回し者でも何でもありませんけれども、やはり今私の地元でも多くの店舗があります。 そういう意味では、アクセスがいい業界が伸びていくというのは当然だと思いますけれども、それ以上にさまざまな要素があると思います。 例えば、昨今、駐車場で赤ちゃんを放置したなんという事故があったりすると、それは何していた、パチンコに興じていたというような報道が以前もございましたけれども、つまり、女性が行ける娯楽になっているということだと思います。 実際、カップルで行かれている方なんというのも多い。 つまり、男性だけではないというのは、実はおしゃれ感覚になっている部分があると思います。 一方で、公営ギャンブルの場合、一時に比べますと確かに女性客はふえております。 でも、パチンコという勝ち組業界から見てみると、まだまだ女性客の比率が低いのではないかなと思っております。 それと、先ほど大臣からもお話がございました、重勝式導入によって、言葉を悪く言えば、射幸心をあおるというか、もう少しエキサイティングなという表現の方が正しいのかもしれませんけれども、改正を行うんだというお話がございましたけれども、確かにそういった取り組みは必要だと思います。 一方で、この競艇というものの仕組みとパチンコというものの仕組み、つまり、遊ばれる方の感覚がどうかということもぜひお考えいただきたいのは、競艇というのは、例えば百円で舟券を買ったとします。 その時点で収益として二五%まず取られるわけですね。 残りの七五%を配当しますよという仕組みになっている。 一方で、パチンコ業界というのはどうなっているかといいますと、パチンコでもスロットでも同じなんでしょうけれども、コイン一枚二十円で売りますというやり方をしております。 つまり、千円で五十枚。 でも、その時点では幾らも店は取り分はありませんというか、ピンはねしませんというか、収益を取りませんという仕組みをとっている。 今ですと、店によっていろいろな種類があるそうです。 つまり、そのコインを持っていくとまた二十円に戻してくれる、つまり等価交換。 それを経験してしまうと、お客さんからすると、お店はあたかも我々のお金をピンはねしてないんだなという印象に陥るんですね。 実際は、でも、お店が設備投資をできる、従業員を雇えるということは、全体のパイで見れば、幾らかは当然収益として上がっているわけですけれども、個々のお客さんにとってみれば、最初から、頭から二五%取られるという競艇とちょっと感覚が違う。 そこがやはり、若い方々の遊ばれるときの印象は違うんじゃないのかなという気が私はいたします。 それと、昨今、そういった娯楽業界では、パチンコだけでなくて、従業員の教育というものがよく言われます。 つまり、サービスです。 お客様に対して、心地よく遊んでもらえる環境にあるかどうかだと思います。 そこも、やはりこれから競艇業界も、施行者がそういった教育にもお金を投資できる、また、カップルでも遊びに来ていただけるようなおしゃれな、清潔な場内運営ができる、そういったものにお金を注ぎ込める環境をつくっていくということが私は重要だと思っております。 そういう意味では、当然、売り上げをまず上げなければならない、先ほど一番最初に申し上げた話でございます。 この競艇の事業振興ということに関しては、競艇事業推進協議会という組織で議論をされているわけですけれども、これは大臣御存じのように、常設ではなくて非常設です。 この競艇という事業を持続的に成長させていくためには、常設じゃなくて非常設な組織が議論していて果たして他業界に勝てるのか。 今の世の中は、もしかしたら政治の、選挙という世界もそうかもしれません、マーケティングというものの重要性が増しております。 そういう中にあって、市場の動向をつかみ、どのような対策を打たないといけないか、機動的にいかに打っていくかということが問われる時代にあって、このような非常設の組織が議論していくというだけでは不足しているのではないかと私は感じるわけでありますけれども、大臣、御所見をお伺いしたいと思います。 ○冬柴国務大臣 今回は、四十数年ぶりの改正、五十年近くぶりの改正でございまして、そういうものをするについて、先ほどるる長時間にわたって背景とかを説明させていただきましたけれども、専門の方々の御意見を伺って、今回の改正法の企画立案を行ったわけでございます。 ただ、この中で出てきた、民間人に対して、広報とかそれから発券、払い戻しを、事務を委託できる道を開いたということは、こういう人たちは民間人ですから、もちろん営利企業になると思いますね、会社とか。 そうすると、その人たちの感覚で、どうすれば多くの人にこれが愛され、この券が売れるんだろうか、あるいは、どういう広報、マーケティングをすれば人気を得ることができるのかということは、こういう人たちの民間人としての、またそういう専門家としての知恵がそこに入るだろうと思うんですね。 そういうものを不断に聞きながら、今後はこういうことについて、今まで事業者とかが、要するに地方公共団体の職員が主にそういうことをやっていたわけですけれども、そうじゃない、一味違う経営がここに行われるだろうということを期待しているわけでございます。 今委員から御指摘があったような、パチンコ屋さんが、女性の方々がそれに親しんでおられるという事実をおっしゃっていただきましたけれども、そういうことも当然に、こういう民間の人たちに委託をした場合には、どうあればそうなるのか。 それから、接客態度といいますか、これはサービスなんだということで、社員教育等も、服装から態度から言葉遣いまで教育されるというのは民間の知恵ですから、私は、そういうものに期待をして、一度改正したこれについてしばらく情勢を見た上で、そういう今おっしゃったような委員会を常設にしたらどうかという案についても、それは将来の問題として、貴重な意見として伺っておきたいと思います。 ○長安委員(民主党) 公営ギャンブルというのは、ある意味独占なんですね。 他参入業者が入ってこない。 そういう意味では、振興のしがいのあるというか、振興をうまくやってやれば当然伸びるはずだと思っております。 ここまで落ち込んだのは、当然景気の低迷というものがあったでしょう。 ただ、今まで長年、ある意味、運営形態、あるいはこの法律自体もそうです、さわらずにずっと置いてきた。 その結果、ここまで落ち込んでしまったのかなと思っております。 その中で、確かに競馬では、コマーシャルを流してみたり、またヒーローの馬をつくるといいますか、そういう努力をされているのも私も感じております。 馬のトレーディングカードをつくってそれが人気が出てみたり、有名俳優がコマーシャルに出ているなんというのも、これは一つの知恵だったんだろうと思います。 ただ、もう一ひねりしていかないと、やはり、民間の業者が機動性豊かにやっているさまざまなギャンブルに対して互角に闘っていくためには、さらなる知恵が必要ではないかなと私は思っております。 今後の改革への指針という意味では、この「ルネッサンス・プラン」、いいことがたくさん書いてあると思います。 そういう意味ではいいことが書いてありますけれども、国会提出までに策定するとか、また結論を得るなんて書かれている割には、まだ結論が出ていないようなものもあるとお伺いしております。 この辺について、いかに改革を進めていくのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 ○冨士原政府参考人 御指摘のとおり、私どもの現在の活動といいますか対応のいわば基本的な方向を定めたのがこの検討会の報告書でございます。 実は、さまざまな問題について法律の提出までに整理しようということで提言をいただいているわけでありますが、関係者それぞれの状況もかなり異なる状況にあるということもあって、なかなか最終的にこれですというところまでは来ておりませんが、鋭意さまざまな問題について現在検討を進めているところでございまして、法律の施行とあわせて全体がうまく機能するということになると私は考えております。 それと、先ほど来御指摘のございます、いかにこのPRをやっていくのか、あるいは活性化のための振興活動をどうやっていくのかということについては、これは報告書にも、個々ばらばらにやっても、やはり資金力にも限界がありますし、それではうまくいかないだろうということで、やはりみんなで持ち寄って、全体として大きな効果が上がるような、そういう組織体制をつくるべきだという指摘を受けてございます。 そして、現在、モーターボートの施行者団体は、まずそれを実行すべくいろいろ調整を行っているところでございます。 基本的には、全国の統一団体をつくって、そこが活動の広域化、商圏の広域化を図っていくとか、あるいは全国的なPR活動をやっていくとか、そういうこれからの活性化の中核にしていこうということで今関係者の方向性は一致しておりまして、それに向けての最終的な詰めの作業を今行っているという状況でございます。 ○長安委員(民主党) ぜひ、せっかく出てきたプランですから、有効に活用していただくということが必要ではないかなと思っております。 先ほど、前の委員からもお話がありました、ちょっと重複する部分もございますけれども、オラレ、場外発売場、空き店舗を利用した場外発売場という表現の方がいいかと思いますが、これについてお伺いしたいと思います。 こういった空き店舗を利用した場外発売場というものが設置されれば、当然のことながらファン層がふえていく、つまりすそ野が広がっていくということが予想されるわけであります。 一方で、先ほどもお話があったように、オラレ、場外発売場を設置するとなると、近隣の住民の目というものは当然厳しくなるわけであります。 このオラレの店舗、事業計画を見てみますと、十年間で三百カ所ですか、将来的には一千カ所を目標にという案が出ております。 一方で、今、五年ぐらいでまだ一店舗という次元ですよね。それを考えたときに、果たしてこの目標というのは、実は絵にかいたもちなんじゃないのかということをお伺いしたいのと、また、もし三百あるいは千という目標を立てられるのであれば、それができたときに社会的な影響というものをどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。 ○冨士原政府参考人 ただいま十年以内で三百カ所というような話がございました。 実は、私ども、このオラレについては、このような目標については具体的に承知をしておりません。 いろいろな意見を持っておられる方がいるというふうに承知しておるところであります。 御指摘のとおり、今できているオラレは九州に一カ所だけでございまして、やはり何といっても場外舟券売り場でございますから、地域の理解を得るというようなさまざまな手続が必要でございます。 ただ、このオラレの効果については、ある意味、地域に溶け込んだ場外舟券売り場ということでございまして、ファンのすそ野を広げる意味では非常に大きな効果も期待できるのかなという気がしているところでございます。 ただ、この運用については、やはり地域との問題ということも重視しながらやっていかなきゃならないだろうというふうに考えております。 ○長安委員(民主党) この競艇というものをやはり多くの方々に楽しんでいただかなければならない。 そのためには、やはり事業の情報をいかに開示して国民の皆さんへの透明度を高めていくかということが一番私は重要だと思っております。 そういう中にあって、やはり、事業の今の会計を見ておりますと、企業会計でもなければ、また外部監査というものが充実しているのかというとまだまだ不足していると私は感じておるわけでありますけれども、こういった事業の透明化に対する取り組みについて、大臣の御所見を最後にお伺いしたいと思います。 ○冬柴国務大臣 やはりこれは公益を目的とした事業でございますから、その収支その他は、企業会計原則に基づく財務諸表というものがきちっとあって、だれが見てもその内容を批判できる、どの点に冗費があるのかとか、収支はきちっと合っているのかとか、あるいは、資産の状況は減価償却で現在価格はどれだけあるのか、こういうものがわかるようにして、それを開示されるということが私は必要だと思いますし、また、それが正確に記帳されたかということを監査するということも、公認会計士等の監査を定時に受けるということも非常に大事だと思います。 金額が大きいし、そして、それが公益目的とはいえ、独立して収支というものがわかる以上、その利益となるものを一般会計に繰り出すとしても、その収支なり、どれだけこれが、どういう原価がかかったかということが一般から見えるような透明性を確保することは私は必要だと認識をいたしておりますので、これは、そういう権限は私にはないとは思いますけれども、しかし慫慂はしていかなきゃいけない、その方向であろうと思います。 ○長安委員(民主党) まさに、この事業の収益が何に使われるか、国民の皆さんの生活あるいは福祉の増進に役立っているのかということを国民の皆さんがチェックできる仕組みにしていくことが重要であります。ぜひ御尽力いただきたいと思います。 最後に、先ほどオラレのところで大臣から他の委員に対してお話がございましたけれども、設置基準、条件というものは、他競技も見ている、つまり、競馬の場外発売場、競輪の場外発売場というものも見ながらというお話がございました。 私は、場外発売場というものに関して言えば、競輪、競馬、競艇、オートレース、それが一つの店舗で買えるような仕組みをつくってもいいんじゃないか。 何でも縦割りで、競艇はこの店舗です、競馬はこの店舗ですと別でやる縦割りではなくて、ある意味これだけ、先ほども言いました、パチンコ業界というのは一大産業になっております。 そこと肩を並べていく、背中を見て追いついていくという状況を考えれば、やはりそれぐらいの統合というものを、統合というか協力関係をいかに築いていくかということが将来的な振興につながるのではないかと思っております。 ○塩谷委員長 次に、三日月大造君。 ○三日月委員(民主党) 民主党の三日月大造です。 最後になりましたけれども、私も、このモーターボート競走法改正法案について審議をさせていただきたいと思います。 私の地元滋賀県にも琵琶湖ボートがあります。 先般行ってまいりました。 思っていたよりきれいでした。 ぜひ、一部の人が何か多くのリスクを背負ってやるギャンブル的なものではなく、ギャンブルなんですけれども、しかし、家族、カップル、お年寄りも含めて集える、観光の資産にもなる、地域の祭りとも連動してやる。 先ほど御答弁がありましたけれども、国民に親しまれる公営競技として健全に発展していくことを願う一人として、私も質疑に参加させていただきたいと思いますし、いろいろと課題がある中で、もっとこういうふうに検討すればよかったんじゃないかという先ほど御意見がありましたが、とはいえ、関係者の協議を経て、今回改正法案が出されるということについて、関係者の御努力に敬意を表して、私も賛意を示していきたいというふうに思います。 そういう立場から何点か質問をさせていただきます。 確認のための質問なんですけれども、モーターボート競走会への交付金や、そして公営企業金融公庫への納付金を見直される御予定はないのか。 特に、公営企業金融公庫への納付金については、これは地財法三十二条の二に定められておりまして、地方債の利子補てん、そして公営競技の収益の均てん化というのに役立っていたことは理解をいたします。 しかし、この地財法は、昭和四十五年から平成二十二年までという定めがあることが一つ。 また、公営企業金融公庫自体を改革するための、地方公営企業等金融機構法案というのが今提出をされているというこのタイミング、加えてモーターボート競走法が改正されるというこの時期であるならば、この公営企業金融公庫への納付金というものについても一定見直しが行われてもいいのではないかと思うのです。 この二点、いかがでございましょうか。 ○冨士原政府参考人 公営企業金融公庫への納付金、現在約一%、売り上げの一%が納付されておりまして、それが利子補給財源として機能しているという状況でございます。 今回、一連の見直しが行われているという状況であるわけですが、実は、既に一度この納付金、見直しが行われておりまして、若干下げられております。 あとは赤字施行者に対する還付制度等もございまして、そこは一定の配慮が行われてきているというふうに私どもは理解しております。 ただ、一体この制度を恒久的にどうするんだという問題がございまして、これについては私どもの手にちょっと余るわけでありますが、それは地方財政法の見直しの中で、それぞれの公営企業から交付されているお金を、これをどうやって使っていくのか、あるいは、これで打ちどめにするのかということも含めて、これから議論されていくテーマなのかなというふうに考えております。 ○三日月委員(民主党) モーターボート競走会への交付金についてはいかがですか。 ○冨士原政府参考人 モーターボート競走会への交付金、これは実は省令で定めることになります。 そして、今考えておりますのは、御承知のとおり、モーターボート競走会は非常に厳しい経営状況にあるということであります。 一方で、モーターボート競走会の使命は、これはあくまでも極めて高い公平性それからモラルが求められるということでございまして、ここについて、余り過度の合理化は求められないという限界があるというふうに私ども思っております。 そういう意味でいきますと、今回、モーターボート競走会は、中央の今の全国モーターボート競走会連合会と統合して一つの法人になります。 これは一年後になりますけれども、その中で一定の合理化効果というのは出てくるというふうに期待しておりますが、一方で、それだけで十分なのかという問題がございます。 その辺については、これからの統合の計画あるいは予想される結果も踏まえながら、モーターボート競走会に対する交付金率についても、その状況を、実態を反映したものにしていく必要があるだろうというふうに考えております。 ○三日月委員(民主党) モーターボート競走会への交付金についても、これは規則の十三条に関する別表第三ですか、これは率を見ますと、経営が厳しい施行者ほど率が高いんですね。 十九条交付金とは違うんです。 したがって、実態に合う形で、施行者にとっていかなる形がいいのかということも含めて検討されるということでしたので、その点、ぜひきちんとしていただきたいということが一つ。 公営企業金融公庫への納付金についても、これは総務省ですから手に余るということはあるかもしれませんが、モーターボート競走を所管する国交省からその見直し、せっかく組織が変わるんだったら、この機会に納付金のあり方についても見直していこうという提案をするということぐらいの答弁は私はあってもいいと思うんです。 これはぜひ、大臣もうなずいていらっしゃいますから、しっかりとこの機会にお願いをしたいということが一つ。 それともう一点、違う角度からお伺いしたいんですけれども、この間、皆さんの議論で、これまで公益に資するものが多くあったんだ、一般会計にも繰り出しが行われていたんだということがありました。 これまで一般会計にどれだけ金額として繰り出しをされ、そしてそれはどの分野に充てんをされてきたんですか。 ○冨士原政府参考人 これまでの一般会計への繰り出し、三兆七千億円繰り出されているという御説明をこれまで申し上げました。 それは具体的にどのように使われているのかという御質問でございます。 これは、基本的には施行者がそれをどうやって使うように判断するのかということに係るわけでございますが、大ざっぱに言いますと、土木関係が三六%ぐらいございます。 続きまして、教育関係、その他、その他はぐっと落ちるわけでございますが、その他のいわば高度の公益的な目的に使われているという状況でございます。 ○三日月委員(民主党) いや、現行法の二十条の二でも定められておりますし、改正される法の三十一条ですか、「収益の使途」としてこの使途について規定がなされることになっているのは承知をしているんですが、三兆七千億ほど一般会計に繰り出しがされて、地方の財政にも貢献をし、公益にも資してきたんだ、これは私も理解をします。 そのときに、一般会計に繰り出しをされているにもかかわらず、道路を中心とする土木に何%使われましたとか教育に何%使われましたという、言ってみれば半ばひもつきのような、そして、こういうことに使ってくださいということが施行者と自治体の間で協議されるような、そういう仕組みになっているのかなという素朴な疑問を持つんですけれども、そのあたりのルール、決まり事というのはどのようになっているんですか。 ○冨士原政府参考人 これは法律上、そういう公的な目的に使うようにという規定が設けられております。 基本的には福祉のために使っていくということが施行者に対して求められているということでございます。 もう一般会計に一度繰り入れられてしまいますので、それがどういう形で使われるのかということについては、基本的にその施行者が適当と考える範囲でそれを使っているというのが実情でございます。 ○三日月委員(民主党) わかったようなわからないような御答弁なんですけれども。 しかし、一般会計の繰り出しに関するルール、そしてそれが施行者、地方自治体においてどのように使われているのかというチェックのあり方、このあたりは国で一定ガイドラインを示すとか、そして監視をしていけるような、そういう仕組みが私は必要だと思うんです。 もう一点、私人への委託についても多くの委員の皆さんからお話がありました。 今回、一つの画期的な、公営競技であるんだけれども民間の発想を取り入れるんだということなんです。 とはいえ、公営競技である一部分を私人に委託するわけで、そこの歯どめというのが大事だと思うんですけれども、委託できない事務、委託してはならない相手、これをどのように定められるおつもりかが一点目。 二点目は、例えば、先行して実施をされたオートレースや競輪なんかでもそうなんですけれども、包括的にもう委託をしてしまって、あとは個別の業務ごとにどうなっているかよくわかりませんということでありますとか、委託をした先はあるんだけれども、そこの契約がきちんと交わされていないがために、請け負う業者とそこで働く人たちが全然違う組織に所属をする、指揮命令系統がはっきりしないという職員派遣方式でありますとか、こういう実態もあるというふうに伺っています。 こういった問題にどう対応するのか。 また三番目に、秩序維持ですね。 やはり公営競技、暴力団なりのみ行為も含めて秩序の維持というのが大事だと思うんですけれども、このあたりについて、今、現行法では十七条と二十二条の十一に規定をされています。 秩序の維持や命令ですね。 また、省令、規則にもきちんとこの規定が置かれておりますけれども、このあたりは当然置き続けられる、規定をされると理解してよろしいでしょうか。 以上、三点。 ○冬柴国務大臣 この競走の実施事務は施行者、すなわち地方公共団体がみずから行うということが大原則でございます。 したがいまして、その一部の事務を委託するとかいう場合には、国土交通省令で定める施行者固有事務を除いた部分で、競走法に基づき国土交通大臣の監督を受ける各都道府県のモーターボート競走会に対してのみ与えることができるというのが一つでございます。 それから、外部委託で、先ほど言いましたように、民間人にも委託する道を今回開きましたけれども、それを行うことができるのは、先ほどのモーターボート競走会、これは公的なものですけれども、それ以外の部分でありまして、やれるのは警備とか広報あるいは施設管理とか、それから、もう一つ大きいのはやはり舟券の発売とそして配当の払い戻し、こういうものは民間の活力を導入しようということでございます。 しかし、それについても、これは地方公共団体が固有的に行うということがしんになってここへ今回創設するわけですから、これについてもちゃんと法的な手当てをして、施行規則等で定める。 そして、施行者に対しては、いわゆるその人たちに対する授権をしているわけですから、その部分についてきっちりできているのかどうか。 先ほどおっしゃったように、孫請までやられたら非常にはっきりしない、その一番末端で変なことをやられたのではどうするんだという部分についても、国土交通大臣としては、今度は秩序維持命令というようなものを行使して、開催の停止命令まで留保して、そういうものが起こらないように監督をきちっとしていこうということでございます。 したがいまして、本来は地方公共団体でやるということが原則ですけれども、その一部はそのように限定的に、法的な手当てをしながら、資格もきちっとして、そして、しっ放しではなしに、それがどういうことを行っているか、もし間違ったことがあれば秩序維持命令とかそういうものを行使できるように留保をしているわけでございます。 ○三日月委員(民主党) ぜひそこは、不幸にも改正がおくれたとはいえ、所轄官庁が違うとはいえ、先行事例として競輪やオートレースの事例があるわけで、そこでの問題点もきちんと踏まえた上で、対応、監視のあり方も含めて御検討いただきたいと思うんです。 そこは要請をしておきたいと思います。 指定法人化により設置される船舶等振興機関についてお伺いをいたします。 日本船舶振興会ですね。 これは、行政と連携をしながら、民の立場から公の精神を持って公益に資するいろいろな事業を行っていくんだ、助成をしていくんだと。 そして、その透明性についてもいろいろと指摘をされてきました。 船舶振興会としても、ホームページを立ち上げられたり、情報公開を一生懸命積極的にされているということについては一定理解をいたします。 ただ、私、懸念としてぬぐえないのは、この船舶振興会から助成を受けるさまざまな団体、事業のあり方、そしてそれが、質疑の中でも出てきましたけれども、公務員の方の再就職機関、いわゆる天下り機関になって温存されているんじゃないかという懸念がぬぐえないんです。 まず一点、この船舶振興会が十八年度に助成をする上位六機関、財団法人交通エコロジー・モビリティ財団から財団法人運輸政策研究機構に至るまで、これはどの程度再就職をなさっているか御存じですか。 また、この船舶振興会から助成されるこういう団体についても、事後評価システムをやはり一定設けるべきだと思うんですけれども、この提案についていかがでございましょう。 ○冨士原政府参考人 現状、日本船舶振興会から助成金を出している団体で、国土交通省の職員OBが常勤で勤めている数でございます。 三十八団体、六十九人が再就職をしているということでございます。 ただ、一つ御理解いただきたいのは、この日本船舶振興会は、基本的に公益事業に対して助成をするということになります。 したがって、相手はやはり公益事業をやっている法人になるということでございまして、役人のOBがいるような、公益的な仕事をしているところにどうしても行きがちな傾向が出てくるということでございます。 それが現状でございます。 ○三日月委員(民主党) 今局長からお話があったのは、国土交通省からの再就職です。 私が御質問申し上げたのは、日本船舶振興会から助成をされている上位六機関に公務員の方が何人再就職をされているかということで申し上げれば、私の調べによれば、昨年出された予備的調査によれば、この六機関で六十二名の方が平成十七年四月一日現在で再就職をされているんですね。 公益に資する仕事だから公務員をされていた方が行かれているということもあるのかもしれません。 しかし、今話題になっている透明性を確保するために、チェックをする側の人がチェックをされる側に余り多く再就職をされるという状況は、これは周りから見ていて健全じゃないというふうに思うんです。 その点、ぜひ一度、今私が申し上げた数字も踏まえて実態を調査していただいて、その上で、いかに公正、中立性を確保していくのかという観点から、この船舶等振興機関に対する指導をぜひお願いしたいということを申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ○塩谷委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ○塩谷委員長 討論の申し出がありますので、これを許します。 穀田恵二君。 ○穀田委員(日本共産党) モーターボート競走は、もともと刑法で禁止している賭博及び富くじ販売の特例として、地方自治体のみに認められている公営ギャンブルの一つです。 本改正案は、場内場外の舟券販売や払い戻しなどの業務委託を広く認め、民間企業にギャンブル行為をゆだねるものであり、賛成できません。 営利本位の民間委託になれば、射幸心をあおるような販売や広告が予想され、青少年への悪影響を助長し、ギャンブルの害悪を一層強めることになります。 また、周辺住民、環境に多大な被害をもたらすナイター営業、場外発売場の拡大や、約七千人に上る従事員の雇用打ち切りや労働条件の悪化につながるため反対です。 反対の理由の第二は、本改正案が、今後、場外発売場のさらなる拡大を目指す事業者の要求にこたえるものだからです。 場外発売場の設置については、これまで法律上の規定がないにもかかわらず、省令に基づき国が確認することで認めてきたこと自体が問題です。 今回、法律に根拠規定を置きますが、認可基準は省令で定めることになっており、国交省の意向次第で変更可能です。 今後、法改正により民間委託も可能になり、モーターボート競走事業活性化検討委員会の報告に沿って、積極整備、手続の簡素化が強く打ち出されていることからも、住民意思に反したボートピア設置が拡大するおそれが大きいため賛成できません。 反対の理由の第三は、新たに重勝式投票を追加し、ギャンブル性を高めることになるからです。成年の学生生徒について舟券の購入を可能とする改正についても、教育現場で未成年の学生生徒に悪影響を与える危険性は排除できません。 なお、日本船舶振興会に対する交付金率引き下げは、地方自治体から強く要望されており、当然の措置です。 同時に、交付金のあり方については抜本的な見直しが必要です。 そもそも、日本船舶振興会による交付金の配分は、関係団体への多数の天下りや癒着、利権を生み出しています。 日本船舶振興会の指定法人化や外部監査強化などにより透明化を図ると言いますが、癒着の根源となっている天下りや利権をなくすものではありません。 以上、反対の理由を申し述べ、討論とします。 ○塩谷委員長 これにて討論は終局いたしました。 ○塩谷委員長 これより採決に入ります。 モーターボート競走法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○塩谷委員長 起立多数。 よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ○塩谷委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、中野正志君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。 三日月大造君。 ○三日月委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 モーターボート競走法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 現在のモーターボート競走が置かれている状況及び今回の法改正の趣旨を踏まえ、引き続きモーターボート競走が適切に実施されるよう、必要な環境整備に努めるとともに、真に地域振興に資する公営競技となるよう、施行者の厳しい経営の立て直しに向け、万全を期すること。 二 競走の実施事務を委託する場合にあっては、委託先の選定における公平性、透明性を確保するとともに、無駄な支出を防止するよう、施行者を適切に指導すること。 三 モーターボート競走により得られる収益については、法の趣旨にのっとり、適切かつ適正に使われるよう、施行者に対する指導及び監督を徹底すること。 四 場外発売場を設置しようとする者は、地元との調整を十分に行うよう、適切に指導すること。 五 船舶等振興機関及び競走実施機関の業務について、適切に執行されるよう必要な指導を行うこと。 また、船舶等振興機関及び競走実施機関が、いわゆる天下り機関との指摘を受けることがないよう、配慮すること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。 ○塩谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○塩谷委員長 起立多数。 よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。 国土交通大臣冬柴鐵三君。 ○冬柴国務大臣 モーターボート競走法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。 大変ありがとうございました。(拍手) |