2005年6月20日 彦根市議会定例会 岩崎国次 議員 |
岩崎国次議員(公政会) 質問第1日目も7時を回りました。本日は私が最後とお聞きしておりますので、しばらくしっかりとお聞き願いたいと思います。 今回、私は、先月の市長交替に当たりまして、市民の中には期待する人もおられるし、反面、戸惑いや不安を持っておられる人もいます。 そうした中で、市長交替による市政のあり方についてただすことにしたいと思います。 中でも、市長交替による行政の継続性ということについてお尋ねします。 まず、一般論でございますけれども、市長交替により、前市長の在任中になされた行政行為についての継続性はどのようにお考えであろうか、そのことをお示し願いたいのであります。 次に、やや具体的な場合についてお尋ねしますが、まず最初は、彦根城築城400年記念行事についてであります。 これは、先ほど村岸議員が再質問を通して非常に克明に質問され、一定のご回答は私もお聞きしているわけでございますが、ややニュアンスの違う点もあるかと思いますので、通告に従っての質問をいたします。 このことにつきましては、去る新聞紙上では、市長からのトップダウン方式で云々の記事があり、商工会議所や観光協会など実務的な活動をされる団体の組織・機関などからの批判的な談話を読んだのでありますが、観光都市彦根としては、全市的なイベントであるべき行事についてトップダウン方式なるものはこれまた不安や戸惑いをあおるのではないか、また、職員のやる気をくじくのではないかというような市民の声を聞きますし、私もそういうことを不安に思うものであります。 庁内での今日までの準備体制、つまり実行委員会にも悪影響を及ぼすのではないか。 市長の独裁的な手法への不安が厳しい不満へと変容していくのではないかと、そういうことについて私は憂慮するものでありますが、この辺についての対処をお聞きしたいのであります。 次の例としては、株式会社トランスワードによる原町への企業進出についてであります。 これまた先ほどまでに山口議員を初め複数の議員がお尋ねになりました。 これまた一定の回答はお聞きしているわけでございますが、ややニュアンスを異にすることがありますので、これも通告に従った質問をさせていただきます。 この企業進出につきまして、昨年5月の市長同意を早々と就任以前から撤回予告し、就任日にこれを実行されたのですが、何かパフォーマンスのようなものを私は感じるわけであります。 既に与えられた同意のもとで事業を展開し、さらに将来展望を持って仕事をしている企業や市民もあり、その他多くの関係者もおられるが、あくまでもこのような手法で押し通していくとすれば、このことによって損害や不利益をこうむる立場の企業や人たちへの対処については、市長としては大きな責任なり相当の負担が生じると考えられるのでありますけれども、このことについてお尋ねをいたしておきます。 また、不利益な処分をするのでありますから、不利益を受ける相手方に対して意見を陳述できるような場を設定することは、行政担当者として、法律以前の社会的な常識であろうと私は考えます。 この点についてはいかがでしょうか。 さらにまた最小限、不利益処分の理由提示は明白にして、相手方に納得してもらえるような努力をすべきであると考えますが、このようなことはなさっていないのでありますが、この辺についても確認のためにお尋ねするわけであります。 なお、前市長は、企業からの申請を受け、自身で調査もし、当然のことながら、関係する各分掌部や課等との情報入手や協議、意見の聴取や交換などがなされ、それらを判断材料や参考事項として、最終的には総合的に決裁されたと思うのでありますが、今回の撤回することについて、このような庁内協議はどのようになされたのか。 時間的なことから点検してみましても、恐らくそのようないとまはなかったと思いますけれども、今後において、このような高圧的あるいは独裁的あるいは独善的な市長がまかり通るとすれば、ある種の彦根市政の暗黒時代あるいは氷河期あるいは恐怖政治に陥るのではないかと、そういうことを私は思うものであります。 かつて権力を欲しいままにした政治家と、あるいはファッショ的なことをやった政治家は、結局は部下からも周辺からも見放されて、孤立の中で権力に溺れ、社会から阻害されていくと、そういう運命をたどった人が何人かおるわけであります。 これは例えとしてはスケールが違い過ぎますけれども、賢明な市長はその辺のことをよく思慮されたものと思うのですが、私は、このような市長の手法を憂える1人でありますし、市長は市職員から信頼され慕われる存在であってほしいと思うのであります。 なお、こうしたことは、場外券の発売というような1つのことだけではなく、多くのほかの分野でこのような手法がとられるのではないかという不安は、市役所職員の方あるいは市民の中で既に耳にしていることでありますけれども、こうした状況について、私は市長自身のために心配せざるを得ないのであります。この辺のことについて見解を伺っておきたいわけであります。 繰り返しますけれども、関係の企業や人々へは、同意撤回通告以前に、丁寧で親切な説明なり聴聞がなされるべきであると考えるのが、市民感覚としてはこれは常識であります。 当然の行政手法であると思うわけであります。 なお、先日の施政方針演説ともいうべき提案説明の中で、市長は「今後は、設置同意が行政行為であるのか否か、同意の撤回が認められるのか、撤回による損害発生の有無など、法的な論争に移行していくのではないかと予測しております。」と言われておりますが、法廷論争あるいは法廷闘争では決着にかなりの長時間を要することと思われますし、今回の同意撤回にかかわる裁判云々というようなことよりは、同意撤回そのものをさらに撤回し、今後の行政指導の中で対処される方法が、私は市長としてはより賢明な方法ではなかろうかと思うものであります。 そういうところに、私は、市長の価値づけを考えているわけであります。 また、今年の3月の定例会に至るまで、いわゆる場外発売所設置の反対の請願が過去何回も出されました。 そのたびに、市議会ではその請願を不採択にしております。 つまり、市議会意思は明白であると私は考えております。 私は、市長の政策あるいは政治姿勢や行政手法への賛否とか評価云々以前のこととして、本市定例会におきまして、まず最初にこうした市長の一連の手法についてお尋ねし、また、時によっては反省もお願いしたいと思うわけであります。 なお、場面は変わりますが、最後に、原町におけるこの事業については、これは決して市にとってマイナスのことばかりではないと思いますし、私は、これまた賛成とか反対という以前のこととして、広大な土地の有効な利活用のことを地域住民が企業進出を待って事業熱意をしっかりと持っておられますし、その辺のことを見て、この事業の一日も早い実現を私は考えている、あるいは期待しているものであります。 市長が反対される真の理由は一体どの辺にあるのか、その辺のことを正直なところを最後にお聞かせ願うことにして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 獅山向洋市長 それでは、市長交替による行政行為の継続性について、まずご答弁させていただきます。 これにつきましては、私自身は、行政行為という言葉そのものもなかなか解釈が難しいわけでございますが、この継続性の判断につきましては、やはりケースバイケースによるべきであって、そういう意味で、一般論としてはなかなかご答弁しにくい、どうしても答弁せよとおっしゃるならば、やはりケースバイケースであるというふうにお答えせざるを得ないと思っております。 それでは、続きまして、彦根城築城400年記念行事の手法についてのご質問にお答えしたいと思います。 私の発言につきましては、5月10日の就任直後の記者会見におけるものでございまして、就任当日でございましたので、残念ながら、市役所のどの部局とも協議をしておりませんでした。 また、私自身は、3月市議会において、議員として、本年秋ごろに築城400年祭の実行委員会が発足することは知ることができましたけれども、企画準備委員会の立ち上げを進めているということまでは知ることができなかったわけでございまして、そういう事実認識から、報道関係者の質問に対し、「もしも時間的な余裕がないのであれば」との前置きのもとに、「場合によってはトップダウンという手法もある。」という意見を述べたものでございます。 翌日、そのような新聞報道がございましたので、率直に申し上げまして、市長も担当部局の方もびっくりしたというのが正直なところでございますが、それで担当部局から直ちに報告を受けまして、3月議会以降の進行状況が明らかになりましたので、直ちに関係団体に呼びかけ、実行委員会の前段階となる企画準備委員会を設置したわけでございます。 そして、このような経過で5月31日に企画準備委員会が設立され、各団体選出の委員の方々に全面的な協力をお願いしたところでございまして、実際の検討をいただくワーキング会議も同日開催されたわけでございます。 この問題につきましては、今後は市民や各種団体および行政がそれぞれが持っている英知とノウハウを結集して進めてまいる所存でございますので、どうか皆様方のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。 次に、トランスワードに関する質問にお答えします。 まず、既に与えられた同意のもとで事業を展開している企業や市民があるとのご意見でございますが、この事業に対しましては、かねてから反対意見が存在していることも事実でございます。 また、市長選挙におきましても争点になりましたし、また私が中島市長が行われた同意撤回を公約としていたこともご存じだと思います。 そういう意味で、私は公約を実行しているわけでございまして、逆に言いますと、公約を実行してはいけない理由というものがあるのかどうか、それを明確に示されるべきではないかと思います。 また、損害や不利益をこうむる立場の企業との関係につきましては、現在、双方の代理人間において法的な論争を行っているところでございます。 しかし、まだ損害額に関する論争にまでは至っておりませんので、その旨ご報告しておきたいと思います。 また、確かに株式会社トランスワードの代理人は、設置同意の撤回は不利益処分であると主張しておりますけれども、彦根市としましては、中島前市長の行為は行政行為には該当せず、当然のことながら、撤回は不利益処分に当たらないと主張しているわけでございまして、これは決して社会的な常識の問題ではなく、法的な問題であるということを理解していただきたいと思います。 なお、前市長の行為につきまして、いろいろ述べられましたけれども、この点についてのコメントは差し控えたいと思います。 今回の撤回は、既に申し上げておりますように、市長選挙における公約に基づき撤回したものでございまして、庁内協議を云々する問題でないことは明らかでございます。 また、私自身のこの行為につきまして、独裁的、独善的とおっしゃいますけれども、繰り返しますが、公約に基づいて撤回しているわけです。決して私は独善的あるいは独裁的とは思っておりません。 むしろ、公約を実行することが私の義務であるというふうに考えております。 また、現在行われております法的な論争が裁判になるかどうかは全く別問題でございます。 双方が十分法的な意見交換を尽くした結果、裁判に至ることなく問題が解決した例の方がはるかに多いことでございまして、その点についてもご理解いただきたいと思います。 終わりに、私が場外売場設置に反対する理由は、場外馬券売場のころから議員の時代に至るまでたびたび述べております。簡潔に繰り返しますと、まず何といいましても、周辺住民が反対しておりますし、青少年の育成の障害にもなると考えております。 また、学園都市構想にも反すると考えますし、交通渋滞の原因にもなると思います。 さらに、ギャンブルによる家庭崩壊の可能性が強くなる。 また、私の選挙公約でございますが、「美しい彦根の創造」という観点からいいましても、ギャンブル施設は要らないと考えております。 これらが私の反対する理由でございますので、どうかご理解くださいますようお願いいたします。 以上で私の答弁を終わります。 岩崎国次議員 意見を含めて再質問を申し上げますが、前市長と継続性ということでございますけれども、ケースバイケースと、そのこと自体は私は理解はできますが、例えば場外発売所の件について、後の方で申しましたように、議会意思はこれは現市長さんは十分ご存じであります。 そういう意味で、就任早々のああいう手法よりは、少なくとも6月定例会におきまして、いかに公約といえども、議決機関である議会との協議、これはやはり地方の民主政治としては大事な手法であると、そういうように思うんですけれども、その辺についてご見解をお伺いいたします。 400年祭のことについては、ご答弁、また、先ほどの村岸議員に対するご答弁でわかりましたので、一応次に移りますが、最後に、こういう事業は、交通の問題、青少年の問題、ギャンブルの問題、だから以前から反対しているとおっしゃいました。 そのうちのギャンブルということだけ取り上げてみますと、市内には手ごろなギャンブル、パチンコ屋といいましょうか、毎日のように華やかな広告がどんどん入って、パチンコへいらっしゃい、いらっしゃいと言われています。 ギャンブル性ということで言うならば、短時間の金銭の投資というか、かけるわけですね。 それは、パチンコの方がよほどギャンブル性については高いと私は思うんです。 実は、私もパチンコそのものも、そうですね、若いころはやったことがありますが、ここほとんどごぶさたしておりますし、実感としてはわかりませんが、話を聞きますと、いわゆるギャンブル性というのは、パチンコ、スロットマシーンなどの方がきついと聞いておりますが、そういうことであるならば、市内の多くのパチンコ屋さんに対して市長はどういう見解をお持ちか、これは今後の参考のために、青少年問題とも言われましたけれども、今後、私自身も勉強したいと、そういうことを思いますので、ギャンブル性とおっしゃるのであれば、パチンコ屋さんのことについてのご見解を示していただきたいと。 以上でございます。よろしくお願いします。 獅山向洋市長 再質問にお答えしたいと思います。 確かに議会とは意見が異なっているかもしれません。ただ、それはあくまで請願に対して議会の皆様が判断しておられるわけでありまして、もちろん、その中には、この施設の設置について反対しておられる方もあるわけでございます。 議会がそういう態度をとっておられるから、市長もそれに応じるべきだというようなご見解ではないと思いますが、ややそんなふうに聞こえましたので、私としては、明確な公約として今まで選挙で主張してきて、それに対して公約の実行をしているわけでございまして、こういう場合に、議会と見解が相違しても、それはやむを得ないのではないかと思います。 それと同時に、市長と議会が協議するというご意見でございますけれども、どういう意味で協議するのか。 といいますのは、現にこの6月議会において、議員の皆様方と市長とがいろいろと意見を交換しているわけでございます。 それが私はむしろまさに協議だと思っているわけでございまして、今後、常任委員会においても何らかのご質問が出るかもしれませんが、その中でもやはり議論を尽くしていきたいと、こんなふうに思っているわけでございます。 しかも、これは市民に対して開かれた公開の定例会ということでございますので、こういう議論がなされているということを市民に知っていただくことも非常に大切ではないかと思っております。 そういう点で、私は、市議会と協議すべきという、どういう内容かはよくわかりませんが、私自身は定例会におけるこういう議論のやりとりが協議であるというふうに考えております。 次に、パチンコ屋の件がご質問として出ました。 もちろん、私も若いころ随分パチンコに熱中したことがございまして、負けてばっかりでしたから、自分でも悪いものだということはわかっていながら、なかなかやめられなかった。 正直申しますと、一時、給料の3分の1ぐらいつぎ込んでいたこともございまして、そういう意味で、パチンコのギャンブル性というものは十分認識しております。 しかも、最近はこのパチンコのギャンブル性がさらに強まっておりまして、私は、現在のパチンコについてはいいものだとは全然思っておりません。 しかし、私の経験、簡単に言うと、私は淀競馬場にも行ったことがございます。 その経験からいいますと、のめり込むという意味では、パチンコはある意味で体力的な限界があるんですよ。 ところが、競輪・競馬とか、あるいはモーターボートにつきましては、要はかけるだけでございますから、あんまり体力的に限界がないわけですよ。 また、のめり込み始めると、本当にあらゆるところに出かけていくということでございまして、私自身が取り扱った破産の事件にいたしましても、確かにパチンコによる破産も増えていることは事実でございますが、いわゆる競馬・競輪・モーターボートにのめり込んだ人の方が金額的にははるかに大きくなっているというふうに考えております。 そういう意味で、あんまりパチンコとの比較というのは無意味かもしれませんが、私は、少なくともこういうものが来た場合に、ギャンブル性もさることながら、先ほど申し上げましたようないろいろなことがございますので、そういう意味で、全般的に反対せざるを得ないということでございます。 その点、ひとつご理解いただきたいと思っております。 岩崎国次議員 再々質問ということになりますが、最初の議会と市長との関係でございますが、私が最初の質問で申し上げたのは、就任のその日に、もちろん要望はありましたけれども、実行されるということ、そういう手法が今後心配であると。 少なくとも6月には定例会があるわけですので、もしああいう手段をとられるとしても、ああいう直後の、庁内協議が十分でなかったそういうようなときに出される、この手法について心配の向きがありますので、その辺を確かめました。 ギャンブルについては、謹厳実直な市長もそういうご経験があるということを聞いて、ああ、市長も庶民やなということを思いましたけれども、このことについては私も実は経験もございませんので、ただ、ギャンブル性ということだけを取り上げてみた場合、私の見解はああいう見解を持っているということをお聞き取り願いたいと思います。 以上です。 |