2005年3月11日 彦根市議会定例会 山田多津子議員



山田多津子議員(日本共産党) 

 場外舟券・車券売場問題について質問いたします。

去る2月24日に市民団体から場外舟券・車券売場問題で公開質問状が提出されました。

我が党議員団は今日までにも、交通問題では市民生活に多大な影響を与え、文化学園都市にギャンブル施設などは要らない、そういったことで設置反対の立場を鮮明にしつつ質問をしてきましたが、現時点での進捗状況や手続の問題について改めて質問をいたします。

 1点目といたしまして、市議会で何度か質問がありましたが、開発業者名は公表されていません。

開発業者名と、どのような事業をしている会社かの説明を求めます。

2点目は、「同意」の問題についてお尋ねをいたします。

 市長は今日までの議会答弁で、「業者と県が協議のためのテーブルにつくための同意だ」というふうに説明をされていますけれども、5月26日付の同意書によりますと、条件付ではありますが、設置に同意をされています。

このことについての見解を求めます。

3点目は、国土交通省が設置を許可する際に、当該場外券発売所の所在する市町村の自治会の同意が必要とされており、運用に当たっては、設置場所を区域とする自治会および設置によって影響を受ける範囲内の自治会の同意を求めています。

ここで言う自治会は、単位自治会であり、連合自治会ではありません。

市長は、鳥居本学区自治連合会のみの協定でよいと考えているのでしょうか。

協定があるとされている鳥居本も各単位自治会の総意ではないはずです。

これでは法令に適合していません。

市長は、自らの責任で、少なくともこの施設が影響を及ぼす関係自治会に説明をして、総会での同意を求めなければならないと考えますが、この点についての見解を求めます。

4点目は、場外券売場と複合施設の設置の問題です。

モーターボート競走法施行規則は、場外舟券売場設置の許可基準として、文教施設および医療施設から適当な距離を有し、文教上または衛生上著しい支障を来すおそれがないこととしています。

また、自転車競技法施行規則も同様の内容となっています。

つまり、これは、学生や病人が近づくような場所に場外舟券・車券売場を設置してはならないということの趣旨です。

市長はこの点についてどのように考えておられるのでしょうか。

次に5点目ですが、市長は「複合施設は市外からの誘客も見込める」との説明がありましたが、今日までのどこのギャンブル施設付近でもレースのある日は店を閉めているのが実態です。

つまり、誘客どころか招かざる客が実態となっています。

この点での市長の見解をお聞きいたします。

最後に、市長は、この複合施設で雇用の拡大も見込めるとしていますが、現実の問題として何人ぐらいの雇用が確保できると見込んでおられるのでしょうか、市長の見解を求めます。
 


中島一市長 

場外舟券・車券売場についてのご質問にお答えします。

場外舟券・車券売場設置についてのうち、まず開発業者名とその事業内容についてお答えをいたします。

当該施設の設置につきましては、都市計画法に基づく開発許可を得る必要がありますが、現時点では手続はされておりません。

開発許可制度では、事業者が許可を得られた場合、閲覧に供することができるとされておりまして、これまで許可を得られるまで原則事業者名の公表は行っておりませんが、既に新聞等で報道されていることもありまして、彦根市が掌握している範囲で申し上げますと、事業者は、兵庫県芦屋市に本社を置く株式会社トランスワードで、事業内容といたしましては、プロモーション企画制作、商品開発企画コンサルティング事業等を手がけている会社と聞き及んでおります。

次に、条件付同意の意味についてでありますが、先の場外勝馬投票券発売所設置計画におきましては、彦根市は苦渋の判断により、開発協定を締結した経緯があります。

今回の場外舟券・車券売場発売所は、生活環境等の影響を受ける地元自治会および各種団体と基本協定を締結された上での同意要請であります。

彦根市に対しましても、青少年健全育成、交通・防犯、生活環境等の対処について万全を期することが確約されたことから、条件付で同意したものであります。

次に、周辺単位自治会への説明と同意についてでございますが、
都市計画法に基づく開発許可手続におきましては、周辺自治会等の同意は求めておりません

しかし、彦根市では、彦根市宅地等開発指導要綱を定めまして、事業者は周辺住民に対し開発事業計画を公開し、説明会を開催するよう指導しております。

議員ご指摘の自治会の同意につきましては、
事業者と自治会との基本協定が締結されておりまして、国の設置許可基準を満たしているものと考え、同意したものであります。

また、場外券売場と複合施設との距離についてでございますが、その距離は、国の設置許可基準に基づくものでありますので、計画されている福祉施設からの距離等で
支障があると認められるときは、配置計画等の見直しが行われるものと考えております。

次に、複合施設の誘客に関する見解についてでございますが、議員ご指摘のような問題につきましては、今後の開発申請の段階で関係部局と十分協議を行い、万全を期してまいりたいと考えております。

最後に、複合施設での雇用拡大についてのご質問でありますが、現在、施設規模等具体的な計画が提示されておりませんが、当然管理運営に伴う雇用が見込まれますので、地元住民を優先されるよう指導してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。
 


山田多津子議員 

再質問をさせていただきます。

場外舟券・車券売場についてですけれども、市長にもう一度「同意」の件でお尋ねをしたいと思います。

昨年の6月議会で私の質問に対して市長は、協議をすることに対しての同意をした、そういうふうな答弁をされたというふうに理解をしています。

山口議員の質問に対しても、「先月26日、設置に係る協議を行うための同意をした」というふうに答弁をされているんですけれども、5月26日に提出されたこの同意書をちょっとここで読みますと、先ほど言われた内容と同じかもしれないんですけれども、「彦根市への確約書ならびに地元連合自治会との基本協定に基づき、青少年健全育成交通防犯生活環境対策等の対処について万全を期されることを条件として設置に同意をします」というふうに言われていますけれども、この設置と協議をすることに対して同意をされたというところの違いをもう一度改めてお聞きをしたいと思います。

それから、もう一つ、誘客のことですけれども、雇用の拡大について、具体的にわからないというふうに答弁をいただきましたけれども、そもそも市長が誘客や雇用の拡大が認められるとして同意をしたというふうにさきの議会でも答弁をされているとお聞きしたんですが、その点でもう一度見解を求めたいと思います。
 


中島一市長 

山田議員の再質問、2点ございました。お答えをいたします。

まず1点としまして、協議するための同意と設置同意についてのことでございます。

平成16年6月議会で私は山田議員の再質問にお答えいたしておりますが、基本的には設置することに同意をいたしました。

同意がなければ協議が始まることはあり得ないことから、協議をするための同意と申し上げたわけであります。

同意に当たりましては、事業者より、青少年健全育成、交通・防犯、生活環境対策等の対処について万全を期される旨の確約書が提出され、これを条件として同意したものでございます。

確約事項が履行できなければ、当然同意は無効になるものと考え、設置することに同意したものでございますので、ご理解をいただきたいと思います。

2点目の、市外からの誘客ということでございます。

誘客ということですから、いろんな市外はもちろんですが、市内もあると思いますけれども、今、議員が例えられました、招かれざる客が実態となっているということでございますが、これは、いろんなこれに関連する施設、場外馬券場等もございます。

私もこういったギャンブルそのものについて好きではありません。

しかし、今まで通勤途上でこういったことを見てきた、また、見に行ったこともございます。

すべて招かれざる客というような1つの線で結びつけることはいかがなものでしょうか。

やはり人間を支えるには幾つかの軸がございます。

その中で自己研修がありますが、その反面、レクリエーションというものがございます。

私は、レクリエーションでもって、このギャンブルとイコールという気持ちはございませんけれども、ゆとりを設けるとか、あるいは社交性というものを持つということについては、すべて否定されるべきものではないと思います。

そういった面からいいまして、ある一時的に楽しみを共有したいということで来られる客もあると思っておりますので、私は、そういった面におきまして、すべて招かれざる客というテリトリーで結びつけることについてはどうかと思っています。

しかし、そういったことによりまして、にぎわいをもたらすこともあるということもつけ加えさせていただきます。

もう一つ、雇用の問題でございます。

計画の概要しかつかんでおりませんし、まだ構想の段階という中でございますから、どれくらいの雇用があるかということはつまびらかに我々はつかんでおりませんことを申し上げたいと思います。



山田多津子議員


再々質問をさせていただきます。

先ほどの「同意」の問題ですけれども、市長は、基本的に設置に同意をしたというふうに今おっしゃいました。

であるならば、何度も言っていますけれども、何回も議会の中で答弁されています「協議のためのテーブルにつくための同意だ」と言われたこと、これはやっぱり議会の中で公式発言されていることが内容が変わってくるのではないかというふうに思うんですけれども、その点もう一度きちっとお答えをいただきたいというふうに思います。

それから、招かざる客ということで、すべてを否定しているということではないんですけれども、1991年の9月の朝日新聞にこんなことが書いているんです。

若者に競馬人気が広がる中、今年4月から8月までの間に、大阪市内の場外馬券売場3カ所で中学生や高校生ら未成年685人が馬券を買って、大阪府警少年課に補導をされていることがわかったと。

これはデートの資金を稼ぐとか、遊行費ですね、こういったことで馬券を買っていた少女もいたと、こんなことが本当に現実問題として、私は、今度こういう舟券・車券売場がこの原地先に設置されることになれば、彦根にもこういう問題が本当に起こってくると思うんです。

先ほど来の質問の中にも青少年の問題がたくさん出てきていました。

そういった中で、今、青少年犯罪が低年齢化してきています。

こういったことも本当に心配されてくるようになると思うんですが、そういった点でもう一度、市長、この点でのお考えをお聞きしたいと思います。

それから、同意をしたという点でもう一度つけ加えたいと思うんですけれども、関連法令や規則では周辺の単位自治会の説明と同意が必要というふうになっています。

これは鳥居本の連合自治会のみの協定でよいと考えているのかという点でいいますと、これは単位自治会のものではないと思いますので、こういった点で、本当にこの同意という点でそれが許可になるのかどうかという点、もう一度その辺もお聞きしたいと思います。

それから、もう一つ、誘客と雇用の問題ですけれども、概要がわからないのに、こういった点で市長が拡大が認められるので同意をしたというふうに思われたのか、概要がわからないのにそういうふうに言われたのかどうかということを再度お聞きしたいと思います。



中島一市長

それでは、再々質問にお答えします。

4つあったと思います。まず第1点目でありますが、協議するための同意と設置同意についての再々質問にお答えします。

 平成16年6月議会で山田議員の再質問にお答えいたしておりますが、
基本的には、設置することに同意をいたしました。

当然、
設置の同意がなければ協議が始まることはあり得ないことから、設置に係る協議をするための同意と申し上げたものでありまして、このことは当時から現在も変わっておりません。

次に、同意に当たりましては、事業者より青少年健全育成、交通・防犯、生活環境対策等の対処について万全を期される旨の確約書が提出されました。

これを条件として同意したものでございますが、今後はこれに基づき指導してまいります。

3点目であります。単位自治会の同意についてでありますが、事業者と
自治会、町内会ともいいますが、との基本協定が締結されておりまして、国の設置許可基準を満たしているものと考えております。

雇用の問題について、4点目のご質問がありました。

複合施設の全体計画から見て、温浴施設、スポーツ施設、ケア施設などさまざまな施設が計画されておりまして、管理運営面からの雇用機会の増加が見込まれるなどからしまして、経済効果が見込めるものと考え、判断をしたものでございます。

  (「議事進行」という声あり)



谷口典隆 議長

 成宮議員より議事進行につきまして発言を求められましたので、これを許可します。
  


成宮祐二 議員(日本共産党) 

議事進行について発言します。

そもそも経過は、私は議事進行ですので余り触れませんけれども、さっき山田議員が質問しましたように、昨年の6月議会での再質問に対する答弁、それがありました。

山口議員も6月議会でその質問をされました。

12月議会にも獅山議員がそれにかかわって質問をされたわけであります。

その際にいずれも、山田議員の質問について言いますならば、第1回目の質問の中で、県とテーブルにつくことについて同意をしたんだというふうに明確におっしゃっています。

今の市長の答弁は、再質問に対して、基本的に設置に同意したんだということをそこの部分を取り上げておられるわけであります。

しかし、一般的には、議会の質問もそうでありますけれども、最初の質問があって、それで再質問でしたら、それにかかわって、それにつながって、それを答弁するわけですから、あくまでも設置についての協議をするという説明を理解して、その上でするわけです。

ところが、今の市長の話は再質問で、設置に基本的に賛成した、同意したと、こういうふうにおっしゃるんです。

ですから、そこら辺は議員の皆さんもどういうふうに理解されるかわかりませんけれども、明確にその部分は違うと私は思います。

ですから、先の山田議員の中では、5月26日のトランスワードとの協議事項について、あそこには明確に「設置に同意する」と、こういうことですから、市長の答弁も違うと思います。

ですから、その部分で議事の進行上、大問題が生じますので、改めて議長の方でそれに対する措置をお願いしたいと思います。

以上です。



谷口典隆 議長

 暫時休憩いたします。

           午後2時25分休憩

           午後2時58分再開



谷口典隆 議長

 休憩前に引き続き会議を開きます。

成宮祐二君に申し上げます。

平成16年6月定例会会議録において、山田多津子議員の質問に対し、市長から「設置に同意をしたわけであります」との答弁がありますので、成宮祐二君の発言が議事進行に当たらないと認めます。