2004年12月22日 彦根市議会定例会 請願書採決 |
辻橋正一 産業建設常任委員長 産業建設常任委員会委員長報告を行います。 請願の審査結果についてご報告を申し上げます。 本委員会に付託されました請願は、請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書、請願第14号WTO・FTA交渉に関する請願書、請願第15号「食料・農業・農村基本計画」見直しに関する請願書のの3件でありました。 請願第13号につきましては、委員から開発に伴う事業計画書について理事者に質問があった後、請願に対して賛否両論の発言がありました。 賛成の発言といたしましては、「子どもたちに悪影響を及ぼすものについては新しくつくらない、よい影響を与えるものについては廃止しないという観点から、舟券・車券売場の設置については反対する」との意見。 反対の発言としては、「施設については、賭博等の特殊なものではなく、趣味・娯楽が中心となっている複合施設も設置されるということで、地元の強い熱意もあること」、また、次の委員からは「計画書が提出されていない時点で、市民への悪影響が予想されるなどということで反対するのは危険だと思われる。 しかしながら、地元への説明会については必要なものであり、懇切丁寧にするべきである」との意見がありました。 この後、採決を行い、請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書は、起立少数で不採択すべきものと決しました。 岩崎国次議員(公政会) 私は、請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書に対しまして反対の討論を行います。 この請願は、去る9月の定例会でも提出され、不採択となりました。 その後、3カ月間に大きな内容の変化もなく再度提出されましたが、私の反対討論の趣旨も変わりませんので、繰り返すこともなかろうかとは思いますけれども、幾つかのポイントだけはここで踏まえておきたいと思いますので、お聞き願いたいと思います。 順不同で申しますが、現在予定されているこの事業は、既に滋賀県、大津市、その他の地方自治体で実施されている公営事業の舟券とか車券を商うものでありまして、今掘削がほぼ終盤状態になっています温浴施設をコア、中心としまして、リゾートあるいはレクリエーションを加味した複合施設であると、そういう構想を持っておられること、さらにこの事業につきましては、地域の自治連合会では各種団体や組織でも賛同しまして期待を持ち、またこのことが地域の活性化につながると、そういうことを念じているわけであります。 さらに一番基本的に考えておられることは、土地の有効な利活用を目指しての事業であります。 もちろん、このことには賛成・反対おられるのはこれはやむを得んことでありますけれども、実は事業者、関係者といろいろ話をしておりますと、反対される側の方から、その事業はおやめなさい、その代わりにこうこうこういう事業をやったらどうですかというような紹介なり仲介なりそういうことが現実にしていただければ対応はさせていただくと、そういうようなことも言っておられます。 もちろん、それは仮定の話でございますけれども、こういうことで、場外の舟券あるいは車券につきましては、予定どおり遂行させてやりたいと私は思っております。 請願書には、ギャンブルのことについて触れておられます。 前回も申しましたように、ギャンブル、これは古くから我々の社会の中であるわけでございまして、一つのレクリエーションでもあろうと思います。 ギャンブルという、そういうカテゴリー、範疇の中で言うならば、市内にも幾つかのギャンブル施設があると思いますし、その場をレクリエーションあるいはゲームとして楽しんでおられると、そういう方もおられることから考えますと、現在原町で計画されているこの事業は、やはり私としてはぜひとも実現させてやりたい、実現してほしいと、そういうような気持ちを持っております。 したがいまして、この請願第13号につきましては、私は反対ということでございますので、皆さん方のご賛同をいただきたくよろしくお願いします。 以上です。 獅山向洋議員(無所属) 私は、場外舟券・車券売場建設反対の請願には賛成と全中学校完全給食実施につきましても賛成と稲枝中学校給食存続についても賛成討論をさせていただきます。 私は、この合併問題に随分力を注いでおりまして、場外舟券・車券売場につきましては、ちょっと努力が足りなかったことについては反省しておりますが、本議会におきまして、この請願についての賛成する理由を少し詳しく述べておきたいと思います。 まず、彦根市の総合発展計画とか、さまざまな彦根市の方針の中では、彦根市は学園都市であるということを目指しております。 そして、現に私が市長のころはまだ滋賀大学の経済学部と聖泉短期大学だったわけですが、その後、ミシガン州立大学連合日本センターもできましたし、さらに滋賀県立大学も誘致したわけでございまして、彦根市としては着々と学園都市という方向に向かって努力し、また実現しつつあるわけです。 おかげさまで、学生さんが彦根に帰ったり、あるいは住んだりしてくださって、彦根市そのものの活気というものも出てきているわけです。 そういう中で、ぜひともこの場外舟券・車券というものの位置づけを考えていただきたいんですが、この舟券につきましては、これはモーターボート競走法という法律があるわけです。 また、車券売場につきましては、自転車競技法という法律があるわけですが、この法律両方とも、学生・生徒および未成年者は舟券とか車券を購入したり、または譲り受けてはならないとはっきりと規定されているわけでございます。 私たちが考えなければいけないのは、このように学園都市を標榜しながら、まさに彦根市の重要な玄関口、そこに学生・生徒がやってはいけないような施設を持ってくるということはいいことかどうか、これはあくまで一地域の問題ではございません。 彦根市全体の問題として考えていただきたいと思います。 それならば、学生・生徒に行かさなきゃいいじゃないかと、こういうような理屈が出てくるかと思いますが、そうではありません。 現に私のときには、どこだと言われるとまた困りますので、はっきり申し上げておきますが、滋賀大学経済学部の方から私に対して、どうかああいう施設は彦根市においてつくらないように努力していただきたいという申し入れを受けました。 そのときに滋賀大学の先生方がおっしゃったのは、私どもは大切な学生さんをお預かりしております。 もしこの学生さんがこういうことで、未成年者だったら当然補導を受けるわけですね、これは触法少年ということになるわけです。 もちろん罰則はありませんよ。 罰則はありませんけれども、法に触れる行為をしたということで補導を受ける可能性もある。 そういうことですから、ぜひとも大学としての意見もお聞きいただきたい。 もう一つ、これは非常に重要なことなんですが、もしそういうような施設がある市内にある大学であるならば、親だって心配して、もし条件が同等ならば、やはりそういう施設のないところにやりたいと思うに違いない。 そういう意味で、ぜひとも今後の滋賀大学の競争という意味からも考えていただきたいと、こういうことでございました。 さて、今、私どもがよく考えなければいけないのは、聖泉短期大学も聖泉大学になりました。 また、県立大学も今立派に彦根市に誘致し存在しているわけです。 当時よりもさらに大学関係者としては真剣に考えておられるだろう。 皆さんよくお使いになる「少子高齢化の時代」です。 少子高齢化の時代ということは、学生を取り合う時代なんですよ。 そういう時代に、やはり大学の方々が心配され、また競争力が低下するような施設を持ってくるということは、我々は単なる一地域の問題としてではなく、彦根市全体の問題としてぜひとも考えていただきたい。 私は、やはりこういうことはやめてほしいというふうに思っております。 恐らく今後具体化してくるときには、当然いろいろな方々の意見を聞かなきゃならないし、また私たち彦根市の方針としても考えなければいけないと思っておりますので、その点についてぜひお考えいただきたいと思います。 それともう一つ、あの地域といいますか、これは名神のインターチェンジがあって、307号、そして国道8号線というものが近接してあるわけですね。 彦根市は、県や国に対して絶えず交通渋滞について陳情しているわけですよ。 陳情している立場にある者が、さらにまた交通渋滞に輪をかけるような施設を持ってくるということ自体おかしいです。 私は本会議でも質問いたしましたけれども、少なくともこの交通渋滞に関する問題が解消されていない限り、仮に賛成の方であっても、やはりちょっとその問題が解決するまで待ってくれと言うのは当然ではないでしょうか。 これは本当に重要な彦根市の施策であり、我々市議会議員としてもしっかり考えておかなければいけない問題ですので、その点についても指摘しておきたいと思います。 それから、もう一つ、この問題についてよく考えていただきたいのは、私のときには馬券売場の問題がありましたので、現実に場外馬券売場のところへ行って、どういう状況かということをよく見てきました。 特に私もびっくりしたと言うとおかしいですが、この近くでしたら京都の祇園にもあるわけです、これは馬券売場ですけどね。 とにかく開催中はほとんど店を閉めておられますよ。 何かこれによって何らかの物が売れたり、町が活気づくなんて考えておられる方は、僕はそういう幻想はやめていただきたいと思うんですよ。 もし見ておられないなら、ぜひ見に行っていただきたいと思います。 それはやはり異様な雰囲気です。 そういう施設が来れば彦根市にお客さんが来るだろうなんてことを考えるのは間違いです。 私だって、正直申し上げますが、淀競馬場にも行きました。 馬券売場だって見に行っただけじゃなくて買ったこともありますよ。 そういうときの心理状態というのは、皆さんも溺れていただいては困るんですけれども、心理状態というものを少し勉強していただきたいと思うんですね。 勝ち負けにかかわらず、これは賭け事に行っているわけですから、賭け事に行ったついでに彦根城へ行こうなんてそんな人はだれもいません。 それよりも、やっぱり賭けに勝ったらすぐ、まあ、ちょっと言いにくいですけれども、お金を使うところへ行ってしまうし、もし負けたならば、そのときにちゃんと帰りの電車賃なりバス代なり準備しておかれたらいいけれども、準備しておかれなかったら本当に困ったことになるわけですよ。 その辺は私ははっきり申し上げませんが、大津のその周辺の方々にも聞いていただきたいと思うんです。 なかなかいろんなことで被害をこうむっておられますよ。 その辺のことを私は、地元の方々が反対されるその気持ちというものもよく理解してやっていただきたいと思うんです。 それは駐車場の違法駐車の問題とか、そういうことを取り上げておっしゃっています。 なかなか泥棒の被害もあるなんて言いにくくて言えないと思うんですけど、私ははっきり申し上げておきますよ。 やっぱり負けて電車賃も何もないような人がちょいちょい入って、盗られることもあるんですよ。 それは大津の警察にも聞いてほしいんですよ。 そういうような大変な被害を受けるということも考えてあげていただきたいし、同時に、そういう施設の周辺の地価は下がります。 間違いなく下がるんです。 皆さんもご存じでしょう。 孟母三遷(もうぼさんせん)という言葉がありますね。 (筆者注:子供に良い教育をしようとすれば良い環境を選ぶことが大切だというたとえ。 孟子(もうし)の母が墓地の近くに住んでいた時、孟子は葬式のまねをして遊んだ。そこで市場の近くに引っ越したところ、商売のまねをして遊んだ。こんどは学校のそばに引っ越したところ孟子は勉強のまねごとをしたので、そこに住むことに決めたという故事。) やっぱり教育熱心な方は良好な雰囲気のところを住宅地として選ばれるんです。 そういう施設があるところでは、やっぱりそんなところはということで、仮にそれを転売しようと思っても、ものすごい下がってしまうわけですよ。 ですから、そういうような地元の方々の現実の被害というものも、我々彦根市民としては自分たちの問題としてやはり考えていただきたいと思うんです。 いろいろとほかにも申し上げたいことがあるんですが、本議会においてはこの程度にしておきますけれども、私はやはりそういう細かいことをよくお考えいただいて、この問題について賛否を明確にしていただきたいと思っております。 赤井康彦議員(市民コラボ) 私は、請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書につきましては、採択すべきという観点に立って発言をさせていただきます。 ほぼ毎日開催における交通問題もありますけれども、青少年育成の観点から採択させていただく理由といたしまして、一つ、少子高齢化社会にあって、子どもたちのために教育、子育てが必要で、最重点を置くべきである。 二つ、子どもたちを取り巻く環境は非常に悪化している。 三つ、車券や舟券はギャンブルの特異性が子どもたちによい影響を与えないという理由からでございます。 一方、不採択する意見として、活性化のために必要という考えでありますが、特に地方都市などでは言われますが、地域で誘致活動を活発にすることが必要であると考えます。 また、具体的な事業計画が出ていない段階で、進出に反対、採択することは疑問という意見がありますが、後日問題をより大きく複雑化しないためにも、情報は早く出し、早い段階で意思表示をする必要があると考えます。 また、法律で公営として認められているという意見には、公営として認められている理由としては、資金集めの理由もありますが、歴史的に問題視されてきた時代があるので、実施については十分配慮する必要があるという意味で公営とされているものと考えます。 いずれにいたしましても、子どもたちを取り巻く環境は非常に悪化しているという中において、子どもたちに少しでも悪い影響を与えると考えられるものは新しくつくらない、よい影響を与えているものは継続していくことを原則に考え、請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書につきましては採択すべきと考えます。 以上でございます。 山田多津子議員(日本共産党) 私は、ただいま議題となっています請願に対し賛成の立場で討論を行います。 まず、請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書についてですが、私はこの問題はさきの6月・9月議会でも質問いたしました。 また、今12月議会でも質問がありましたけれども、市長はギャンブル施設は好ましくはないと言いながら、場外舟券・車券売場が温泉利用を核とする「温浴施設」「スポーツ施設」「ケア施設」といった複合施設の一部に設置されるものであり、施設全体から見て雇用の機会が増大することや地域の活性化が期待できるとして、苦渋の決断をしたと述べられています。 しかし、この地域には場外馬券売場が計画され、10年以上にわたり場外馬券売場建設反対運動が取り組まれた地域です。 城下町に、また学園都市にギャンブル施設は要らない、この声は市内全域から沸き上がりました。 しかも粘り強い反対運動もあり、計画は断念されるに至った経緯があります。 今度の場外舟券・車券売場計画の内容は、場外馬券売場とは異なり、開催日もほぼ毎日となっており、利用者は舟券売場では1日1,000人、車券売場では800人とも予想されていて、このことで起こる交通問題や青少年への影響ははかり知れないものがあります。 請願書にもありますが、彦根城をシンボルに歴史ある観光都市でもあります。 また、県立大学も誘致して、複数の大学が存在する県下でも有数の学園都市でもあります。 場外馬券売場計画以上に連日1,800人とも言われる人たちの出入りは、単に交通問題だけではなく、特に周辺地域への環境全体に大きな問題が発生することは火を見るより明らかです。 市長は、複合施設として来客も雇用も増える、場外舟券・車券売場はギャンブル施設であっても複合施設の中の一施設でもあり、こうしたものも含めた存在が町の後世発展につながるとの見解を示していますが、これは全くの詭弁です。 かつて場外馬券売場計画が持ち上がったときに、石和町などの例が示されましたが、競馬があるときはその商店街は全部シャッターを閉めて、あたかも台風が過ぎ去るのを待っているかのような状況があったと報告もされています。 市長は、このことを忘れられたのでしょうか。 このような施設が来ること自体、彦根市には招かざる客です。 議員の皆さんもぜひこうしたことを再度お考えいただいて、この請願を採択されるよう強くお願いをするものです。 谷口典隆 議長 請願第13号場外舟券・車券売場建設反対の請願書を採決いたします。 本請願に対する委員長報告は不採択であります。 お諮りいたします。 本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 谷口典隆 議長 ご着席願います。 起立少数であります。 よって、本請願は、不採択と決しました。 |